3.2話
気が付くとまたここにいた。
森林の中、心地よい風が吹いている
日本でもこれだけ気持ちよい山林ピクニックコースは絶対ない!
今日で2日目、
気持ち的に変わったとこもある、
それはこの異世界では自分がゴブリンであると言う事を認めつつあると言うということ。
毎日必ずここに連れてこられるということ、。
それは受け入れなければ、
多分ここでは生きていけない。
そうじゃないと、
オレは、また、ただのゴブリンとして、
殺されて、あの尋常ではない痛みと死を味あわなければいけなくなる。
もうウンザリだ。
あんな思い!
だから、今日から、オレはこの世界で、ゴブリンとして生きて行く事を決めた。
『さーて、何をするにもこの世界を知らないとな。』
重い腰を上げ、
また森を宛てもなく、歩き始めた。
『誰かオレの言葉がわかる人いませんかー?』
きっと人間にはキーキー言ってるだけに聞こえているだろう。
それでも、声を出し続け歩き続けた。
誰かオレの声が聞こえることを祈って、
ゴブリンになって普通に人間と違う所もあった。
外見それは違うのは当たり前だ。
そうではない。
ゴブリン特有の能力だろう。
聴力が普通の人間の3倍近く
ガサゴソって音がしたら、
そっちの方を見ると動物は遥か向こうでその草木が揺らしている。
視力も大分人よりはマシだが、
聴力ほどの違いは感じれない。
身体能力もなかなかなもんだ。
身体に慣れてきているということだろうか?
簡単にいうと、チンパンジーと猿の身体能力を持ったまま、普通に2足歩行、そして、野生の聴力を増し、そのチンパンジーにゴブリンのコスプレをさせたまま、脳は人間のまま、
こんなところだろうか?
そんな自分と同じゴブリンがいるとしたら、
オレの声が聞こえてもおかしくない!
そう思った。
そう思って、森の中を歩き続けた。
動物らしきものはいるが、
それは人間界と一緒だ、近づくと逃げるし、別に近づいたとしても特に害もない。
かれこれ2時間近く歩いたろうか?
時間の感覚がわからないが多分2時間くらいだろう。
そんな時だった。
【カキーン】
何かが、ぶつかり合う音がかすかに聞こえてた。
…誰かいるのか?
オレはその音の方に小さい体で走った。
その時だった!
【ドゴーン!!】




