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大嫌いなのは自分

作者: 浮遊感

初投稿です。よろしくお願いします




 本当なら、可愛い主人公に生まれ変わりたかった。

 本当なら、悪役の女の子に生まれ変わりたかった。

 本当なら、平凡な女の子に生まれ変わりたかった。

 

 

 私は神様を一生恨んでやる。こんな....こんな....

 

 

 

 

 死亡フラグピンピンな奴に転生させるなんて!!!

 

 

 嬉しくない、こんなの嬉しくない。また人間として生まれたのは嬉しいけども!よりによって、どうしてコイツなんかに.....。出来るものなら今すぐにでも一般人に戻る、出来ないんだよねそれがっ!!

 

 

 持っていた手鏡をありったけの力で投げつけると、鏡はパリィンと良い音を鳴らしながら砕けた。脆い。

 鏡に映る自分に苛立ったからだ。自分に苛立つなんてそうそうないことだとは思う。

 

 

 

 こりゃ掃除しないといけない....面倒すぎる、全ては神様のせいだ。私は悪くない

 

 

 

 ぎりっ、と教室に歯切りの音が響いた。静かだから余計に大きい。

 何度こんな行為を繰り返したことか、思い出したらきりがない。その思い出すのも面倒だ。

 舌打ちした私は、足早と部屋から出て行った。鏡の破片は、後ででも片付けれる。今はそれ以上にやらなければいけないことがある。急がなければ

 

 

 

 

 私立、山吹学園高等科の教師である柊一葉ひいらぎかずはとは私のことである。

 黒髪の髪、若干薄い紫色の瞳。しかしその瞳はよく「ダルイ」ように見えると言われている。

 私自身、教師と言うものはダルイと思っているので否定もしなかったが。もちろん一応の為に認めもしなかった。

 

 

 

 

 じゃあ何故教師の仕事をやるのかって?

 

 

 

 

 

 もちろん給料がいいからに決まっている。じゃないと私がこんなダルイ仕事に就くわけないだろう。...それに決まっているから。

 

 

 電波とか、別に言ってくれて構わないが実は前世の記憶がある。

 顔はどちらかと言うと整っている方だ。が、”柊一葉”は嫌いなのでもちろん嫌いだ。

 

 

 

 ”柊一葉コイツ”をどうして嫌いかと言うと、長くなってしまうので省略しよう。

 前世で無理やりプレイ”させられた”乙女ゲームの世間で言う悪役だからだ。もちろん雑魚。クズだ。攻略対象キャラじゃないと知った時は喜びまくった。とにかくはしゃいでゲーム機を投げつけた覚えがある。

 もちろんそのゲーム機の所有者である友達に怒られたが

 

 

 

 話がそれたが、それだけの話。ただ単に悪役だから嫌い。雑魚なのに出しゃばってくるから嫌い。別に悪役全員嫌いってわけじゃない、コイツは苦手な部類に入るだけだ。

 弱いくせに、悪魔と契約して無駄に力つけてきた時は発狂した。

 

 

 

 そんなやつに転生したと知った当時の私は、同じく発狂した。物を壊しまくって親を困らせたのはあんまり言ってない。

 

 

 柊一葉は教師だから一応シナリオ通りに教師にもなってやった。フン、どうだ!

 と威張ってみるものの、すぐに黒い感情が心をぐるぐる回っていく。

 

 

 見た目は男なのに、中身は女だ。元OLだ。

 もしも「心は乙女なの」とか言っちゃうと完全なる変人扱いなので、誰にもそんなこと言ってない。言えるはずがない

 

 

 

 

 

 

 そして今日は、大事な入学式だ。

 もう既に1つのイベントは終了している、さっきの教室から見たから。別に間近で見ようと思っていなかったし。 そんな大事な入学式に私は舞台に立って喋らなければならん。理由を校長先生に聞いてみたら「信用できるから」だそうだ。毎年本番で間違ったりする教師がいるらしい。

 

 

 

 いやいやいや、校長先生、アンタ柊一葉にぶっ殺されますよ!信用できないって。悪魔と契約して、最初の餌食がアンタだぞ。

 

 

 なんて心の中で叫びまくっていた。悪魔と契約してシナリオ通りにしてやるかはまだ未定だがその時面倒くさくなったらやめる。後回しにするか一生しないか

 

 

 

 

 

 体育館に走って向かうと、もうすぐ入学式が始まりそうだった。

 危うく遅刻しそうになってて、冷や冷やした。私の姿を見つけた他の教師の面々もホッとしたような顔つきを見せたので、冷や冷やしていたのは向こうも同じらしかった。その中に、遅れた私を睨む一つの存在。

 

 

 

 

 攻略対象キャラの生徒会長だ。

 後々、生徒会長挨拶の時に名前が出る。というか名前何?自己紹介の時覚える気なかったから覚えてなかった。あ、柊一葉って一応生徒会の顧問やってるんだわ。こう言うところは攻略対象のもっと良い性格のイケメン先生が出るところだって?

 馬鹿言うな、そういう設定なんだ。

 

 

 

 大丈夫、もちろんそういう攻略対象キャラいるから

 

 

 

 

 体育館を見渡したけど、生徒会はいないようだ、会長以外。

 いてもいなくっても気にしやしないからどうでもいいんだけど。いやぁ、主人公と会わなくて良いのかな、って。そういうシナリオだったからどうこう言う気はないけどな

 

 

 

 そんなことを思っていると、新一年生が入場してきた。

 主人公と攻略対象キャラを探してみるが、人が多過ぎて見つからない。基本生徒会に関わるやつが攻略対象キャラだが一人例外がいる。幼馴染である。主人公と幼馴染2人を探してみたけど分からなかった。同じ制服なので難易度は上がることだろう

 

 

 

 全員が椅子に座ったのを確認すると、校長先生は舞台へと上がっていく。

 

 

 

 ながったらしい話を聞かず、ひたすら2人を探し続けた私は危うく自分が舞台に上がるタイミングを忘れかけた。

 失態失態、と心の中で笑っていると、またも鋭い視線が私に突き刺さっている。言わずとも分かる、生徒会長だ。うざったいな、そういちいち睨まないでくれ

 どうしてこんなに睨まれなきゃならんのか未だ分かってないが、確実に嫌われているのは分かっている。もちろん他の役員共からもだが、特に好きなキャラがいたわけではないから傷ついてない。大丈夫

 

 

 

 

 

 

 確かここの場面はゲームの中で省略されてたな。

 生徒会長の話とかはきっちりスチルありであった。扱い酷くないか、とか思わない。逆にもっと酷くしてやれ。Mではない、断じて

 

 

 教師代表らしいな。

 

 

 生徒会顧問と言う結構この学校では上に位置する柊一葉。

 もちろん生徒会顧問になったのは理由がある。

 この乙女ゲームは、攻略対象キャラが全員人じゃないのだ。他にも校長や柊一葉も入ってるけど

 

 

 イケメン先生も人じゃないらしいが柊一葉と比べるとその血が薄いんだとか。

 だから柊一葉が生徒会顧問と言う役所に就かされる。生徒会長はその中でも一番血が強い者がなれる。今体育館にいる生徒会長はその血が強いということになる。付け足すが生徒会長は鬼だ。鬼。

 

 

 

 大事なことなので、もう一度言います、鬼です

 

 

 

 柊一葉もそんなに変わらないけど吸血鬼。吸血鬼はその名の通り吸血するが鬼はしない。ずるいよね、毎月吸血衝動が1回来るんだから。結構激しくて苦しい。鬼はそんなのないから、本当ずるい

 

 

 吸血鬼もいるからさっきも言ったように、悪魔が当然のようにいるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 舞台に上がると、マイクに口を近づけて柄にもないような言葉を並べて新入生の入学を歓迎、そして色々適当に話した。

 これまた柄にもない綺麗なスーツを着て。いつもの柊一葉は白衣を肩の上にかけて、だるそうな顔(それは私の所為)をしているから結構他の教員たちからはジロジロ見られている。そんな視線にしかめっ面をしてギロリと睨む。何がおかしいのだ、入学式くらい身成り変えたっていいだろうが

 ものの数秒だったが、すぐに気付いたやつらはすぐに目を背けた。一体何がしたいのやら、この程度の睨みで?かっこわらいかっことじ

 

 

 

 

 

 がしかし、未だに見てくる人物2人。

 我らが山吹学園生徒会長と、攻略対象キャラである先生、赤崎優斗あかざきゆうとだ。一応自分の下に居る人間、別に敬う必要もないかと思ったから呼び捨てにしてるし敬語はない。ダルイし。

 生徒からはその甘い仮面によって人気がある。”仮面”だ”仮面”。あくまでもそれは表の顔、裏は甘くないぞ優しくないぞ顔と名前に騙されんな、馬鹿

 

 

 

 明らかに生徒会長は睨んでいるのだが、赤崎はただ見ているだけ。そんなにジッと見られたらてーれーるー

 

 

 ....なんて言うか、気持ち悪いな。自分が

 

 

 

 

 そんなふざけたことを思っていると、睨みが一層に増した。おー、怖い怖い

 

 

 

 

 

 と、主人公はどこかな。

 舞台の上からだと一番よく見える気がするんだけど....と思ってざっくり探してみると目立つ子が一人。良い意味じゃない、悪い意味だ。

 その子はハッキリ言って、地味子。お下げの髪の毛に、長いスカート。昭和じゃないんだから、もっとこう....と思っていたらある事に気がついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ......これ、主人公じゃね?

 

 

 

 

 

 

「えー....次に学園の大まかな説明ですが....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう言いながら言葉をつらつら言い出す。

 どうやら少しおかしな転生をしたらしい、さてはてこれから一体どうなるのやら

 

 

 

 

 

 

 物語は今始まったところだ

 

 

 

 

 

 

 

 


誕生日投稿になります、どうせなら....と思いまして。

これくらいなのに書くのに結構かかりました

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― 新着の感想 ―
[一言] 物語がいつまでも始まらない・・・。 続きは・・・!? お願いします(o_ _)o
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