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傷の手当をしてくれる和水さん③


「えっと、では僕がページ順に書類を重ねてくるので、和水さんはそれをホチキスで止めて冊子にしてください」

「ん、りょーかい」


存分にバブみを味わったあと、僕は和水さんと役割分担をして書類作成を始めた。


 伊刈さんが帰ってしまった後、僕は一人で残り全ての作業をしなければと覚悟していた。


 けれど和水さんが手伝いに来てくれたことで、僕は覚悟していた分は得をしたというか、大幅に作業が楽になったように感じた。


 だからこそ、手伝ってくれる和水さんには少しでも楽な作業をしてもらいたい。そう考えた僕は和水さんには座ってもらって、僕が纏めたものをホチキスで止めてもらうことにしたのだ。


「お願いします」

「ん、おっけ」

「はい、次です」

「はいはい」


流れるような連携作業で冊子の作成はどんどんと進んで行く。分厚かったバラの紙束も、冊子が一枚出来上がるごとに薄くなっていき、今ではもう残り僅かのところまで減ってきていた。


 あと数冊で全て完成する。これならそんなに遅くなることなく帰れそうだ……などと、そんなことを考えながら作業をしていたのがよくなかった。


 気が抜けていたのだろう。


 まとめた書類を和水さんに渡す時、僕は手を滑らせて書類の束を床に落としてしまったのだ。


「あっと、すいません」

「別にいいよ。拾うの手伝うから」

「いえいえ、僕が拾いますから大丈夫ですよ」


わざわざ立ち上がろうとしてくれる優しい和水さんを手で制して、僕はかがんで床に散らばった書類を一つ一つ拾い集めた。


 何ページ分もある書類はバラバラに散らばってしまっていて、集めるのは少し面倒だったけれど、これ以上和水さんに負担をかけるわけにもいかない。


「えっと、次はあれか、な……」


なるべくなら少しでも手間を省きたくて、ページ順になるように書類を拾う。その途中で、僕はあるものに目を奪われた。


 落ちた書類を拾い、顔を上げた時、僕の目の前には和水さんのムチムチとした太ももがあった。


 立っている時には、けしてみる事ができない机の下の光景。


 僕は授業中に、隣に座っている和水さんをよくチラ見しているから知っているのだけど、大抵和水さんは脚を組んで座っていることが多い。そしてそれは今も例外ではなかった。


 和水さんはばっちり脚を組んで座っていた。ただでさえ短いスカートはまるで意味をなしておらず、今の僕からはムチムチの太ももが大胆に見えている。


 むしろ、もうお尻の肉まで見えてしまっていて、僕は食い入るように太ももの付け根辺りを見つめてしまった。


 わざとじゃない。たまたま、書類を落としたのはミスをしただけだし、こうして和水さんのお尻を見れたのも偶然だ。


 じっくりと見てしまっている僕が、今更何を言ったところで信じてもらえないかもしれない。それでも僕は心の中でわざとじゃありません、と和水さんに言い訳して、そうしながらも目ではスカートの中をしっかりと見続けていた。


「……手伝う?」

「い、いえ! ちょっとページ順で拾っているだけなので大丈夫です!」


いつまでも出てこない僕に、いい加減待ちくたびれたのだろうか。机の上から聞こえてくる和水さんのそんな声にも、僕は適当な言い訳を返してしまった。


 本当はそんなことはしていない。僕はもう和水さんの太ももしか見ていない。そして、スカートのさらに奥、組まれた脚の真ん中が見たくてその場から動くことができないでいる。


 もしスカートの中を覗いていると和水さんに気が付かれたら……そう考えると心臓の鼓動が早くなり、息が苦しくなってくる。


 いくら机の下の僕が何をしているか、和水さんから直接見られることはないとはいえ、いつまでも出て来なければきっと不審に思われる。


 けど、そんなことは分かっているのだ。


 危ないと分かっていて、それでも僕は動けない。


 思い出しているのは、少し前、和水さんにポスター貼りを手伝ってもらった時の事。


 あの時僕は、真下から和水さんのスカートの中を覗いていた。太ももに負けず劣らずの肉付きをした張りのいいお尻と、それを締め付けるような面積の少ない下着は、今でも一人になった時はすぐに思い出す。


 また見たい。


 今僕が考えられるのはそれだけだった。


 和水さんのパンツが、また見たい。


 パンツ。


 パンツ。


 馬鹿になったんじゃないかと思うくらいにそれしか考えられない。


 ポスター貼りをした時、もしかしたら和水さんは、僕が覗いていることを知っていたかもしれない。あの体制では、見えていることは分かっていたと思うけれど、それでも僕は和水さんから何も言われることはなかった。


 どうしてなのかは分からない。分からないけれどもしかしたら、今回も何も言われないかもしれない。


 この前のように、僕に下着を見せつけてくれるかもしれない。


 そんな童貞特有の都合のいい妄想に脳が支配される。


 静かな教室の中で、時計の秒針の動く音だけが聞こえる。


 一秒、また一秒と秒針が時を刻む中、僕はずっとしゃがんだまま。


 もう何分経ってしまっただろうか。明らかにおかしいくらい僕は机の下でしゃがんでいる。


 流石にもう無理かと諦めかけ、何と言い訳をして顔を出そうかと考えた時、


「ぁ、ぁぁ……」


僕の目の前で、ゆっくりと……和水さんが股を開いた。

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