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始まらないゲーム

短編 【始まらないゲーム】を連載作品に改良した作品です。短編を読まれていない方も楽しめる作品となっております。

挿絵(By みてみん)

発売する前から予約が殺到し予約受付終了店舗も続出し

社会現象を巻き起こした。


VR型コンシューマーゲーム

その名も《イーターきのこ》


そして、今日がその発売日である。

2025年5月8日(木)


西崎は学校終わりに《イーターきのこ》を買う為に

ゲームショップに来ていた。


「予約していたイーターきのこを買いに来ました」


西崎は予約レシートを店員に渡した。


「かしこまりました。《イーターきのこ》ですね。少々お待ちください」


店員はそういうと《イーターきのこ》を用意した。


「代金は8500円になります」


西崎は代金を支払い満面の笑みで帰路についた。


家に到着した西崎は軽い足取りで2回の自室に向かった。


「やっと、プレイ出来る!!ずっと発売待ってたんだよな

 イーターきのこ」

「でもなー、イーターきのこをプレイするには専用のゲーム機が要るから

 結構かかってしまった、、、」


西崎はゲームを起動した。

ゲーム画面に文字が表示された


[このゲームはきのこが生物を食べたり時には食べられたりするゲームです

 VRを装着してのプレイになりますので周りに気を付けてください

 間違っても周りの人を食べないでください

 そして、このゲームはAIを搭載しています

 貴方の言葉にAIが反応し返答してくれます

 なので、ヘッドホンの着用をお願いします

 されない方は強制的にゲーム機が吹っ飛びますのでご注意ください]

 

「最後サラッと怖い事言わなかった!?」


ゲーム機が吹っ飛ぶ事に驚いていた西崎の耳元から

声が聞こえた。


「だって、事実ですもん」


声が聞こえた事に驚いた西崎はひっくり返った。


「ほんとに喋った!?」

「はいはい、そういう反応良いですからゲーム始めませんか?」


驚いた西崎に対しAIは淡々と言葉を発した。


「では、名前の入力をお願いします」

「名前は、もう決めてる!デスサイド」


西崎が名前を入力しようとすると

AIがまるでそれを止めようとしているかのように


「その名前でよろしいですか?」

「うん」


と聞いてきたのだった。

一応の確認だろうと思い入力を

再びしようとしたのだが


「ほんとにほんとによろしいですか?」

「え、良いよ」

「ファイナルアンサー?」


と何度もしつこく聞いてきたのだった。


不思議に思った西崎は理由を聞くことにした。


「何でそんなに確認してくるの(笑)早くゲーム始めさせて」

「かしこまりました。では名前をデスサイドで登録します

 これでゲームスタートです」


しかし、AIが質問に答える事はなかった。

西崎はモヤモヤした気持ちになったが

ゲームを早くしたい気持ちが上回った。


しかし、ゲームスタートした次の画面では

Game Overと表示された。

その画面を見た西崎は叫んだ。


「何でGame Overなんだよ!?まだ始めてすら」

「コンティニューしますか?」


AIは淡々というのであった。


「何でGame Overになったか分かんないけどコンティニューする」

「かしこまりました。コンティニュー致します」


しかし、コンティニューをした次の画面では

Game Overの文字が表示された。


全く納得がいかないという表情で西崎は激怒した。


「何でダメなんだよ!!この日をずっと楽しみにしてたのに

 貯金だってしてゲーム機にソフトも買ったのに、、、

 AI教えてくれよ。何が問題なんだ!!」


AIは少し溜息を吐き呆れ声で言った。


「名前です」

「名前?デスサイドの事?何がどうダメなんだよ」


訳が分からないと困惑する西崎は頭に?マークを浮かべた。


「取扱説明書は読まれましたか?

「読んでないよそんなの。読まなくても出来るし」

「取扱説明書のプレイネーム決定の際の注意事項のページを読んでみてください」

「分かった」


そこにはこう書いてあった

⚠名前に死が関係する文字を入れるとGame Overになります。

絶対に入れないでください。絶対に⚠


「なんだよ、、、これ」

「デスサイドは死を意味する言葉です」


デスサイド=死の隣

カッコいいと思って付けた西崎は後悔した。


「名前変更するからやり方教えてくれ」

「出来ません」


西崎はショックで床に倒れた

五体投地のようである。


「何で、、、何で言ってくれなかったんだよ、、、」


西崎は力無き声でAIに聞いたのだが


「私は何度も確認しました。それで良いと言ったのは貴方です」

「確かにそうだ、、、」


正論を突き付けられ西崎はまた倒れるのだった。

西崎は良いアイデアが浮かんだと

起き上がりAIに聞いた。


「あ!!ソフトを変えたら出来るんじゃないか!?」

「出来ません。データはソフトに紐づいています

 ゲーム機を変えないとデータ変更は出来ません」


西崎は真っ青な表情になりやけになり

驚きの行動に出た。


「くっそおおおおぉ こんなゲーム機壊してやる」


西崎がゲーム機を壊そうとした時

ゲーム機が牙をむいてきた。

何と、西崎は頭から丸呑みされたのだ。

あれはまるでクジラに丸呑みされる人のようだった。


「だから、最初に言ったじゃないですか

 食べられる事もあるゲームって

 ふふふ…」


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