19.2話(2/14挿し絵追加)
異世界の麦藁洞窟の前に転生されて来た。
『キッド!待たせたな。』
『そうでもねーよ。』
ちょっと経ってマイが転生されて来た。
『ごめんお待たせ。』
『グロックの村では今戦闘の真っ最中かもな?』
『ジュン早くいこうぜ!みんなが、心配だ。ここからは何が起こるかオレもわからない!』
『あー!急ごう!』
3人はグロックのいる村に走った。
『キッド!』
マイが後ろで走りながらキッドと話していた。
『なんだ?』
『私達結婚する事になったから。』
キッドがあまりにもびっくりで急ブレーキで走るのをやめた。
『ホントか?ジュン!』
『異世界が終らせたらだな。昨日プロポーズした。』
『そうか、そうか!それはめでたい!オレの知り合いにマスカットって名前で元青魔族で牧師になるってやつがいたんだ!式やるときは声かけてくれ。力になりたい!』
『知り合いか?葡萄みたいな名前だな。』
『そうだ!仲間思いのいいやつだった。めちゃめちゃ聞き上手な奴でさ、オレもそいつに色々話を聞いて貰ってさ、救われたんだわ!何時間でも話聞いてくれる神様みたいな仲間だった。』
『その時は必ず連絡する。夕日が綺麗なとこで頼むわ!』
『おう!まかせとけ!とりあえず2人共走りながらで悪いけど、おめでとうな。その言葉でオレが救われた気がする!』
『なんで、オレとマイの結婚報告で、おまえが涙ぐんでるんだよ!』
『ははは。色々年取ると涙もろくなるって言うだろ?』
『キッドおれより、若いじゃん!』
『ちげーねー!ははは。』
もうすぐグロック村だ。
『おい!本当に戦ってるのかよ?まるで音がしないじゃないか?どうなってる!』
『マイ!なんか聞こえないか?』
『いや!剣がぶつかる音とか何も聞こえないよ。どうなってるの?』
『ジュンそこの茂みを越えれば村が見えるぞ!ほらっ!見えた!』
『なんだこりゃ!!』
茂みを、越えて見えた村の中にはオレらの仲間が全員捕まり、手を後ろで縛られて、座らされていた。
『なんで、みんな捕まってる?誰だあいつ!』
『ジャイ、、、。』
『キッド知り合いか?』
『あっ?あー!リアルフレンドだ。だが、オレが骨だってしらないけどな。』
『話してなんとかなるの?キッド!』
『大丈夫だ!オレについて来い!』
そういうと、キッドを先頭に村まで走って行った。
「お前ら魔族か?止まれ!こいつらの仲間か?」
ボスではなく、下っ端みたいなのが息巻いている!
『ジャイ!!』
キッドの呼びかけにボスらしき金髪美青年が、驚いて立ち上がりこっちを見てる!
「キッドか?」
オレの仲間のプレイヤーみんなも、なんだどうなってる?とキッドを見ていた!
「どういう事だキッド!裏切りか?」
カズキが、納得いかない顔で怒鳴っていた!
『カズキ!こいつはジャイロ!オレはジャイって呼んでる!リアルフレンドだ!』
「キッド会いに来るって言ってたわりに、来るまで遅かったな!」
『オレは魔族なんだぞ!そう1人で会いにこれるかよ。しかも、この村にはグロックがいた!まず無理だ!』
「ははは。そうだな。おい!キッド!ちょっと言わせろ!時間かかり過ぎだ!」
『でも待ってた訳じゃなく異世界を楽しんでいたんだろ?』
「確かにな、ただ、待つのも暇だからな、狩りに行ってる間にいつのまにか、仲間が出来ちまった!それからは今日まで結構楽しかったな。」
「この人がキッドさんですか?ジャイロさん。」
「そうだ。異世界を終わらせる為に頑張ってる奴らだ!オレらの冒険は今日で終わりだ!」
「ジャイロさん!あのダンジョンに行くって言ってたじゃないですか?」
「すまないな!みんな。オレに従って貰えないか?これからはオレのパーティのメンバーはリアルで遊ぼうぜ!」
「ジャイロさん!ジャイロさんが!言うならわかりました。」
「って事だ。キッド!オレはお前の役に立てたか?恩を返せたか?」
『100倍以上返して貰えたぜ。』
ジャイロと、キッドががっちり握手した。
「みんな!縄をほどいてやれ!」
みんな縄をほどかれ、立ち上がった!
「キッド!リーダーは誰だ?おまえか?キッド!」
「いや!オレじゃない!こいつだ!」
キッドがオレの腕を引っ張り前に出した。
「おまえがジュンか!そうか!よかったな!オレ達ジャイロ組はおまえらに死を譲る!!痛くない方法はあるか?」
『あー!アスピル遣いが2人いる!』
周りを見渡したら、シンの姿はなかった。
『シンはどうした?』
「いないのよ。私達だけグロック村に転生されて来たみたい。」
『アキねぇ。スキル本あるか?』
アキねぇがごそごそバックから本を出す。
「おっ?昨日と数字が違うわよ。」
昨日のD19≧1からD19≧1←→1に変わっていた。
『シンは生きてる。異世界のどこかで生きてる!』
「クリアスキル1の本じゃねーか?懐かしいな!」
『おいっ!ジャイ!!』
「おっ!すまんすまん。」
…キッドって、、、。
…最近変だよな。
…なんか隠してるだろ?
「おいっおまえらどうせオレらは、この後、人間界に帰る!オレらの武器持ってけ。そこのツンツン頭ちょっと来い!」
「オレか?」
カズキが、こっちに来る!
「ほらツンツン頭!これやるよ!オレの愛剣だ。」
「これめちゃくちゃレアなやつじゃねーか?いいのか?」
カズキの目が星マークみたいにキラキラ光ってる。相当いい大剣なのだろう。
「持って見ろ!」
「なんだこれ!めちゃくちゃおもてー!」
「ははは。これが持てるようになればラスボスだって1撃でたおせるかもな。」
「悪い!まだオレにはもてねーや。」
「そうか、じゃあプレイヤーズルームにでも置いといてやる。使えるようになったら、取りに来い!おまえら武器部屋に置いて来い!」
仲間が武器を運んでいる!
ジャイの武器だけ3人がかりで運んでいた。
「あんためちゃくちゃ強いだろ?」
「おまえ!ジャイロさんに向かって、なんて口を!」
「いいんだおまえら!このくらいすぐ強くなれるさ!若いってのはいい事だ!武器も防具も置いといてやるからな。それと攻撃魔法遣いは、誰だ?」
「私だけど、、、。」
「そうか、1人アスピルじゃ大変だな。これ使って頑張ってくれ。MPカプセルだ!多分100個くらいある!」
「こんな高級なの100個?いったいいくら分よ?この人何者なの?キッド!」
「魔法使いのお姉さん!オレは医者だ!××病院で医者をしてる。異世界のみんなならタダで見てやるから是非遊びに来いよ!お姉さんなら3食昼寝付きでもいいよ!来るか?ちなみに医者の金持ちだからって異世界ではリアルマネーは意味ないからな。ちゃんとモンスター狩って買ったんだぞ!」
『ダメだ!アキねぇはオレの彼女だ!』
「いつ彼女になったの?毎回毎回!いくら私が男にトラウマがあるって言っても医者は、グラッときちゃうわよ。不良少年のキッドと比較にはならないわね。」
「何を言ってるんだいお姉さん!キッドは今弁護士になる勉強中で、1番頭のいい学校に行ってんだぞ!」
『「えっーー!!!!」』
「だって、こないだ、過去話聞いた時は、暴走族だって、、。」
『アキねぇ。わかるだろ?』
「今は弁護士なの?」
『まだ卵だよ!まぁ落ちる気がしないけどな!』
「弁護士っていうか、リアルのあんた、弁護されるほうみたいじゃない!保護観察されてる少年みたいな。」
「ジュン!この29歳酷〜い!」
「あんた、わざと初対面の人がいる前で私の歳バラしてるでしょ」
「ハハハ。そんなことねーけどー。」
『キッドおまえ馬鹿なやつだと思ってたけど違うんだな』
『昨日マイにプロポーズしたへんなゴブリンも嫌な事言うー!!』
『「えっーー!!!!」』
『キッドおまえの返しの言葉攻撃半端ないな!』
「そうなの?ジュンさん!」
…なんで、いきなり、前に出て来るカナ、ユイコンビよ!
『あー!昨日プロポーズした!異世界が終わったら、結婚したいって』
「ちょっとジュンさん!聞いていい?知り合って何日目?」
『1週間かな?』
「えっーー!マジで?ユイ超ビックリなんだけど!1週間でプロポーズってありえるの?でもマイだから断らなそうだよね?」
マイが頷いていた!!
「超ハッピーじゃん!マイおめでとう!よかったぁ!こないだ電車で帰る時から結婚したいって、言ってたもんねぇ」
『ユイ!それ内緒って言ったのに。』
マイがまた100度のやかんになってる!
「マイおめでとう。あの時死んじゃわなくて、青神様に助けられてよかったね。」
『カナありがとう。神様には幸せをおすそ分けするつもり。』
「マイちゃん!おめでとう。幸せになるんだよ。私みたいになっちゃだめだよ!」
『アキさん。いつもありがとう。いつでもあきさんは私のお姉さん係だから、これからもよろしくお願いします。』
みんながおめでとうって言ってくれていた。
今日会ったばかりの、ジャイの仲間も拍手で祝福してくれていた。
少しこしょばゆかったけど、普通に嬉しかった。
ユイが自分の剣をマイクがわりに寄って来る。
「さてさて、童貞のジュンさん!昨日病院で大人の階段を、登った感想は??」
『は、はぁ?してねーしそんな事!』
「みなさん聞きました!ウソ発見器が振り切れるくらい寒い発言です!ではマイさん!初めての感想は?」
「いや、本当に、、、まだ、、、なの。」
『ユイ!マイにそんなの言わすなよ。異世界が終わったらだ!何もかも。』
「みなさん聞きましたね!お二人は異世界が終わり次第、大人の階段を、上り2人だけの異世界に行くようです。以上!レポーターのユイでした!」
みんな大笑いしている。
楽しい奴らだなまったく!!
いじられても、嫌な感じが全くしない。
「おまぇ、入院してるのか?」
『あー!昨日リアルで、骨折ってちょっと死にかけた。』
「ちょっと来い!」
ジャイがオレの耳元で、悪魔のささやきを語る。
「オレの病院に引っ越して来い!毎日鍵かけて彼女と個室にしてやってもいいぞ。」
『ちょっと!ジャイ!と思ったけど、考えとくわ!これマイには言うなよ!おまえもキッドと一緒でいい奴だな!』
「はははは。医者は色々余裕があるんだよ。毎日いいぞ。看護婦がな緑さんとか女医の小林先生とかな、、、。」
…小林先生?
…どっかで聞いたな。どこだっけ?
…まぁいっか。
『おいっ!ジャイ!やめろよ!ジュンは童貞だから変なこと吹き込むな!ジャイみたいに女たらしになっちまうだろ?』
「キッド!オレからさそってるわけじゃねーって!おまえもかわんねないだろ?」
『オレは心に決めた女としかやらねーってあの時から決めてんだ!』
「相変わらずだな!ちょっと楽しくて話過ぎたな。キッド例の物持って来たぞ」
『あー!長かったな!ジャイ!知りたかったずっとこの紙の中身を。』
「気がつかなかったのかよ今まで!見ておまえは逆に悩む事になるかもな!」
『マジか?』
「まぁ、そんなとこだ!じゃあそろそろだな。おーい攻撃魔法の姉ちゃん!あんた名前は?」
「アキよ。」
「アキ!おまえのテクニックで昇天でもさせてもらおうかな」
「はははは。ジャイあんた面白いわね。白目むいてもしらないからね!」
「歳が近いから話があうんだろ。おまえらじゃあ人間界に帰るぞ!オレに会いたい奴は病院のジャイを見つけに来い!風邪引いたやつも来いよ!おまえらの金が、オレの次の車代になるからな!!」
『「ははははーーー!!!」』
「来いアキ!オレは強いからな、なかなか昇天しないぞ!」
アキねぇが左手にカプセル片手にアスピルを撃った!
「行くわよー!ハー!!」
薬を、飲みながら1人ずつ弱い奴から消えて行く!
どんどん消えて行ってジャイ1人になった。
「どうした!アキ!こんなもんか?オレはそんなんじゃ、まだいけないぞー!まだだぞーーー!」
「フフフ。」
アキねぇが魔法をやめて、ジャイに歩いて行ってデコピンをした。
「ちょっとあんたが馬鹿過ぎて!笑って魔法に集中出来ないから勘弁して!」
「アキ29歳!どうした!おまえのテクニックはそんなもんか!」
「ちょっと!世の中にこんな馬鹿な医者っているの!!」
「もう笑わせて時間かかって苦しくなってもしらないからね!ってかさっきから、結構魔法で吸ってるはすだけど、どんだけ強いの?あんた!」
「オレか?レベル150だ!グロックはまだ50くらいだっただぞ!ハハハハ!びびったか?三十路が近くて!びびったかアキ!全力で来い」
「上等!ヤブ医者!見せてやるわ!アラサーの私のテクニックなめんなよ!ハー」
「おまえら最高だな!最高に面白いやつばかりだな!
絶対病院遊びに来いよ!! 絶対来いよ!!
絶対だからなーーー!!」
ジャイが消えていなくなった。
「すごいやつだったわ!くたくたよ!」
「なんかあきねぇ。さっきのジャイって人のセリフ聞いてから、アキねぇの言葉聞くとヤらしい。」
「あいつに乗せられて知性がおちたのよ。あんな馬鹿に見られる患者ってどんな馬鹿だか見て見たいわ。」
『アキねぇカプセルいくつ使った?』
「35個くらいかな?どんだけ異世界にいたらあんな強くなるのよ全く!私まだ多分13くらいよ!13が150を昇天させるなんて、無理よ無理。」
『アキねぇ疲れたか?』
「疲れはカプセルで取れるから、大丈夫だけど、馬鹿過ぎて精神的に疲れたわ。」
『ハハハハハ。確かに。あっ!そうだ、アキねぇ!スキルの本!数減ったか?』
みんなで円になり、そこでアキねぇが本を出した。
『「おーーーーー!」』
『減ってる!』
「減ってる」
「減ってる。」
D19≧1←→1から更に減り
D8≧1←→1になった。
『カズキ、リン、セシルさん、ユイ、カナ、回復魔法3人組で、ちょうど8人じゃねーか?』
『「おーーーーー!」』
「やっと来たな!」
「これで、開くね!」
『みんなの協力がないと出来ない異世界攻略だから。』
そう、このスキルは、プレイヤーが本来1人残った状態でスキルを覚えられるスキル!
書いてあった通り魔族のみ!
なぜならば、魔王になるスキルだからだ!
では書いてない詳しい内容は、
プレイヤーと一騎打ちをして、異世界を終わらせる為のスキル。
よって、魔族は魔王になる。
プレイヤーが勝っても、魔王が勝っても本来なら異世界は終わる、
だが、シンが死ねない以上、シンを、殺すのは意味がない!
だから殺して貰う!
だがしかし、魔王になると、レベル的に250クラスになる!
とてもシン1人で俺を殺すのは無理だ!
しかも、魔法攻撃不可!
だから、ゴブリンの状態でみんなに、瀕死まで、HPを、削ってもらい、瀕死の状態でスキルを覚えて1撃で倒して貰う作戦だ。
このスキルは一騎打ち用の為
異世界で使用中は、異世界、人間界共に魔王に意識を捧げる、クリアするまで意識が戻らない!
後は強さが、とんでもなく強くなる代償に痛覚は2倍になる!
意識が無くなるのに、痛覚が2倍になった所で意味があるのかわからない所だ。
それで、クリアした者は青魔族の卒業の願いよりもっと、色々無理難題でも聞いてくれるお願いが出来るらしい。
これが、オレらが選んだこのスキルの内容だ!
『後はシン次第だな。なんで居ないんだ。』
「多分、オレらは死んだわけじゃないから、グロック村に転生されたけど、あいつは死んでリセットだから、1番初めに転生された向こうの村にいるんじゃね?」
『みんな、シンは人間界の事は知ってるのか?特に、カズキやリンは』
「昨日バンバンニュースでやってたから見てた。」
『そうか、じゃあ話が早い!シンが魔王になったオレを殺して異世界が終了した場合、シンの存在は消えて無くなるかもしれない!オレはそれでも行く予定だ。みんなはどうだ?』
「しょうがないよな!赤魔族の2人はクリア以外終わる方法がないもんな。オレらは死ねばいいし、青魔族は30日待てばどちらとも、異世界からおさらば出来るけど、赤魔族は出来ないから終わらせるしかないんじゃね?」
『カズキが1番反対すると思ってたのに、意外だった!』
「こんな世界死ぬまでずっといるなんて、地獄だぞ!ひたすら戦場の最前線にいるようなもんだろ?そりゃ、ずっと戦わすと言ってもな、何年も狩りになんていけねーよ。だから、シンも話せばわかってくれるだろ。」
『カズキ、オレはせめて、シンに記憶を取り戻せないかなと思って、谷口を異世界に、プレイヤーとして、人間界と同じ顏で転生させてくれるように赤い神様に頼んだ!今日そいつが異世界に来るのがシン達の村に3時間後だ!!合わせても意味なんかなかったかな?』
「そんな事ねーよ!ジュン!おまえなりに、シンを考えて取った行動だろ?オレなんか前から仲間だったけど何も出来てない!ジュンおまえがリーダーでオレはよかったと思う!」
『オレはオレの考えでせめて消えるなら、せめてシンが生きた人間界の記憶だけでもと思ったんだ。オレはその契約で今日から永遠に星5からさがらなくなった。いいかな?谷口が転生してきたら、縛って、シンに合わせる方向でみんないいかな?』
みんな構わないという感じで頷いていた。
『やっとここまで来た!今日みんなのおかげで、異世界が終わるかもしれない!行こう!シンの村へ。』
そうして歩いて出発する為に立ち上がった。
そこにはジャイから手紙を受け取り、涙を流すキッドの姿があった。
『まさか、、そうだったのか、、、。』
泣いていてあまり声をかけずらかったが、心配で肩を叩きに行った。
『大丈夫か?キッド。』
『あー!大丈夫だ!ちょっとな!早く異世界終わらせないとな。オレも用事が出来た大事なな。』
『この作戦が上手く行くといいな。キッド。』
目が真っ赤なキッドと握手し、
みんなでシンの村に向かい1時間程でシンの村に到着した。