俺、養子になる
俺はあの後、すっかり泣きつかれて寝てしまったらしい。少しぼーっとしているとどこかうきうきした様子で優里奈がやってきた
「ねぇねぇ、あなたって名前がないでしょ?いつまでもあなたって呼びたくないし、だから、もし、もしよかったらなんだけど、名前、私たちで考えたんだけど、受け取ってくれるかな?」
その提案は、本格的に家族になろうという提案であり、つい俺も、その優里奈の温かい雰囲気につられてしまったのか、つい受け入れてしまった
「うん、いいよ」
「え!?いいの!じゃあ、あなたの名前は…深月 紗理奈!どう?あなたのその天使のような姿からその名前にしたんだけど…」
「ありがとう、でも、さすがに天使は恥ずかしいかな」
「アハハ…でも、受け入れてくれて本当にうれしいよ。こほん、で、さっそくで申し訳ないんだけど、ここからは現実の話なんだけど、大丈夫?」
そこから真剣な顔で話されたことは、ここから近くのダンジョンでスタンピードと呼ばれるモンスター大量発生による事故のようなもので、俺が倒れていた場所から、ダンジョン外に出たモンスターによって俺の両親は死んでしまったかもしれないということ、そもそもとして俺の見た目の情報などから合致するものはなかったらしい。だから、養子としてちゃんと申請したり、ちゃんと育てようと思っている。という事だった。ちなみにダンジョンというものは数十年前に現れ始めたもので、そこからは特別なアイテムやダンジョンでしか手に入らない資源などがあるらしい。ただし危険なモンスターが生息していて、毎年死者が出ているらしいけど、それを以てしても余りある資源がある場所、とのことだ
「そういうことにしようと思ってるけど、いいかな?」
そう聞かれたけど、思い出せない両親のことよりも、今は温かいこの状況が、会ったばかりだけれども、そのほうがいいと思ったから
「俺も、優里奈の家族になれるのが、とてもうれしい」
そう返したら、何故か顔を赤くした後、とてつもない速度で来るとむぎゅっとした感覚が伝わってきた。
「可愛い!可愛い!ねぇ、そしたら私の仕事場のみんなにも紹介していいかな!?」
「別にいいけど!?何で!?」
「それは紗理奈ちゃんみたいな可愛い子を野放しにしておくのはだめだと思ったからだよ!さぁ!行こ!行こ!」
そういわれるがままに別の部屋に連れられて、何かを起動させたと思ったら、ユリナちゃんねると書かれたアイコンから大事なお知らせがありますという告知をしてからそれは始まった。
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