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ゴブリン魂  作者: チャー丸
異世界7日目
106/534

13.6話

カナが、魔法を出す為に右手を前に出した。


「ミッキー!!」


シンがオレを睨み、ミッキーに向かい走り出す!。


『シン!!やめろ!行くな!!』


シンはオレに振り返る事もなく、一直線に走っていった!


「あんたこの作戦知ってたの!?」


『あぁ、、、。知ってた、、、。』


そう言うと手を繋いでいた逆の手で殴られ、リンも、ミッキーの方に走り出した!


『みんな行くな!!なんでわからない!!ミッキーが自分で決断したミッキーの気持ちを』


もう、カナのアルティメットボム魔法は、カナの手元を離れていた。


シンが、ミッキーを後ろから抱きしめた瞬間!!


『シンーーーー!!』


【ドゴーーーン!!】




オレの声は届く事無く、地鳴りと、土煙で何も見えなくなった!


やがて、手前から、煙が無くなり、視界が開けていった!


『リン!』


リンが倒れている!


みんなが寄って来た!


「ジュンさん!大丈夫、爆風で、気を失っているだけだ。命に別状はない!」


リンを見ているうちに全ての煙が晴れた!


そこには何もなかった!


今まで戦っていた、グロックも、


魔法を必死に撃っていたミッキーも


最後オレを睨んだシンの姿も無かった!!


『グスっ、、オレの、、せいかな、、?』


みんなが寄って来た!


『オレが、、殺した、、オレが殺したんだ、、、ヒック!』


「あの状況じゃ仕方ない!」


「そうです。ジュンさんはよくやりましたよ。。しょうが、、なかったん、、です。ユイも、、力不足で、、力不足で、、ごめんなさい、、。」


カナも泣きながら降りて来た、、。


「約束したから、、。みんなの、、為、、、絶対、、当てるって、、、当てるって、、、当てるって、、。」


「ジュンさん、行こう!終わったんだ。戦争は今終わったんだ!」


みんなで肩を並べて泣いた。


少したち、涙も枯れ、セシルさんが丘に行こうという事になり、


リンをセシルさんが、背負い、みんな無言のまま、丘に向かった!


グロックを倒したって言うのに

夕日が憂鬱感を一層強める!


丘には生き残った魔族達も今日犠牲になって死んだものを悲しみながらも、こっちを見ていた。


アキねぇと魔族長が寄って来た。


「ジュン君体!」


…そうかこんな時間か?


「ちょっと待って、ハー」


アキねぇのスキルで体の光が消えて行く!


「どうなったの?」


『グロックは倒した、、、。倒したけど、、、シンと、、、ミッキーは、、、。』


「しょうがないよ、、、ジュン君、、、。誰も犠牲なく勝てる訳、、、無いじゃない、、、。」


『アキねぇ、、、違うんだ、、、オレが殺したんだ、、オレが殺す選択肢を選ん、、だんだ。』


「そんな事ないって、、そんな事ない、、、。」


『ダメだ、、。こんな泣き虫じゃ、、、。リーダーなんか、、。失格だな、、。』


「ジュン君、、、。」


『ちょっと1人にしてくれないか?』


そう言うと、1人で夕日を見ながら俯いていた。


とても、やった倒した!なんて気持ちにはならなかった!


覚悟はしていた!


覚悟はしていたけど、異世界とはいえ、死んで異世界にはもう戻って来れずもう2度と会えないなら、それはもう、普通に死んだのと一緒だ、、。


こんなに、自分の決断した事が、背中に重くのしかかるとは思わなかった。


ミズーはまだかろうじてストップ魔法のせいで、残っていた。


時は無情にも待ってくれず


時間は流れ、夜になった。


「待たせたな、、。はぁはぁ。持って来たぞ!カプセル買えるだけ10個だ、、、。」


『カズキ、、、。』


「ミズーはどこだ?誰に渡せばいい?アキねぇか、、。そこのセシル組のみんなか?」


「カズキ、ミズーはついさっき、逝っちゃった、、、。間に合わなかったよ。」


「ほんとかよ、、、、、。」


カズキがミズーの死にうなだれ、辺りを見渡し、不自然な事に気がつく。


「おぃ!ジュン!シンとミッキーはどこだ?」


『、、、、、、、、。』


「ジュン!!おぃ!お前に頼むって言っただろ??まさか冗談だよな?」


『カズキ、、、。オレが殺したんだ、、、。』


「ジュン君!それは、、、。」


『いいんだ。アキねぇ。カズキ、、、ミッキーは、2回アルティメットボムをカナが、撃つのに、自ら犠牲にしてグロックの動きを止めて、オレはそこにアルティメットボムを落とすようにカナに頼んだ。

そんな作戦とは知らず、シンはミッキーのとこに走っていって、、一緒に、、、。』


「おぃ!お前!オレが、カプセル取りに行った時はもう作戦が決まってたのか?」


『あぁ、、。ミッキーと話し合っていた、、。』


「馬鹿野郎ーー!!」


カズキの拳で、2m以上吹っ飛んだ!


『じゃあ、どうしたら、よかった?

他に、どうすればよかった?言ってみろ!』


カズキが走って来て!もう1発殴られ吹っ飛んだ


『オレだって、一生懸命考えたんだ!』


オレが、しゃべる度に走って来て、殴られた!


『オレは、、みんなの為に、やったんだ!みんなの笑顔が見たくてオレなりにやったんだ!!』


もう何回殴られたか、わからない、


「お前なんかに関わらなければよかった!この人殺し!わかっていたんだろ?仲間じゃねーのかよ?なんであの時、言わなかった?」


…ミッキーとみんなに言わないって約束したんだ!


…だって言ったら、みんな賛成しなかったろ?そんなのオレでもわかる!


…何を言ってもダメだ。


…結局、シンには睨まれ。


…カズキには恨まれ。


…オレの異世界人生ってなんなんだ、、。


オレは、黙って後ろを向いて、丘を1人で、下り始めた。


「逃げんのかーー?ジュン!返せ!オレの初めての友達を!赤魔族の人殺し野郎!!」


オレはカズキの罵声を聞きながら丘を下り、


また光始めた自分の赤い光を自分のスキルで消し、1人で森に入って行った。


…また、恨まれた!


…どうしたら、よかった、、。


1人月夜にあたりながら歩いていた。


…救おうとしたのがいけなかったのかな?


…ほっとけばよかったんだろうか?


…異世界に来て、頑張ってきたんだ。


…オレなりに、やったのに、、、。


…また、裏目だ。


…オレだって、マイ、キッドが死んだ時、どれだけ悲しかったか、、。


…それでも歯を食いしばって涙も我慢したんだ!


…オレだって、魔族のみんなが悲鳴をあげてるのをみながら、目を背けず、指示をだしたんだ!


…ミッキーが死ぬってわかっていながら、手をあげる気持ちがおまえにわかるかカズキ!


…さっきまで、仲良く隣で話してた女の子を自分の合図で殺さなきゃいけないこの気持ちが、、。


…カズキおまえになら出来たのか?


…どれだけの感情を押し殺し、


…どれだけの涙を飲み込み、


…あそこにいて、決断したか、わかんのか?カズキ!


…これだけやっても、これだけ、自分を追い込んでみんなの為に頑張っても、結局人間界と一緒だ、、。


…一生懸命変わろうと、すればするほど自分が傷つく、、。


…一生懸命みんなの為にやったのに、恨まれるなら、、。


…もう、いいや、、。


…もう誰にも会いたくない、、。


…もう誰とも話もしたくない、、。


…もう自分がいらない、、。


…感情すら必要ない、、。


…言葉もいらない、、。


…人形で、いいや。


…人形で、、、。


オレはなぜか、マイとキッドが、初めて犠牲になってくれたあの狭い洞窟に向かっていた。


ついたときには、異世界終了の数分前だったんだろう。


オレは数日前泣きながら被った藁を、今日また被り、体操座りで座りながら、異世界を動く事もなく、泣く事もなく、感情が無い人形のように終了した。




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