16.1話
【♫♫♬〜】
人間界に帰って来てすぐ、携帯が鳴った。
…マイ!ちゃんと番号覚えてたか。
ちょっとドキドキしながら電話を手にした。
間違いない知らない番号だ!
…ヤバイな!めちゃくちゃ緊張してきた。
オレは意を決して電話を取った!
【ポチっ!】
『マイー!』
『いやキッドだけど!』
『キッドかよ!!はぁ?なんでキッド?えっ?はぁぁ?』
『いやマイが呪文のように電話番号唱えていたから、忘れないうちに、電話しとこうかと思ってよ!』
『アホか!緊張して損した!おまえは電話番号LINEで送ればいいだろ?』
『そうだな!なんだ、緊張してんのか?』
【ポチっ!】
…ハイさよならー。
…全くキッドと電話してる間にマイから電話きたら、どうすんだよ。
【♫♫♬〜】
…ほら来た!あぶねー!キッドのやつヤキモチで邪魔でもしたかったか?残念だったな!その電波妨害は無駄だ!無駄に終わったんだ!
【ポチっ!】
『マイ待ってたよー。』
「あー!マイだよ!待ってたー?」
『んっ???』
…誰だこの声マイじゃないな!
『ユイだろ!!おまえ!』
「ピンポーン!ユイの声、よくわかったね。」
『ユイおまえのしゃべり方と雰囲気ですぐわかるんだよ!』
「そんなにユイの事気にして聞いてたの?ユイ、グロックと戦ってる時のジュンさんかっこいいって言ったけど、今はマイが、いるから、ユイそんな、、」
【ポチっ!】
…うちのパーティはこんなアホしかいないのか?
…マイからかかって来たらどうするっていってるだろ?
【♫♫♬〜】
…あー!このパターンね。キッドと来て、ユイね!次だろ?カナあたりか?
【ポチっ!】
『カナだろ?おまえ!』
「セシルです。」
『セシルかよ!!』
【ポチっ!】
…あー!やべーノリで切っちまった!しかも、タメ口に呼び捨てしちまった!まさか、あの流れから、セシルさんは、ないわー!まさかのセシルさん来た!後で謝っとかないと失礼だろ!ってか、めんどくせーだろ!!
【♫♫♬〜】
…ははーん?これはグルか?あいつら!LINEで連絡とり合ってオレを試してんだろ?キッドからのユイで、裏を書いてのセシル出し、流石の戦略を立てられるオレでもそれは読めなかった!流石はグロックを倒したオレのパーティ!セシルさんでまた裏を書いて来たから、裏は来ないと思ってオレはカナと読みそれを奴らは裏を読みリンと読む!
その奴らは更に裏を読みカナに電話させる!見えた!甘いぜ馬鹿やろう!
裏の裏の裏の勝利馬鹿やろう!
オレは満を辞して電話に出た
【ポチっ!】
『甘いな!おまえら!流石にセシルさんは読めなかった!だが、これでも、参謀のはしくれ!この作戦はここでオレがカナと読むと思い逆にリンと読むと読んで、おまえらはその裏を書きリンじゃなく正当系カナを逆に立てて来た!電話の相手おまえはカナだろ!』
『ははは。ジュン君!朝から元気だね。私マイだけど、電話しちゃまずかったかな?少し緊張して電話したけどジュン君の話聞いて笑っちゃったよ。』
…マジかーー!!
…まさかの本人来たーー!!
…オレの、性格を読んでやった手練れだとしたら、勝てる気がしねー!恥ずかしいとこ、全部マイに聞かれた!完敗だ!
『ジュン君黙ってどうしたの?』
『いやー完敗だ!』
『えっ?』
『今ね、マイから電話来る前に、キッドから、電話来たんだよ!で緊張して取ったんだよ、マイだと思って、そしたらキッドでさ!』
『なんかキッドらしいね。でもなんとなくやりそう』
『でさ、キッドの後また電話来たんだよ、またマイだと思うじゃん!そしたら、ユイ!で次誰からかかってくると思う?』
『カナかな?』
『だろー!だよな!絶対!ここでまさかの!セシルさん!』
『えっーー!!』
『そうなるよな!オレもそうなってさ、セシルかよ!っていっちゃったよ!』
『ハハハハハ。いきなり呼び捨てにしたの?』
『しかも電話切った!』
『アハハハハ。ジュン君朝から笑ってお腹痛いよ。』
『で、次は裏の裏の裏を読んで、カナだと思い電話に出て、さっきの恥ずかしいセリフを話したと言う始末。』
『いやー人間界で、ジュン君の熱論を、しかも、初めて電話して何もしゃべってないのにいきなり語られるなんてレアな体験したよ。ハハハ。』
『恥ずかしいから忘れてー。』
『ジュン君家どこ?』
『行徳駅のそば。』
『そんなに遠くないね。異世界だから、日本のどこから来てるかわからないでしょ?遠かったらどうしようと思ってたから、良かった。私は曙橋!
間取って、秋葉原でどう?ジュン君!』
『全然それでいいよ』
『10時とかどうかな?』
…10時かぁ?
…学校あんだよな。
…いや、今日は学校は休みだ!
…休みという事にしよう!
…昨日は無断欠席だから。昨日から風邪で、死んでました的な今日も治らなかったです!先生!これでいけるな!
『10時で大丈夫。』
『わかった。じゃあ改札出たとこに10時で。』
『あいよ!』
『ジュン君、、、、。』
『どうした?』
『あの、、えーとね、、』
『なんだよ?』
『あのーお月様の前で私に言った事今言ってくれない?』
…あれか?
…今か?
…いきなりむちゃ振りだな。
…ダメだテンション上げないと、恥ずかしくて言えない!お月様の前みたいに熱いオレにならないと!
…ジュン!男を見せろ!
『ま、、ま、、マイが、、だ、だっ、大好きだ!』
『嬉しい。ありがとう。後でね。ジュン君!』
【ガチャ。ツーツーツー。】
…ジュン!噛みまくりで男見せれませんでした!
…喜んでくれたから、いいか。
…なんだろう好きって言われた訳ではないけど、この胸がキュッーとなる感じ!
…切ない?会いたい?いろんな感情が1つになって、胸が苦しいな。
…今凄い充実してる!恋って凄いな!
そう思ってると、また電話がなる。
【♫♫♬〜】
…あれ?この番号さっき見たな
【ポチっ!】
『もしもし。ユイだっけかこの番号?』
「ユイだよ。ユイはこっちの世界じゃ、本名じゃないけど、マイと電話出来た?」
『出来たけど、みんなからひっきり無しに電話来たけど、仕掛け人はユイ、おまえか?』
「ユイじゃないよ。だってユイ!ジュンさんしかID知らないじゃん!たまたまでしょ。」
『そうなのか?でわざわざなんか用か?』
「今日ってどこか携帯見に行くんだよね?」
『あー!秋葉に行く事になった。』
「そうなんだね?ユイ達も後で合流していいかな!もちろんデートの後で構わないから。何時に待ち合わせ?」
『一応10時かな。』
「わかったじゃあ16時くらいにみんな誘ってみるね。みんな東京付近なのかな?」
『マイしかまだ、わからないけどそうなのかな?』
「後、ジュンさんグループLINE面倒かもだけど、冒険一緒にしてるメンバーだけの、もう1つ作ってくんない?青魔族の皆さんもごちゃごちゃだと、ユイ誰が誰だかわかんなくなるから。これから、ジュンさんが承認してくれた後、みんなと連絡取るから、よっろしくねん。」
『わかった。やっとく!』
「では、また後でねー!!」
【ポチっ!】
【ピコン!】
電話を切って画面を見るとたくさん申請が来てる。
『ヤバイオレが言った事だけど、めっちゃ忙しいな!』
ひたすらタイピング作業を黙々とこなした。
…ってか、これ、申請許可してみんなにグループLINEに参加して貰った所で、誰が誰だかわかんないぞ、
【ピコン!】
そう思っていたら、ユイから、グループLINEの申請が来た。
…あいつどんだけ早いんだよ。
もうそのグループLINEには、アキねぇ、カナ、ユイ、キッドが既に入会済みだった!
…ユイは超行動派だな。
…こっちのグループLINEはユイに任せていれば大丈夫だな。
オレは携帯を片手に、いつもの兄ちゃん焼きのパンを食べた。
そして、ひたすら来る申請を許可しながら、ネットニュースを調べた。
…まだ、ネットには載ってないのか?
タニセンの、名前もネット上に無いのを見ると、捕まったって可能性はまだ、無いと見える。
…全く忙しいな。体が4つくらい欲しいもんだ!
オレはゆっくり用意して、早めに家を出た。