2話
泊まれる旅館をネットで探したがなかったので、ビジネスホテルに向かった。まるでアメリカ映画の中に行って来た様な銃弾を受けたアルファードに乗り込みみんなで向かった。
チェックインを済まし、作戦会議の為に、マイミとユイのダブルの部屋にみんなが集合した。
色々あったから1人ではいない方がいいとみんなで話し合いの結果のダブル部屋だ。
やはりあんな惨劇の後だから、元気が無い。
でもそれは1人除いてだ。
それはマイミ!マイミだけが、前を向いてしっかりしていた。
…こいつは、本当ジュンの為なら多分なんでもするんだな。
…凄すぎるな。
『みんな聞いて。悲しんでも始まらないんだよ。私達は、新たな目的にまた心を1つにしないと!そこにみんなが救われる未来があるなら、私はその蜘蛛の糸みたいな希望でもすがりたい。』
「その通りだ。私のケンスケも、泣いていても帰ってこない、今は意識不明でいつ回復するか、わからない!死んだ状態なジュンが、みんなが救われる未来があるって言うなら私もそれにすがりたい。」
『レイちゃん、、。』
「マイ私達はこれからは同士だ。」
『2人で何やってんだよ!1番悲しい2人が奮起してるのに、オレらがやらない訳いかねーだろ!』
「そうだよマイ!レイちゃん!私も全力でサポートする。」
「ユイだって、出来る事はするし、みんなが泣きそうな時は側にいるよぉ。友達だもん。」
「みんな心は1つになりましたな。」
少し、マイミから話した内容で空気が軽くなった気がした。
『R35064オレ以外に気がついたやついるか?』
手を挙げたのはレイだけだった。
『そうかそうだよな。レイは一緒に埋めたもんな。みんな聞いてくれ、この数字は多分、異世界に存在するスキルの本だ。覚えてないか?オレが1番興味を示していたやつ!』
『そうだったね。あれなの?』
『アレの最後の数字がR35064だったはず。確か1番初めはR4だったな!意味がわからないから、D27の方をオレら選んだろ?なんだかわからないけど、オレはあの本になんか感じたものがあったんだ!』
「じゃあアレを使って何かがおきて、みんなが救われるってことか?そんな夢みたいな話があると思うか?」
『レイ覚えてないか?一緒に埋める時、このスキルの使用が人間界って書いてあった事を!』
「書いてあった、、、?いや書いてあった!あったな!こっちの世界で使えるスキルなのか?人間が蘇るのか?35064人程。その中の1人にケンスケを入れてくれ。」
『いやいやそんな都合のいいスキルなのか?』
「キッドでもさ、ユイは覚えてるけど、あのスキル達ってなんか強力で、代償みたいの払うってジュンさんが言ってたじゃん?それも多分、なんか代償?引き換え?みたいのがあるでしょ絶対!」
『でも、それしかないなら、それしかないだろ?ユイ!』
「まぁ、そうだね。それしかないね。」
『じゃあ決まりだ、明日グロック村で戦争だったけど、上手く回避して、あの木の下まで行くぞ!』
「グロック村のやつは殺さないのか?昨日やっつけたやつを見ていたら私達は、攻撃されるぞ!絶対。」
『その時は戦うしかないかもしれない。オレとマイミは麦藁洞窟だから、すぐ向かう。とりあえず人数が減るのは回避したいから、戦いも回避する方向で行こうぜ!向こうに転生されるみんなはマジ頼むな!』
みんな頷き、各自部屋に戻った。
オレはセシルさんと同じ部屋だった。
「本当にみんなが救われる方法があるんですかね?」
『セシルさんなんで?』
「もし、死者が蘇るなら、私も生きかえらせたい人がいます。」
『そうなの?誰?』
「娘です。私のせいで死にました。
私はそのトラウマから、立ち直れず異世界にいます。」
『そうか。セシルさんもか、オレも助けたい人がいるんだ。前に異世界で話した優子を救いたい。でも蘇りのスキルじゃないとはおもうけど、もしそうなら、オレの優子は死んでないから、救えないな。優子は元気かな?地元に置いてこっちに逃げてきてしまった。』
「みんな、なんかありますよね。あの世界にいるんだから。向こうだと、強気に話してますが、こっちだとこんな感じなんですよ。私は。」
『いんじゃん。セシルさん。セシルさんなりに、異世界で変わろうと、頑張ってるからっしょ。オレはもう、女性恐怖症だわ!なんか、凄く軽く見えるし、チャラいようにみえるけど、いざ真剣になろうと、すると、優子の顔が出てきて、吐くんだ。』
「キッドさん。わかります。私の場合毎日毎日、娘が、夢に出てきてました。出てこなくなったのは、異世界に来てからですかね。」
『やっぱり、なんか心の傷を癒すために異世界ってあるはずなのに、傷が深くなるなんて、あっちゃ絶対ダメだよな!しかも異世界に行ったことが原因で死ぬなんて、ありえない!』
「本当ですよね。あんなにみんなの為に頑張っていたジュンさんが、死ぬなんて、むくわれない絶対!」
『その通りだ!セシルさん。頑張ろう!オレらにしかできないことがある!それを全力でやるだけだ!いつも、一緒にいた、ジュンが教えてくれた事だ!だから頑張ろうセシルさん。』
「はい!笑っているみんなといれる事が、私の傷を癒していましたから。」
『それはオレも同じだ!セシルさん。ちょっと聞きたい事があるんだけどいいかな?オレは青魔族だから、30日終わったら、簡単な頼みごとを聞いてもらえて記憶を、消されて人間界にもどるけど、プレイヤーは、異世界で死んだら、記憶ってどうなるのかな?』
「プレイヤーは記憶は残るはずですけど、周りに死んだ人と、人間界であってないのでわかりませんね。」
『ふーん。オレも、記憶失くしたくないな!マイミはジュンに会えなくなるのが嫌で卒業して、赤魔族になったんだろ?、記憶だけ残してもらって、卒業とか出来ないのかな?』
「そこらへんは私達と神様が違うからなんともですね。」
『でも、こんな悲しい記憶なら、覚えてない方がいいのかな?』
「悲しい記憶もありますが、それ以上に楽しい記憶もたくさんあるんじゃないですか?私達や、ジュンさん他みんなとの会った記憶全部無くなっちゃいますよ。」
『それはダメだな!!じゃあやっぱりそのお願いを、きいてみないとだ。』
「そうだとおもいますね。」
16のオレがタメ口で、
40のセシルさんが、敬語で、
2人とも2人部屋のベッドで横になりながら、天井を見て話していた。
『セシルさん。オレ寝るわ!』
「はい!じゃあグロック村でまた。」
オレらは寝て、異世界に備えた。