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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
145/534

3話(2/14、26挿し絵追加)



異世界に転生されて来た。


そして、マイミも、異世界に来た。



そこに、ジュンの姿は無かった。


『キッド。やっぱりジュン君はいないんだね?』


『悲しくても泣くんじゃねーぞ!オレらは弱すぎる!モンスターとしても、人間としてもダメダメだ!マイミ!オレらは何があっても死んじゃいけない!それだけは2人で約束しよう!』


『わかった!でも今はちゃんとやるべき事は理解してるつもり!』


『それならいいか。よし、走るぞ。』


麦藁洞窟から、グロック村に向かった。


もうすぐグロック村だ。


『おい!本当に戦ってるのかよ?まるで音がしないじゃないか?どうなってる!マイミなんか聞こえねーか?』


『いや!剣がぶつかる音とか何も聞こえないよ。どうなってるの?』


『そこの茂みを越えれば村が見えるぞ!ほらっ!見えた!』


『なにこれ?!』


茂みを、越えて見えた村の中にはオレらの仲間が全員捕まり、手を後ろで縛られて、座らされていた。


『なんで、みんな捕まってやがる?誰だあいつ!』




『どうする?キッド!』


『大丈夫だ!オレについて来い!行くしかねーだろ?』


そういうと、オレを先頭に村まで走っていった。


「お前ら魔族か?止まれ!こいつらの仲間か?」


ボスではなく、下っ端みたいなのが息巻いている!


『そうだ!』


オレの声にボスらしき金髪美青年が、驚いて立ち上がりこっちを見てる!

挿絵(By みてみん)

「キッドか?」


オレの仲間のプレイヤーみんなも、なんだどうなってる?とキッドを見ていた!


「どういう事だキッド!裏切りか?」


カズキが、納得いかない顔で怒鳴っていた!


『カズキ!オレはこんな奴知らない。しかもオレの言葉がわかるのか?』


「なんだ人違いじゃない!声間違いか?確かにちょっと違うな」


『なんだおまえ?誰だ?おまえなんか知らない!なんでオレの名前を知ってやがる』


「ははは。そうか。喋り方がよく似てたから昔一緒に冒険したやつに間違えたか。そいつが魔族がいることを教えてくれたり、色々面倒見てくれて、会話のスキルを覚えたんだ」


『オレとよく似た声のやつがいたのか?』


「あー!仲間思いのいいプレイヤーだった!おまえキッドっていうのか?」


『あー!そうだ。』


「この人がキッドさんですか?ジャイロさん。」


「違うらしい!名前が一緒なんて偶然あるのか?でも喋り方はそっくりだな。今日は何しにこの村に来た?」


『すまない!ほんとはおまえを倒す予定だった!でもちょっと都合が変わった。頼むオレらを見逃してくれないか?この通りだ。』


「正直なとこも、仲間思いなとこもそっくりだ!まるで、モンスターじゃなくて、プレイヤーなら、生き写しだな!そんなやつの頼みじゃ断れないだろ!すまないな!みんな。オレに従って貰うぞ!こいつらは見逃す!」


「ジャイロさん!ジャイロさんが!言うならわかりました。」


『おまえジャイロって言うのか?』


「あー!そうだ!オレと、マスカットってやつとキッドっていう3人でよく冒険してたんだ!名前が一緒だが、まぁおまえじゃないんだけどな。よかったな、オレの世話になったやつと名前が一緒で、とりあえず貸しな。みんな縄をほどけ。」


みんな縄を、ほどかれ解放された。


『みんな大丈夫か?』


周りを見渡したら、シンの姿はなかった。


『シンはどうした?』


「いない。私達だけグロック村に転生されて来た。シンはいなかった!」


『そうかレイ!あれっ?おい!ケンスケいるじゃん!』

挿絵(By みてみん)

「参った参った、昨日撃たれたとこから全く記憶がねー!でもまだ異世界に来れたって事はまだ魔王と戦えるな、ぶはっはっは。」


「全く!こんなすぐに、この話し方を聞けるとは私の昨日の涙を返せ馬鹿!」


「オレは人間界でどうなってる?」


『ケンスケは意識不明の重体、ジュンは死んだ』


「そうか、、またオレのせいか?」


「違う!あの子はケンスケのせいじゃない!そういつもいってるじゃないか!」


「そうか、、。それでも、その事も、ジュンの事もやはり責任は感じるな、、、特にマイミすまない、おまえの彼氏を守れず、すまないことをした。」


『大丈夫!みんな救われる方法があるみたいだから!』


「そうなのか?オレの意識もジュンも救われるのか、それは凄いなじゃあ笑うしかないな、ぶはっはっは」


「キッド、私この声が精神安定剤かもしれん!色々あってから、異世界に来るまで笑わなかったからなケンスケは。」


『そうか一緒に住んでるんだっけか?結婚はしてないんだろ?』


「あー!目前だったけどな。私のせいだ。」


「違うオレのせいだ。」


『2人共とりあえず後でゆっくり聞いてやる!それより昨日のやられたシンだ!』


『レイ。スキル本あるか?』


レイがごそごそバックから本を出す。


「おい!昨日と数字が違うぞ。」


昨日のD21≧1からD21≧1←→1に変わっていた。


『シンは生きてるやがる。異世界のどこかにいる!』


「クリアスキル1の本じゃねーか?懐かしいな!」


『おまえこの本知ってんのか?』


「あー!昔オレ達が集めて、マスカットとマスカットの後継者に預けた!」


『R35064とR4って書いてあるスキルの本がなかったか?もしあったなら、その意味を知ってるか?』


「いやーわからん!昔集めはしたが、スキルを使ってないからななんともだ。」


『そうか!オレらには、それが必要なんだ!それを使わないといけない!仲間の為に、』


「オレと、冒険したキッドも仲間の為にってよく言ってたぞ!もう行った方がいんじゃないか?」


『ジャイロって言ったな。じゃあ、ジャイだな!ジャイ!この借りは必ず返す。』


「気にすんなよ!あのキッドにもジャイって呼ばれてた。懐かしいな。みんなの異世界だ仲良くやろう。」


オレは逃してくれる、こころ優しい、ジャイと握手した。


『みんな行くぞ!あの木の麓に。』


そう言うと全員で立ち上がり、

それぞれがジャイのグループに、お詫びと感謝の挨拶をして村を出た。


…R35064スキル!まってろよ!


「異世界で同姓同名なんてあるんだな?」


カズキとミズーが走りながら寄ってきた!


『ほんとだな!カズキは昨日テストだっていってたな?ミズーも学生なのか?』


「まあまあかな?オレは赤点まではいかないですんだはず。」


「私は学校には行ってないよ!ダルくて、辞めた。今は音楽やってる。ラップだけどね。まぁ確かに勉強苦手だったのは事実だけど。」


『2人とも、あんまり頭良くなさよそーだもんな。』


「じゃあキッドはどうなんだよ!学校のテストは?」


『は?テスト?オレ赤点以外とった事ねーよ。毎回点数が一桁が自慢だな』


「恥ずかしくも、なくよく言えんな。」


「それで、ダブんないの?」


『先生には気に入られてるからな?トイレ掃除で10点、毎日ゴミ捨てで、10点、先生へのごますりで10点、オレのテストがだいたい10点で、ホラ見ろ!40点だ!すげーだろ!』


「ははは。それはすげーや。補習じゃないんだな。」


「マジうけるね。」


『そーいや。シンはシン達の村にいるんだよな?』


高くそびえる木で太陽を遮り、こちらまで日が入ってこない杉並木みたいな異世界の森を走りながら、話をしていた。


「あー!多分な。」


『リン!』


後ろを走ってた、リンが、オレとミズーの間に割って入ってきた。


「何?呼んだ?」


『カズキとリンは、シンの村に行って、昨日のスキルの本を埋めた所にシンを連れて、引っ張って来てくれ。』


「わかった。」


「っていうか、ジュンがなんでいねーんだよ。あいつまた逃げたのか?」


『ちげーよ!あの時はミッキーが死んでカズキがキレたからだろ?ジュンは人間界で、シンの重要参考人の谷口に殺された!ケンスケも意識不明だ。』


「マジなのかよ?」


『あー。』


「また逃げたなんて、酷い事言って悪かった!シンも死んでいたのか、、?」


『あの時、オレは、車内だったから、途中までは話が聞き取れたけど、そのあとはわかんなかった。でも場所が埠頭の先の港だったから、そうなのかもしれない!シンは確認は取れてない。でも、ジュンは死んで異世界に来れてない。ケンスケは意識不明だけど、今異世界にいる事を考えると、シンはまだ異世界にいるから、希望はあるんじゃね?』


「じゃあ、今みんなでその本に向かってるのはなんか意味があるんだな?わかった。とりあえずシンの村まで最短で向かってから、そっちに急いで向かう!シンがいてもいなくても急いで向かうから待っててくれ。リン右側に斜めに突っ切るぞ。」


『おぅ!待ってるから、早く来いよ!』


カズキと、リンがオレらから右側に斜めに林の中に消えて行った。


「ジュンさんって、、、マジ死んだの?人間界で?」


『そうだ!ミズーはいなかったから、今初めて聞くかもしれないけど、オレらが病院で確認した!』


「酷い、、。で今そのスキルに向かってるのはなんで?」


『ジュンが話したんだ。R35064でみんな救われるって、死んで話せるわけないのに、オレとマイミなんて、ジュンのそばにいないのに病院にいたオレら全員が聞いた!絶望しかなかったけど、ジュンが、死んだジュンが、そう言ったら、それに従うだろ?どう救われるか、わからないけど、今の絶望の状態よりよくなるなら、やるしかねーて!なって今みんなで、走ってるわけだ』


「そうかぁ、みんな異世界ではいつも仲間の為に一生懸命だね!私はタルイ事が嫌いだったけど、カズキが、私の命を救う為に走ってくれたって聞いて、私も頑張ろって思うようになった!」


『あー!グロックの戦いの時か?ミズーは死ぬ寸前だったからな!ケンスケの魔力が凄かったからな!危ないとこだったけど、助かって良かったな。』


「私もみんなの為にダッシュ出来る人間、カズキのような人になりたい。」


『大丈夫!もうなってるって。前からなってる!このジュンのパーティは、自分以外の人間の為に死ねるメンバーしか集まっていない!』


「そうかな?じゃあ私も異世界に来て少し変わったのかも。自分の利益の事ばっかりだったから。」


『そうやって、成長していくんだ!みんな!みんなで一緒に!傷を埋めあって、異世界はその為にあるのかもな?』


「じゃあ私の傷って言うかポッカリ空いた穴はいつか埋まるのかな?何かあるような気がしたんだけどなこの異世界なら。」


『おまえなんか探してるのか?』


「そうなんだ。私の旦那さん。」


『はぁ?意味わかんね。彼氏探しなら人間界でやれよ!まぁ、いいや!異世界は4時間だ!ペース上げるぞ!みんな聞こえるか?ペース上げるぞ!』


「キッド!おまえの遅さにみんながあわせているんだぞ、ぶはっはっは!じゃあ全力で走るから骨の体でちゃんとついて来いよ。ぶはっはっは!」


オレらはあのジュンが転生されて来た池の側に埋めた本の元に急いだ。

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