3.4話(1/28挿し絵追加)
オレのゴブリンの身体の右手、右足、左手、左足、が光始めた。
…なんだこれ?どうなってる?
「カナ!ユイ!あれ見た?あいつ4倍モンスターだよ。他のに捕られる前に行くっきゃないよ!」
「だよねー。手足全部の奴初めて見た!超レアだよ!マジラッキー。マップ開いて!必ず500m圏内で行くよ!」
「了解!」
さっきまで諦めモードの3人が凄い形相で追ってくる!
…ヤバイなんだ。この手足!
…マジ!光んなよ!見つかっちまうだろ。
…なんだよ、4倍モンスターって訳が、わかんねー!
オレは向こうの殺気から、見つかったら確実に殺られると思い、
ゴブリンの身体能力をフルに発揮し、森の暗い洞窟の中に身を潜めた!
それでも、自分の手足が光、ライトみたいになって余計暗闇の中だと目立つ!
まるで夜中河辺にいる、蛍のごとくだ。
だんだん女パーティの声も近づいて来る。
聴力のおかげでだいたいの距離感はわかる!
が、何故か確実にこっちに向かってきている。
それも一直線に。
…なんでだ?いくら手足が光ってるとはいえ、岩かげに隠れているから、あっちまで光は届いてないはず!
…なのにまっすぐこっちに向かってきてるのが、話声からわかる。
…ヤバイこれ以上近づかれると、確実にバレる。
オレは入って来た方とは逆の奥の方に更に走っていった。
なぜか、オレがとまっていても、走っていても、女達は一直線にオレに向かって来てる感じがしてならない!
…やった出口だ。とりあえず出て森林に身を隠そう。
暗闇に明るい日が入ってくる。
洞窟が暗いせいか、出口は明るすぎで、光で目が眩み何も見えない。
…ここから出たら、木の上か?そのまま走るか?どうするか?出てから決めるか。
出口の光がだんだん大きくなっていく!
やっと出れるそう思った時だった!
【バサッ!バサッ!】
一瞬だった、自分がどうなったのか?わからないが世界がぐるぐる回る!
「ちょっとセシル隊長!横取りずるいですよー。ユイ達が狙ってたんですよーこれ。」
「んー、そうなのか?マップみたら星4がこっちに向かって走ってくるのわかったから、張ってまってたんだよ。星4だからさ、どんなレアかと思ったらゴブリンで逆にビックリだ。ははは。」
「あー!ユイが倒したんじゃないの?隊長にやられたの?しかもちゃっかりお得意の斬ってからの斬り上げ2連撃してるし!疲れてんの走って来たのにマジダルっ!」
「わかった!頑張った3人に宝石半分あげるから、それで勘弁してくれよっ。なっ。?」
「ユイたち経験値が欲しかったのにぃー。ってかセシル隊長ー。こいつ宝石にならないけど、とどめ刺してないの?」
「さすがに死んでるだろ?。これ見て生きてるわけないな。ははは。」
意識が遠くなるなか、痛みに耐え、そんなもん耐え切れるもんじゃないが、
明日以降の為
必死に意識がなくなるその瞬間まで、人間の話に耳を傾けていた。
…星4ってなんだよ、、。
…また死ぬんだな。
…痛すぎて、もうやだな。
…なんだ、あの体、そっか、オレ今回首逝かれたのか、、。
…なんの為にオレはこの世界にきてんだよ。はぁ。
そしてまた、目の前が真っ暗になった。
こうして、2日目の異世界も、死という形で幕を閉じた。
ゴブリンで生きていくという事、
時間生き抜けばそのまま戻れるってわかっていても、
人生同様、異世界でも、上手くいかないものである。