16.5話
…これから、もしかしたらタニセンに会うかもしれないのに、なんだ、みんな、遠足気分なんだろうか?
…かといえ、みんなもっと緊張感を持てとか言っても逆にひかれそうだし、、、。
…まぁ、みんなやる時はやる人間だから、いっか。それにしても1番後ろのカナ、マイ、ユイは楽しそうだな。
『なぁ真ん中席って3人乗れんだろ?なんで、ジュンとアキねぇが真ん中で、オレが助手席なんだよ。』
「キッド、あんた私にキスするだけで10000円出すような人間でしょ。そんなお盛んなキッドの横乗って、妊娠したら大変じゃない!」
『なんだよ。ジュンならいいのかよ。こいつ多分童貞だぞ!』
『ブハー。』
たまたま飲んでたペットボトルのお茶をキッドに吹きかけてしまった。
『おい!ジュン!図星だからって、オレにお茶かけんなよ。セシルさん。シート汚れたよ!』
『そ、そ、そ、そんなの、どうかわからないだろ!お前だってそんな感じじゃねーか?』
『あー!昔のオレはあったが今は無いな!っていうかそもそも徹底的に違いがある!オレはジュンと違いタイミングはあったとしても、生涯一緒にいるやつ以外やらない!ってか、どうしても謝らないといけない女がいるんだ。ジュンはやりたくても、彼女がいなかっただけだろ?そこの信念が違うんだよ。』
「まぁ、どどのつまりが、2人共にチェリーボーイってことでしょ。さくらんぼってよく2つ実がくっついてるからちょうどいいじゃない!チェリーペアーで。フフフ。」
『マイミ!ジュンはチェリ男だってよ!!』
オレは後ろを向いたら、
マイが、真っ赤になって下を向いていた。
「キッド!あんたのそういうとこが、デリカシーが無いっていうのよ!マイちゃん真っ赤なヤカンみたいになっちゃってるじゃない!!ねぇマイちゃん!」
『はい、、、、。でも嬉しい。』
「『えっーー!!』」
…オレがビビるわ!!
…マジで。
…なんでも嬉しいのか。
…あの空気でよく言えるな。
「ヒューヒュー熱いね!後部座席はふやけちゃいそうだよね。カナ。」
「びっくりするくらいのごちそうさまだね。素直すぎて、私もこんな恋してみたいよ。」
『マイミ、おまえは、異世界だとしっかりしてて、みんなに愛想振りまいて、凄いしっかりしてんのに、恋愛になると幼稚園生みたいだな。』
『私ね、ジュン君が初めての彼氏なの、全てが新鮮で楽しいの。腕が事故で動かなくなる前まで毎日毎日ピアノピアノだったからね。でもピアノも嫌いじゃなくて好きで、やってたんだけど。異世界に来て楽しかった。何もかも新鮮でプレイヤーに殺されても構わないつもりで森とか散歩してたよ。』
「マイ。マイの腕って事故だったの?」
『そうだよ。横断歩道上で、飲酒運転の車に轢かれたの。轢かれて、目が覚めて手が動かなくなった時は、目の前が真っ暗になった。なんで、手なの?足にして貰えないかなとか色々思ったけど、失ってから、得たもの、見えたものもたくさんあるから、ユイとかカナとかみんなも。』
ユイがマイに抱きついた。
「もう。マイかわいすぎる!マイ見ててマイ泣かしたらユイがジュンさん!成敗してあげるから!
ジュンさん!今時こんな娘って、いっても私より年上だけど、絶対いないよ!!大事にしないとバチがあたるよぉ。ねぇマイ!」
…いつのまにか、この3人すっかり仲良しだな。
…まっ!楽しそうでなによりだな。
車は首都高を通り、千葉方面へどんどん南下して言った。
話をしているとそんな時間が経ってないようで、携帯を見ると1時間近くも、過ぎていた。
…1日早いな!
『なぁ!ジュン、もしそいつが探してる奴だったとして、なんか、作戦があるのか?』
『あー!バッチリだ!ってか、バッチリかどうかはわからないが作戦は無くは無い!』
『そっかぁ!じゃあ任せるしかないな!』
車は、京葉道路を降り、西船橋へ着いた。