メルキゼデク
天馬対メルキゼデク。
「アンジェリーナ、君はまだ力に目覚めたばかりだ。まだ自分の能力を知らない。その状態で戦うのは危険だ。安心しろ。君は俺が必ず守ってみせる!」
「は、はい!」
アンジェリーナがおびえつつ返事をした。
アンジェリーナはメルキゼデクの出現におびえていた。
メルキゼデクが猛禽のような視線をアンジェリーナに向けてきた。
アンジェリーナはびくっとする。
天馬がその視線を遮る。
「さて、打ち合わせはすんだかのう? わしの力を思い知らせてやろう。フン!」
メルキゼデクは二人を亜空間に誘い込んだ。
その亜空間は『闇の間』だった。
メルキゼデクは石の槍を天馬の上方に作り出した。
石の槍『硬石槍』だ。
硬石槍はくるくると回転し、天馬に向かって突進した。
天馬はそれに対して『天光剣』を出す。
光が天馬の刀を包み込んだ。
天馬は天光剣で硬石槍を受け止めた。
「ほっほっほ。なら、これはどうかのう?」
メルキゼデクのうざいじじい言葉が天馬の耳に入る。
メルキゼデクは余裕の笑みを浮かべていた。
メルキゼデクは三本の石の槍を形成した。
三本の石の槍は回転してから、天馬を貫くべく、発射される。
天馬は三本とも天光剣で弾き飛ばした。
「ほっほっほ。やりおるわい。だが、いつまでもつかのう?」
メルキゼデクが傲慢に笑う。
メルキゼデクは水晶の弾をかたづくった。
それが天馬に襲いかかる。
それはまるで水晶のミサイルのようだった。
が、天馬はそれらを天光斬で斬り伏せた。
「ほっほっほ。まだまだ行くわ!」
メルキゼデクのしわがれた声が響く。
水晶ミサイルを執拗に天馬にメルキゼデクは叩きつけてくる。
メルキゼデクは余裕ぶっていた。
天馬は水晶ミサイルの迎撃に忙しい。
天馬は白刃を振るって水晶ミサイルを迎撃するが、それが手に余っているのは誰の目にも明らかだった。
天馬は苦境に立たされた。
メルキゼデクは水晶ミサイルを飛ばすのをやめない。
「!? しまった!?」
天馬に水晶ミサイルが襲いかかろうとしたその時、一本の矢が水晶ミサイルを吹き飛ばした。
「何じゃと!?」
「これは……!?」
それはアンジェリーナが弓から発射した矢だった。
アンジェリーナはエーテルを矢に変えて水晶ミサイルに対して射撃したのだ。
「アンジェリーナ、ありがとう!」
天馬が感謝の言葉を述べる。
「いえ……私、何もしないでいることができなくて……」
アンジェリーナは天馬を心配そうに見つめる。
メルキゼデクは不快な顔をした。
天馬にとどめをさせるところだったのに、それが阻止されたのが気にくわないのだ。
「フン、小娘の援護射撃に救われたか。だが、そう幸運はいつまでも続かん! 死ねい!」
天馬はその瞬間上昇していた。
すると地が爆ぜて周辺一帯にあふれた。
土魔法『地爆』である。
「フン! いつまでも魔法で攻撃をし続けられると思うなよ? わしの力の一端を見せてくれるわ!」
すると、メルキゼデクは黒い大鎌を作り出した。
メルキゼデクはこの大鎌に自信を見せる。
天馬の命を『刈り取る』つもりなのだろう。
「さあ、これで終わりにしてやろう!」
メルキゼデクは上昇し、天馬に鎌で斬りかかった。
鎌は大型武器だ。
それをメルキゼデクは薙ぎ払い、叩きつけ、振りぬいてくる。
また、この黒い鎌には先端に突起がついており、槍のように突きを繰り出すことができた。
メルキゼデクは鎌に闇をまとわせた。
どうやら、メルキゼデクの本来の属性は『闇』のようだ。
「くらうがいい! 闇月斬!」
闇の刃が三日月のような形になって天馬に斬りつける。
天馬はとっさに天光斬を出して迎撃した。
威力は伯仲していた。
「死ぬがよい!」
メルキゼデクは鎌から回転する闇の刃を出した。
天馬は光を刀に乗せてそれを断ち斬る。
天馬の光が刀を輝かせた。
天馬は刀を握る。
それから、光の刃を闇の刃に向けて放った。
二つの技が互いに相殺する。
天馬はその瞬間を逃さなかった。
天馬はメルキゼデクのすぐ前に飛び、刀でメルキゼデクを斬りつけた。
「があっ!? このわしが!? バカな!? に、人間ごときに……!? ぐはああ……」
メルキゼデクは地に落ちていった。
「本当にいいのか、アンジェリーナ?」
天馬の第一声である。
「はい、私は軍に入ります」
アンジェリーナの声には確固とした覚悟があった。
アンジェリーナは月州軍の星見基地、特殊防衛隊司令室で告げた。
「天馬君、アンジェリーナさんもこう言っていることだし、素直に認めたら?」
ユーリアは天馬を説得するように言った。
ユーリアとしても能力者が増えることは望ましかった。
「ま、まあ、俺は彼女の意思を尊重しますよ」
天馬はアンジェリーナがどこか精神的に脆いところがあったため、軍に入れるのを不安視するところがあった。
ユーリア大佐が笑顔を向ける。
「これで四人目の能力者ね。私たちの部隊も実力をたくわえつつあるわ。これまで以上に活躍できるでしょう。天馬君、アンジェリーナさんの訓練を頼むわね」
「わかりました」
上官であるユーリアにこういわれては天馬はうなずくしかない。
かくして、アンジェリーナも部隊の一員になった。




