第七話告白はしたほうがいい
今回で沙也加と比奈のデートは最後になります。
それでは楽しんでください!
お昼頃。
沙也加と比奈はレストランにいた。
「さっきは、ごめんなさい」
パスタを口に入れ咀嚼したあと比奈は言う。
「いいの、私が悲鳴をあげちゃったのが悪いんだし」
こちらも、パスタを咀嚼したあと首を横に振り言う。
実は、沙也加が下着店で悲鳴あげたあとこんなことがあった…
「大丈夫ですか?!」
比奈が言う。
比奈は試着室を見回したが特に気になる物や人はなかった。
「だ、大丈夫よ」
慌てて沙也加はそう言った。
この時、暁斗は比奈がカーテンを開けようとした瞬間に間一髪で試着室から出た。
そのあと、沙也加のほぼ裸の状態の身体を見て顔を赤くしている太智のポケットに入り太智と一緒に下着店から脱出した。
(このあと無事に下着を買いました。)
そんなことがあった。
「あの、下着も買ったことですし、私、服を見たいんですけどいいですか?」
比奈がパスタをペロリと平らげると言った。
「私のことに付き合ってくれたしいいわよ」
このあと、沙也加と比奈はショッピングモール内の服屋を周り楽しいひと時を過ごした。
時刻は午後6時。
沙也加と比奈は夕暮れの見える木々の生い茂った場所に来ていた。
木の後ろに隠れている暁斗と太智(特に暁斗)は嫌な予感を感じていた。
二人はしばらく静かに夕暮れを見ていた。
だが、その沈黙を破るように沙也加は口を開けた。
「比奈、私はあなたのことが好きです。
私は、愛に性別はないと思います。
私は、あなたのことをいつも見てきた。
どんな時も…
友達と話しているあなたが好き。
一人でいるあなたが好き。
失敗しても立ち上がるあなたが好き。
あなたの……
全てが好き。」
比奈は思い切ってそう言った。
この発言に暁斗は「すごい」と言う言葉以外の物が思いつかなかった。
沙也加はこの発言にすべてを込めている、それを暁斗は感じ取っていた。
この発言を聞き少しの間があったあと比奈が口を開いた。
「私は、その言葉を聞いてすごく嬉しい。
最初は生徒会室に呼ばれていつの間にかこうやってデートして沙也加さんの良いところを沢山見つけることができました。
でも、私は……やっぱり男性がいい。
だから……ごめんなさい」
比奈は泣きながらそう言った。
この時、暁斗は安堵と同時に負けたような気持ちになった。
「……いいのよ」
沙也加は頬から涙を流しそう言った。
二人は泣いた。
どうしてかは分からない、その涙が失恋からなのか何なのか…
その姿を暁斗と太智は何も言わずに見ていた。
辺りはもう暗くなっていた。
沙也加は比奈と沢山泣いたあと比奈を家まで送り届け、公園で暁斗と太智と話していた。
「……残念だっ――」
「これで良かったわ」
沙也加は暁斗の発言を遮るように言う。
「本当に良かったのか?」
太智が言った。
「本当よ、これでモヤモヤはなくなったし、今は、清々しい気分よ」
「そうか、ならいいんだけどな」
暁斗は腑に落ちない気持ちだったが本人がそう言うならと思いそう言った。
「なんでそんな顔をしているのよ!私がいいって言っているんだから良いのよ!」
少し怒りながらそう言った。
「そんなことより、私があなたの恋を手伝ってあげるわよ」
「えっ!」
暁斗は驚いた顔して言った。
「私があなたを比奈と釣り合う男にしてあげるって言っているのよ」
「おっ、良かったじゃあねーか。暁斗」
久しぶりに口を開けた太智が言う。
「だから、黙ってついて来なさい!」
こうして、暁斗には頼もしい仲間ができた。
区切るならここで第一章が終了したぐらいです。
明日も投稿します!
次回もサービスゥ!サービスゥ!