19話
ひねり出しました。
倫が倒れた。
慌てふためく弟子達を横目に師匠はそろそろ来るだろうと思っていたので、落ち着いていた。倫の急激な能力上昇により身体へのストレスが限界に達したのだった。どんな人間でも、身体は繊細なのである精神的なストレスにも反応するしもちろん身体的なストレスにも反応する。体の防衛反応と言っても良いそれが今来たのである。
兎に角弟子達を落ち着かせ、倫を部屋へと運ばせた。少し時間が経つと倫の苦しそうな表情が少しだけ安らいだ。起きる兆しはないがその場に居たぜんいん少しだけホッとした。
そんな倫は夢を見ていた。それは、あり得ないほど鮮明で居て現実味を帯びていた。
倫は街を歩いていた、丁度昼寝をするのにむいていそうな昼下がりでボケッと前方を見ながら特にする事も無くぶらついていた。大体する事が無いと街中を散策する青年だった。
彼は夢の中で何処までも歩いている、途中で人とすれ違うが何も無いようにその人を通り抜けて行く。その中でも、ある人は一度は立ち止まりあたりを見回したりその場で首を傾げたりとするが何もわからずそのまま前を向いて歩いて行ってしまう。
倫は声を出そうとするが、喉はならずに擦れた空気がひゅーひゅーとでるだけだった。
その存在が消えて行くような感覚に囚われ夢の中で嗚咽にむせる。止めどなく溢れる涙は枯れることは無かった。顔をくしゃくしゃにしながら、どのくらい歩いたのだろうか?自分では分からないがやっと光が見えた。光なのかは実際分からなかったがもヤっとしたそこから暖かな風が吹いた。その光や風はこの悪夢と言ってもいい現象から解放される為に起こった事だと何故か思った。
スーッと身体が透けていき、その場から体が消えた。
次に目を覚ました時には布団に寝かされていた。
どうだったでしょうか?サクッと読めるそんな書き方にこだわっていきたいです。