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異世界転移

皆んな食べたい物が決まり、そろそろ頼もうとした時。。。


フッと店内が暗闇に包まれた。

反射的に叫んだ桜の声と共に、何も見えないほどの暗闇。


真は反射的に隣にいる陸へ手を伸ばす。

チャイルドチェアーごと、陸を保護するように感触を確かめる。

チャイルドチェアーのベルトで抑えられている陸は、暗闇の中ではベルトを外せず抱き上げる事は難しそうだ。


「何!?何でこんなに真っ暗なの!?」と、桜は少しパニックになっている。

美咲が「分からないけど、落ち着いて!」と必死に怖がる桜をなだめている。

だが美咲の声にも焦りを感じる。


「ーーー停電?いや、ガラス張りのレストランで、昼間にこんなに真っ暗なのはおかしい。何が起こったんだ?」

真がそう考えているうちに、さすがに1歳半の陸も不安になったのか泣き声をあげた。

その声に桜と美咲も気づき、「真?陸は大丈夫?」と美咲が声をかけて来た。


「ああ、大丈夫だ。」と返事をしようとした瞬間ーーーー



今度は目が開けられないほどの強烈な眩しさが家族を襲った。


「眩しいっ!な、何。。?」

眩しすぎてギュッと目を閉じてしまう程の光に、陸の泣き声がさらに大きくなる。


30秒程して少しづつ眩しさが落ち着いて来たのか、それとも目が慣れて来たのか。

少しづつ目を開けられそうになると同時に、今まで何も聞こえなかった周囲のザワザワとした、集団の音や声も聞こえて来た。


「おお、成功したぞ!」

「何人かいるわ!」

誰かが興奮したように大きい声で騒いでいる。


やっと周りが見える様になって見渡すと。。。


西洋のお城の様な作りの、凄く大きなホールの真ん中に家族はいた。

ぐるっと周りを取り囲む人たちは、一様に煌びやかな格好をしている。

刺繍のあしらわれた中世の貴族が着ていそうなスーツ?燕尾服?みたいな服を着ている男性達。

同じく派手な刺繍でボリュームたっぷりのドレスを着て、盛り髪に宝石や花を沢山つけている女性等。


「ハ、ハロウィン。。。?」と、思わず呟く桜の声。

まだ泣き続けている陸の泣き声。

状況が飲み込めず、思わずポカーンと口を開けて周りを見渡してしまう、真と美咲。


とりあえず泣いている陸を抱き上げる為、真はチャイルドシートのベルトを外し始めた。

この煌びやかな場に似つかわしく無い、シンプルなサイゼ○ヤのテーブルや椅子も、一緒にこの場に飛んできてしまった様だ。

美咲と桜もテーブルを避けて真の方へ寄ってきた。


そんな家族をよそに、周りの集団はザワザワとざわめき続けている。


「赤ちゃんまでいるわ」

「1人は少女の様だな」

「勇者は誰なんだ⁇」


陸の泣き声に掻き消されながらも、微かに聞こえてくる言葉。



「勇者。。。?」


桜が思わず疑問を口に出した時に、一際大きいその声は響き渡った。

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