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ゴブリン魂  作者: チャー丸
異世界8日目
109/534

15.2話


異世界の穴蔵に来た。


もうすっかり、藁とも友達になれそうだ!


もう少し、藁を被り、暗闇でと思っていたが、昨日1日布団や暗い部屋でこもっていたので、人間界の時より、気持ちが少し楽になっていた。


…時間が、傷を癒すって言うけど、本当にあるのかもな。


かと言っても今は1人、やる事もない!


とりあえず穴蔵から出て、日を浴びたまま何をするべくでもなく、ただ、ボケーと座りながら、周りを見ていた。


そして、色々思い出していた。


…ここだったな。マイと、キッドに騙されて、2人が飛び出して行ったのは。


…あんな優しい嘘があるんだと、初めて知ったよ。


…アキねぇまで、グルになって一緒に嘘ついて、近寄って欲しくないプレイヤーに介抱されたりして、馬鹿だな。


…アキねぇとプレイヤーの村も行ったな。


…今思えばあの時初めに声かけて来た女の子達がカナとミズーだったんだな。


…シンと廊下で鉢合わせした時は、焦ったな。煙もくもくだったしな。


『ははは。』


…その後だったな、シンと仲間になって、


…ミッキーが仲間になって、


…リンもカズキも仲間になって、


…みんな個性的なメンバーばかりが揃ってるのに、なぜか凄い楽しいグループだったな。


…時期にセシルさん達も仲間になって、


…グロックと戦う時みんなでハイタッチしたな。


…あの時みんなで、繋がる幸せみたいなのを感じたんだ。


…ハイタッチした後、魔族、プレイヤー関係なく1つになってた気がした。


…そして、マイ!こんなオレにどこまでもついて来てくれるって言ってくれた。


『楽しかったんだみんな。』


『みんなが大好きだった!』


『そうか、みんなを救っていたんじゃない!オレはみんなといれて、救われていたんだ。』


『ここはダメだ!大好きなみんなの思い出を思い出す。』


『カズキだって、オレに負けないくらいみんなが大好きだったから、オレにキレたんだ。』


『オレも好きだから、好きだからこそ、行かなきゃ。』


『昔は、こんなにオレは泣き虫じゃなかったはずだ。行こう!』


どのくらいここで、みんなとの楽しい思い出を思い出していたかわからない!


決意が固まり!


立ち上がった!



その時


【ヒュー!カスっ!】


矢が足を、かすって行った。


「外したじゃん!」


まだ、駆け出しプレイヤーみたいな3人だった!


…ちょうどいい!


…これが、オレ1人の卒業式だ!


…もう、みんなと、お別れの卒業式だ!


オレは自分に言葉のスキルを使った!


『おらー!かかってこい!プレイヤー供!!』


「こいつ、しゃべってるぜ、しかも泣いてやがる!死ぬのが、怖いじゃん?」


…おまえらが怖くて泣いてるんじゃねー!


…1人の寂しさを知ったんだ!


『おまえらくらい!オレ1人で充分なんだよ!』


「まだ初めた、ばかりだと思ってなめんなよ!」


みんなが構えた!


オレも、ナイフを抜いた!


3人同時で襲って来た!


【グサッ!】


『まだだ!こんなの効いてない!オレはこの先1人でしかいれないんだ!』


【グサッ!】


『ウグッ!まだだ!1人でいれば、みんなが傷つかないんだ!』


【グサッ!】


『うっ!まだだ!まだやれる!大好きなみんなの力なんか、借りなくたって、、。』



【グサッ!】


『そんなの攻撃ミッキーや、シンや、ミズーが、受けた傷に比べたら痛くともなんともないんだ。』


【グサッ!グサッ!】


『カズキが受けた心の傷に比べたら屁みたいな痛さだこんなもの!』


【グサッ!グサ!ドタッ】


「やっと倒れたぜこのゴブリン!」


『まだだ、、まだなんだ、おまえらを倒して、大好きなみんなから、卒業するんだ、、、』


『1人、、、1人で立つんだ!』


オレは意地で立ち上がった!


立たなきゃいけなかった!


この先は1人だから。


「どんだけしぶといんだよ、こいつ!」


もうフラフラだった!


足もヨレヨレだ。


でもナイフを捨てて、握った!


グロックを殴ったこの拳を、

握った。


高校裏でシンを殴ったこの拳を、

握った。



ミッキーと、シンを殺した合図を出したこの右手を、

強く握った!


『まだなんだ、、、まだ終われないんだ、、、。』


『まだ、、なにも始まってないんだ!ウォー!!』


もう血か、なにかで何もほぼ見えてなかった!


それでも、拳を握り向かった!



…1撃でいい!


…1人だけでいい!



…たった1撃でいい!


…倒そうなんて、


…無理だから。



…オレだって、1人で出来るんだって、


…グロックに言われたように後ろで指示だしてるだけじゃない、、。



…今は弱くてもいつかみんなみたいに大事なみんなを守るだけの強いやつになるんだ。


『オレはいつか、誰も悲しまない!!大好きなみんなを守るだけの強いやつになるんだ!!うぉー!!』


【カキン!】


「馬鹿やろう、、あぶねー!間に合った!1人で全部背負いこみやがって、、」



『カズキ!いいんだ!これは、オレの卒業なんだ!みんなから、卒業するんだ!オレといるとみんなが、不幸になるから、オレが1人でやらなきゃいけないんだ!』


「ジュン!そんなことねーんだって。」


『カズキ、おまえのトラウマも、リンのトラウマも、シンのトラウマもみんなオレのせいなんだ!

だから、オレはもう、、、いんだ、、、ずっと、、1人で、、。』


「お前ら、このゴブリン殺したら、殺してやる!死にたくなきゃ!さっさと行け!」


『ダメだ、まだ1撃与えてない、、、。これが、おれの卒業なんだって、カズキ!』


「卒業なんか、、しなくて、、いんだって、、。オレは、おまえがいじめられてるの知ってたんだ、、。知ってて見て見ぬ、、フリをして、、いたんだ、、。」


『カズキ、、、。』


「怖かったんだ。自分が的にされるのが、だから、見捨てたんだ!結局おまえが入れた携帯でこうなったが、自業自得なんだ!だから強がってこんな性格になったんだ、、。おまえのせいじゃねーんだ!ミッキーだってよく考えればわかったんだ!ジュンがどれだけの覚悟だったか、、、。ここまで追い込んじまって、すまなかった、、、。」


『カズキ、、、。』


「リンも、オレも、マイミから聞いた。どれだけおまえがみんなにした事を悔いて変わろうとしたか聞いたんだ!聞いたんだ、、。」


『みんな、、、。』


顔を上げるとみんながいた。


大好きなみんなが、


こんなオレの為に探して来てくれた。


『みんな、、オレは、、、この人達の、、、トラウマ、、を作った、、張本人だ、、、』


みんな泣きながら頷いていた。


『みんな、、、オレは、、、オレが不甲斐ないから、、シン、、ミッキー、、、ミズーを、、、殺してしまった。』


泣きながら聞いてくれていた。


『みんな、、こんな、、泣き虫で、弱いオレでも、、一緒に、、一緒に、、いていいの、、かな、、ヒック』



「もちろんだ!今までもこれからも、このメンバーじゃ、おまえがリーダーだ!おかえり!リーダー!」



『カズキ、、、。』



「ほんとは何か言いたい所だけど、お互い悩んだって事で過去は水に流そうか。グロック戦はよくやったと思う。あの時は殴って、ごめんね。おかえりなさいジュン!」



『リン、、、。』



「私の仲間ミズーは助からなかったけど、仲間の為に一生懸命考えてくれてありがとう。ジュンさんの指示があったから、みんな自信持って戦えたと私は思う。おかえりジュンさん。」



『セシルさん、、。』



「ユイはあんまり、、役に、、たてたか、、わからない、、けど、、みんなと一緒に、、戦えて、、嬉かった、、。おかえりなさい、、ジュンさん。」



「私も、泣きながらボム撃ったよ。ジュンさんだけが、殺したなんて、思わないで、、、。みんな、死ぬのは覚悟して、挑んだんだから、、自分を、せめちゃダメだよ!おかえりジュンさん。」



「私達の魔力が弱くて、せっかく、カズキさんにカプセル頼んだのに、ミズー助けられなくてごめんなさい、、。あなたの指示は的確で。みんなジュンさんだから、信じて戦えたんです。ありがとう。おかえりなさい、ジュンさん。」



『ユイ、、カナ、、みんな、、。』



「ジュン君、昨日は、カズキにせめられてる時に、かばってあげられなくて、ごめん、、、。相当、、悲しかった、、よね、、。LINEなにも、、出なかった、、わね。ヒック、、。1番頑張ったのに、1番せめられて、、辛い役割、、、お疲れ様でした、、。これからはみんなが、、、いるから、、、もう大丈夫だから、、、だから、あんな寂しげな、、顔をして、、、1人でいなくなっちゃダメだって、、、。ヒック。おかえりジュン君!」



『アキねぇ、、。』



『アホジュン!オレがいない間にいなくなってんなよ!プライベートでもなんでも、相談しろって、言ったのジュンだろ?

LINE出なくて、アキねぇにLINEで話聞いて、どれだけ心配したと思ってる、おまえが困ってたら駆け付けるって言ったじゃんか!

オレ達、もう、友達だろ?

1人で悩むんじゃねーよ。なぁ、リーダー!またホント会えてよかったよ、おかえりジュン!』



『キッド、、、。』



『私、、、ジュン君、、悩んでるって、、、知らなくて、、、月の前で、、、あんな、、事きいて、、、ごめんね、、ヒック、、、。もう会えないかと、、、思って、、、必死で、、探したんだよ、、、言ったじゃない、、、地獄、、、だって、、、どこだって、、、ついて、、行くって、、、勝手に、、、ヒック、、、置いていかないでよ、、、。一緒に、、いるよ、、、辛い時だって、、

、泣きたい時だって、、、死にたい時だって、、、一緒に、、いるから、、、だから、、1人で、、、1人で、、いなくならないで、、、、、、、、おかえりなさい、、、私のジュン君、、。』



『マイ、、、。』



「ジュンちょっとスペシャルゲストが、いるんだぜ、、。」



『シン!どうして?』



「シンは、なぜか死んだのに、また転生して来たんだ!やっぱ、人間界に帰れないのと何か繋がっているのかもしんないな。」



『じゃあミッキーも、、、。』



「いや、ミッキーは転生されて来なかった、転生されて来たのはシンだけだ。」



『そうか、、、。シン!ミッキーの事、高校の事悪かった。』



「あれは、ミッキーが自分で、決断したんだ、ジュンを、せめることじゃなかったんだ。

あの時、ミッキーに走って行ったのは、僕の判断だから、ミッキーと一緒に死んでもいいと思ったんだ。1人じゃかわいそうだから、、。

結局、僕だけ、復活したんだけど、

でも、人間界にもし、戻れたら、僕はミッキーを探して、ミッキーに会いたいんだ。初めて人間界に戻りたいと思ったんだ。

だから、ジュン!これから、また、僕の為に力を貸してくれないか?」



『シン!もちろんだ。あの子の名前は二宮美樹だ。もし戻れたら一緒に探そう。』



「これからも、よろしくジュン。辛い役割お疲れ様。そして、おかえり僕らのリーダー。」



『みんな、、、。』




『みんな、、、。』




『みんなに会いたかったよ。』




『これからももっとみんなと、一緒にいたい。』




『みんな、みんなのおかげでオレの努力は無駄にならなかったと今わかった。』




『みんながいたからここまで、変われたんだ、、。』



『みんな、、、。』



『みんな、、、。』



『泣き虫リーダージュン!ただいま戻りました、、、。』


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