ネコのいどばた会議
日付が変わる頃、郊外の住宅地の一軒家から、明かりがもれている。
外は、星空が広がり、鈴虫が羽を振動させ奏でる音色が響いていた。
まさゆきは、原稿の締め切りに追われながら、連日パソコンに向かい合っていた。
リィィィ・リィィィと心地よいリズムに乗りながら、仕事は、はかどってはいたものの、毎日深夜までの仕事でくたびれていた。気分転換に、風呂に入り、また、パソコンに向かうと、なにやら外が騒がしい。窓から外を見てみると、ネコが集まり、ミャーミャーといどばた会議をしている。両隣で放飼いで飼っているネコたちだ。まさゆきは、いつも何を話し合っているか気にはなっていたものの、すこし迷惑がっていた。
気を取り直し、パソコンに向かっていると、今度は人の話し声のようなものが聞こえてきた。
耳を澄ませて聞いてみると
「おい、ジョニー知ってるか?堀北真希、結婚したんだってな」
まじか!!
と思いつつも、外を見てみるもネコしか居ない。
疲れてるんだな、と思いつつ、また、パソコンに向かう。
しかし、今度ははっきりと聞こえてきた。
「しかも、付き合いもせず、いきなり結婚だってよ。俺達とかわんねーじゃねぇか」
ん、俺達・・・もしかして、ネコか!まさゆきは、半信半疑で固唾を呑んでいた。
いつも気になっていた、ネコのいどばた会議を聞けるチャンスなんてありえるのかと思っていたが、まさゆきは手を止め、話し声に耳を立てていた。
「しかしよ、コロ。ここの住人、愛想振りまいても、ちっともエサくれねえよな」
「ジョニー、世の中は厳しいんだぜ。ギブアンドティクだろ」
「そうか、今度ねずみ捕まえて、玄関に置いておこう」
おい、まてまて、かたずけるのめんどーだろう!触りたくねーし!
「でもよ、ここの住人はいつも家に閉じこもって何やってるんだろうな?」
「タマしらねーのかよ。ニートって言うんだぜ」
おいおいおい、今更そんな言葉知ってるのには驚かねえが、ニートはねえだろ!
「しかしよ、ジョニー、安保法案どう思う?」
え!え!?今度は政治ネタかよ!こいつら、どんだけ知ってんだよ。
人間の日常をよく知ってるのが、生きていく知恵なんだなと、関心してしまった、まさゆきだった。
そんな、人間と変わらない日常の会話を聞いていたまさゆきだったが、睡魔には勝てず、寝ることにしたときだった。
「おい、コロ知ってるか、ここの住人、いつも夜遅くまで起きてるけど、いっつもパソコンで、AVみてるんだぜ」
それを聞いたまさゆきは、思わず窓を開け、叫んだ。
「ちげーよ!!!」
その瞬間、まさゆきは目を覚ました。
出来るだけ、読みやすく簡素に書いてみました。
身の回りにあふれている、気になることや、面白そうなことを題材に短編をしばらく書いていきますので、ご愛読、お願します。
気軽に感想いただけたら、うれしいかぎりです。
それでは、またお会いできることを、楽しみにしています!