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「ちょっといろいろな人から聞いてみたけれど、みんな強盗団の姿をあまり知らないみたいよ。私達はあんなに遭遇しているのに、不思議ね。」
彩希の情報収集は凄いのがある。
「それよりも、シャザールから来た人達って結構居た筈なんだけれど、あまり見かけないよね。撤収した訳では無いみたいだけど、みんな洞窟の中なのかしら?」
いくみに言われたが、確かに街の中ではあまり会わない。金塊を探しているのだろうか?嫌な不安も過る。
「私達の場合はここでは金塊と強盗団を倒そうって想いがあるけれど、他の人達からしたらここに居てはリスクが伴うって感じる人も多いかもね。強盗団はなんとなく強そうだもの。」
すずかが淡々と話しているが確かにあのキョウレートを火だるまにはしたのだが、ルイア、サーシイドの美女2人には戦闘にはならいが、かなりの威圧感があった。
「ねぇ~リーダーって誰なのかしらね?何しろ私達の様子を見に来させた程でしょ?結構用心深いのかしら?親方って感じじゃなさそう。」
少し笑いながら朱音が話していたが、確かに未だ相手のボスがどんな感じなのかは想像できない。
「でもさ、美女が2人も既に出てきているんだし、キョウレートってイケメンも連れている訳だから相当の奴なんだろうなぁ…」
ハカセが盾を磨きながら話しているがシャザールの時は早々にブシャーに遭遇した為、ある程度の覚悟はあった訳で今回の様に部下には遭遇したがボスの気配が未だに…
「そうだ!強盗団って事はさ、クリスタル持ってるかもよ!今まで存在すら忘れて………」
僕が言っている途中で、
「そんなのみんな気にしていたんじゃないの?じゃなきゃこんな場所いつまでも居たくないもん!」
桃に言い切られたが、全員を見回したら…当然だろ!みたいな表情だった。
「流石キラーちゃんね!みんなはクリスタルの謎の方がずっと気になっていたのに、忘れてたって…」
いくみの表情もガッカリって顔で僕を見ていた。
「じゃ、じゃ、じゃあ~クリスタルを探しに行きましょー!」
僕の掛け声を彩希が
「『じゃ』が多い!」
一蹴された。