裏17.5話
〜〜〜〜シン's side story〜〜〜〜
僕とカナは村の入り口手前まで来た。
「カナ。もし、カナが危険で死にそうになってその敵の付近に、僕がいたとしても、構わずボムを撃っていい。多分僕は死んでも明日また転生されるから問題無い!だから、自分の命を最優先で、お願い。」
「でもシンさん。たまたま、前回復活出来ただけの可能性もあるんだよね?」
「確かにあの時はそうだっただけの可能性はあるけど、カナが死んじゃうよりは僕が死んだ方が1回復活してるんだから、異世界が終わる可能性低いでしょ。カナは多分死んだらもう異世界は終わると思う。もう僕の周りで誰も死んでほしくない。」
「わかった。生きて帰ろうね。」
あの時ミッキーが僕と一緒に死んだ。
でも、僕がミッキーを最後抱きしめた時、ほんの一瞬だったけど、ミッキーが本気で笑ったような気がした。
なんかその1秒の笑顔が見れただけで、僕はあの時ミッキーの元へ走って行ってよかったと思った。
一緒に終われるなら、それはそれでいいと思った。
人間界の記憶なんか無いけど、あんなに、死んでほしくない!そんな気持ち、どこからきたのか不思議だった。
死ぬのがわかってるのに感情でさ走っていく、自分の行動にビックリしてる。
でもあの時は、もう体が勝手に動いていたんだ。
行ったら死ぬと言う理屈じゃなくて、感情が自分を動かしていたんだと思う。
1人でなんて、かわいそうと思ったのかな?
一緒に居てあげたいと思ったのかな?
本当決断までは一瞬で、よく覚えてなかったけど、あの時はミッキーしか見えてなかった。
今だからわかるあの時、マイミさんが殺されて、ジュンが悔しいと思った気持ちが、、、。
…僕は世界が崩壊しても、ミッキーと一緒にいたい!
…もし、人間界に帰れるなら、ミッキーを探して、好きって伝えたいんだ!!
…会いたい!ミッキーに。
…そして、このみんなに祝福して欲しい!
…だから、異世界が終わるまで誰も欠けて欲しくない!
…ただ、ミッキーが側にいて、人間界に帰れればそれでいんだ。
…帰れない人間界でミッキーが待ってるんだ。
…まだ、こんなとこで終われない!!
「カナ入るよ。」
「うん。」
僕達はグロックの村の中に入って行った。
村は風だけの音が聞こえ、砂埃が舞っている!
「どうしたんだ?まるで廃墟じゃないか?誰かいる感じがしない!」
僕達はゆっくり村の真ん中付近まで歩いて行った。
「カナ今日は誰もいないのかな?」
「誰かいたとしても、とりあえず今は普通のプレイヤーのフリだよ。私達の目的は偵察だから。」
2人であたりをキョロキョロ見渡していた!
…誰もいないんだけど、気配と言うか視線を感じるんだけどな。
【ヒュー!ヒュー!グサ!カスッヒュー!グサ!】
「痛ってー。カナ大丈夫?」
「痛いよぉ。」
自分に刺さった矢を抜き、カナの腹に刺さった矢も抜き、自分とカナに回復魔法を、かけた。
「カナこれはまずい。向こうも武装してる。一旦引こう。」
「わかっ、、」
話してる最中に、気配を感じた。
…ヤバイ、。
僕はとっさにカナを覆った。
覆った背中に激痛が走る。
「グァーッ!!」
弓かボーガンの第2波だ。
「ぐはっ!カナ大丈夫だ。痛みは回復魔法でなんとかなるから。それよりこれっ。」
カナに緊急用発煙玉を渡し。
カナが地面に投げつけ、発煙玉が空高く、上がっていく。
「おまえらだろ?プレイヤーを殺す集団って?」
片手にボーガンをぶら下げたプレイヤーが4人前から歩いてくる。
「シンさん。後ろ」
後ろにもすでに2人!うちらが逃げれない様にゆっくりこっちに向かって歩いてきた。
…戦うつもりで完全に武装して、しかも挟み撃ちか?こりゃまずい。
「カナこれはまずい、、。最悪の場合オレごと吹き飛ばしてくれ。」
「カナー!シン!!大丈夫か?」
後方中衛部隊の仲間のプレイヤーが発煙玉を見てこちらに走って来る。
「そこで止まれ!止まらないとこの2人を殺す!そこから、1歩でも前に出たり変な仕草したら殺す!」
プレイヤーが僕達の前まで来た。
「おまえらも動くな!女!こっちに来い!」
カナにナイフを突きつけカナが少し離れたとこに連れていかれた。
「あいつは人質だ!うちのとこのグロックが帰らないんだよ!それに昨日言葉を話すゴブリンを守るプレイヤー共がいるって聞いてる!それはおまえらだろ?」
…僕はどう答えたらいい?
…素直に答えたらいんだろうか?
…知らないでシラを切り通せるのか?
「それは、オレらじゃない!」
「おいっ!どうなんだ?」
仲間うちで話している。
「さっき仲間の名前を叫んだやつ!昨日いました。」
「そうか?いたか!!」
「おいっ!おまえっ!いたらしいぞ!ウソは良くないな!やれっ!足だ!」
カナの腕を掴んでる2人のうちの1人がナイフをカナの足に突き刺した!
「いやー!痛ーい。。助けて。」
「この野郎やめろ!!」
カズキが後ろから怒鳴っている。
「後ろの連中は動くなって言ってるだろ?おまえらこっちは2人で大丈夫だ。後ろのやつの牽制に回れ!女はもう動けないから、1人で大丈夫だ!あの人数で来られたら分が悪い。」
そういうと、僕の後ろに4人立ち、いつでも僕を刺せる位置で、後方50m先にいるみんなを牽制していた。
「おまえっ!回答には気をつけろよ!次間違えたら右足行くからな。おまえらだな?オレの仲間のグロックを殺したそのプレイヤー共は?」
「そうだ。僕達が全員殺した。」
「なんで、プレイヤーがプレイヤーを襲う!プレイヤーがモンスターを狩る異世界で、なぜ感情がある、おまえらが、オレらを襲う?」
「僕達はこの異世界を終わらすつもりだ。」
「グロックも同じ事を言ってたな。願いが叶うからか?」
「なんだ、それそんなこと僕は知らない!」
「知ってるんだろ?クリアする方法の5つを。」
「2つじゃないのか?」
「おまえらがやってるのは、プレイヤーを全員狩る方法だな!
オレらはグロック組は魔族を皆殺しにして、クリアする方法だ。
スキルの本を開いた時に形は違えど開いた人間に異世界をクリア出来る方法が示されるんだよ!
グロックのスキルはそういうスキルだった!」
「だから、魔族になれて、魔族村を襲ったのか?あの魔族だって、元々人間から転生されているんだ!なんとも思わないのか?」
「馬鹿言うな!人間の姿したやつを平気に殺すおまえらより、100倍マシだろうが!おまえらこそ人殺しだろ!よく会話も平気にしてる人間の姿をしたやつを躊躇なく殺せるな?この殺人野郎!」
「何を言われても、僕はブレない!おまえのグロックが僕のミッキーを殺した事に変わりない!!僕はおまえらがグロックの仲間なら、おまえらを一掃するまでだ。!」
「そうかわかった!もういい殺れ!」
カナの横にいるプレイヤーが、カナの首めがけナイフを振りかぶった。
「カナー!!。」