10話
お腹を鳴らしていると、直ぐそばから美味しそうな焼きそばやたこ焼き、お好み焼きなどの粉もの系のいいニオイが漂ってきた。
しかし、倫にはお金が無かった。
当然の事だが倫はこちらの世界の貨幣価値が分からない、だからと言って腹の虫は黙ってくれない我慢できん!!と言わんばかりに音を鳴らすのだ。
世の中の経済を回すには、腹が減ったから何かを食べるっていう理由や、これが○○に使えそうだから買おうという理由で通貨が流通する事によって経済が成り立つのだ。
その元となる通貨が倫の手元にはないである。でも腹は空いている、どうしたものかと頭を悩ませてるとあの声がまた頭の中に響いた。
「何をしておる?早くわしのもとに来るがよい」
「そんなこと言ったって、腹は空いてるし天の声の居場所は分からんし歩き疲れてるんだよ!」
「仕方ないの、おぬしがわしの所に来てから教えるつもりじゃったが、今からこの世界の貨幣価値について説明してやる。」
「この世界にはルクスという単位が存在しているルクスは一番大きな単位じゃ、それから下にルペ→ペス→ルソ→セスという風になっておる、ちょっとややこしいが覚えるんじゃ、とっても大切な事じゃからの。さてこの単位の変わり方だが」
1セス=1円=10セス=1ルソ
1ルソ=10円=10ルソ=1ペス
1ペス=100円=10ペス=1ルペ
1ルペ=1000円=10ルペ=1ルクス
1ルクス=10000円
となっておる、分かりやすくおぬしの世界の単位を基準に使わしてもらったがの、普段は言葉で交わすが大型なお店などの一部では紙に書かれた表記になる。」
「そしてここからが本題じゃ、とりあえずおぬしに渡したフォームウォッチには10ルクス入っておる何でも使うがいい。」
倫は聞くことに徹していたが、何が大事なのか訳が分からなかった。倫は口を閉ざしていたが開いた
「単位を知る事は確かに必要だが何で凄く大事なのか説明が足りない!そして何でこんなに俺に協力するのかも教えてもらう」
やれやれと思いながら「それは先ほどの施設からの追手が付いたからじゃ」
少し考えれば分かる事だが、倫の頭は混乱し続けていて冷静な判断が下せなかったのだ。
そう、先ほど隠れるために使ったスキル「イミテーション」これにより居場所が探知されてしまったのだ、そして一度探知されると信号の様な物が場所を示してしまい、追手が簡単に追えるようになるのだ。
このシステム実はこの世界の犯罪者追跡用の装置である。
なので、お金を使う事すら怪しい奴がいたりするとすぐにばれてしまうのだ。
「説明し忘れるところじゃった、ルクスの使い方じゃがフォームウォッチの右の上から2個目のボタンを押すんじゃ現在のルクスの残額がでてくるはずじゃ。ここに来るまでに全部を使うことはないと思うが、チャージするにはフォームウォッチをチャージ端末に近づけるだけで良い。理由はわしにはおぬしが必要だからじゃ。」
全ての説明を聞き終えて倫は口を開く「金はありがたく使うが、俺にはそんな有用な所はないぞ」
☆☆☆☆☆☆
しばしの沈黙の後、来たらわかるぞぃとかほざいて頭の中に響く声はだまった。
安くて美味いから粉物になりました。
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