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エリファズ

「キャーー!」

「うわあああああああ!」

「助けてくれー!」

校内で突然悲鳴が上がった。

「何だ!?」

「教官! あっちから人があふれてきます! それにあれは!?」

逃げてくる人だかりの背後から牙を生やした魔獣が見えた。

魔獣は四つ足で歩行するタイプで、逃げる人々を鋭い牙と爪で襲いかかっていた。

「フローネ、行くぞ! 人々を助ける!」

「はい!」

「フローネは後方から援護してくれ! 今の君では前に立つのはまだ訓練不足だ!」

「はい、わかりました!」

天馬がマテリアライズを行い、エーテルプロテクターと刀をまとう。

フローネは杖を出した。

フローネは後方から光の矢をばらまくように発射した。

光の矢が魔獣に当たり、魔獣の動きを止める。

天馬はすかさず斬りこんでいった。

魔獣はあふれていたが、天馬とフローネの連携によって次々と屠られていった。

「こいつらいったいどこから出てきた!?」

天馬が刀で魔獣に斬りつける。

天馬の剣撃は見事で、一刀のもとに魔獣を斬り伏せた。

しかし、フローネの援護がなかったらこうも簡単にいかなかっただろう。

フローネはまだまだ訓練不足だが、実戦に適した経験を積みつつあった。

魔獣の群れが突然止まった。

天馬とフローネの攻撃がそうさせたのだ。

魔獣たちはどこか悔しそうに天馬とフローネを見つめた。

「何だ、警戒されているのか?」

天馬が魔獣たちを睥睨する。

「ウッフフフフフ! やるね、君たち」

「!? 誰だ!?」

そこに一人の男が宙から降りてきた。

「おまえは?」

「初めまして。ぼくはダエモノイドのエリファズ。シャファンを倒したのは君かな、天馬君?」

「!? シャファンを知っているのか?」

「ああ、もちろんだ。シャファンはぼくの弟だ」

エリファズはニイッと笑った。

「かたき討ちにでも来たのか?」

「かたき討ち? 勘違いしないでもらいたいね。あんなクズのためにそんなことをすると思うかい?」

「……弟をクズと言うのか」

「フフフフ……君の実力は見せてもらったよ。なかなかやるね。魔獣たちでは手も足も出なかったようだね」

「おまえは何が言いたいんだ?」

天馬が刀をエリファズに向ける。

それは戦いの意思。

「簡単なことだよ。このぼくとお手合わせを願いたい、それだけだよ」

「なんだと?」

「教官!」

「フローネは下がっていろ」

「フッフッフ! それじゃあ、戦おうじゃないか!」

エリファズは刀を抜いた。

エリファズが鋭く斬りつけてくる。

エリファズの攻撃はまるで瞬間移動したかのようだった。

エリファズの太刀筋が襲いかかる。

しかし。

天馬はそれをガードする。

「へえ……やるものだね。ぼくの初撃を受け止めるとは……」

「フッ、この程度の攻撃がこの俺に通じると思うか?」

「フフフ、まだまだ、これからさ!」

エリファズは再び天馬を攻撃する。

エリファズは涼しい顔で天馬に斬りつけた。

エリファズの斬撃が天馬を襲う。

天馬はまるでエリファズの攻撃を見切るために受けに回った。

そんな二人をフローネは不安そうに眺めていた。

「教官……」

「くっ!?」

「そらそらそら!」

エリファズが刀で天馬を斬り刻む。

天馬のプロテクターに傷ができていく。

エリファズは刀で天馬を薙ぎ払った。

「くうううう!?」

天馬は顔を苦痛に歪めながら、後退する。

「フッ、どうしたのかな? このぼくの攻撃の前に手も足も出ないかな?」

「フン、なめるな! 本当の戦いはこれからだ!」

天馬が一瞬で消えた。

天馬はすばやいスピードでエリファズに斬りつけた。

天馬がエリファズを斬る。

しかし、天馬の斬撃はエリファズに防がれた。

しかも、エリファズは驚愕の表情を浮かべる。

「なっ!?」

天馬は攻撃のスピードを上げていく。

エリファズは驚きつつも、苦悶の顔を浮かべる。

天馬の攻撃はエリファズを圧倒した。

「くっ!? こんなバカな!?」

「どうした? そんなものか?」

「ふざけるな! 人間ごときが! ダエモノイドに勝てると思うなよ!」

エリファズが後退する。

エリファズは左手に魔力を高めた。

エリファズの左手の周りに水の矢が形成される。

「これでもくらうがいい! ウォーターアロー!」

エリファズは水の矢を次々と天馬に放つ。

天馬はそれを迎え撃つ。

天馬は刀を振るった。

それはすさまじい振り方で水の矢を次々と斬り落とした。

「おまえの力はこんなものか、エリファズ?」

「バ、バカな……人間が……人間ごときがこの私の魔法を止めるなど……こんなバカな!」

エリファズは愕然としているようだった。

天馬はその隙をついた。

天馬がエリファズに斬りかかる。

天馬の刀がエリファズをかすった。

エリファズは一瞬にして後退していた。

だが、天馬の刀がエリファズをかすった。

エリファズの首から血が流れる。

「くっ! このぼくに血を! よくも!」

「さて、ここらで終わりにさせてもらおうか」

「ふざけるな! 死ぬのはおまえだ! くらえ! ウォーターボム!」

エリファズが水の球を形成した。

水の球は圧縮されているようで、内部にすさまじいパワーを秘めていた。

ウォーターボムが天馬に放たれる。

ドカーンとウォーターボムが破裂した。

天馬はその中に呑み込まれた。

「フハハハハハハー! どうだ! 人間ごときが! このぼくに勝てると思っているのか!」

「こんなものか?」

「なっ、なん!?」

爆風の中から無傷の天馬が現れた。

フローネはほっと胸をなでおろした。

「くっ! なら、接近戦で確実に、殺す! 水刃剣すいじんけん!」

エリファズが水をまとった斬撃を繰り出してきた。

エリファズの斬撃は水を鋭い刃に変える技だ。

それを天馬は光の斬撃『天光斬てんこうざん』で迎え撃つ。

両者が交差した。

「ぐはっ!?」

エリファズがのけぞった。

エリファズの斬撃は届かず、天馬の斬撃がヒットした。

「こんな……こんなことが……この、ぼくが……人間ごときに……がはっ!?」

エリファズは倒れた。

そしてそのまま粒子と化して消えていった。

魔獣たちはエリファズが倒されると、おじけづき、逃亡していった。

かくして学園は天馬とフローネによって守られた。

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