13
結局金塊探しという夢のある様な、世の中金が一番!みたいなどうしようもない欲望みたいのが出てしまい探索に入る。
「武装はしないと強盗団が来たら面倒だからね。金塊が出たらどうしよう?とか考えたのだけれど、何も浮かばないわ。不思議ね、ここに居ると何故か固執するものでも無いみたい。」
彩希が言っているが、出てきたら本当にそれで済むのだろうかは置いといて、別世界って感じでいるので僕もあまり金塊に固執してはいない。
寧ろ現実的では無いのだ。
「あっ!キミ達もこんな所迄来るのかぁ~いやいや、可愛い女の子に逢うのは嬉しいね!」
見るからに遊びまくってます!みたいな黒いスーツっぽい服装に格好よく帽子を被り、ちょっとイケメンが数名の男達と出てきた。
「街でも言ったけれど、知ってるから煩い。」
いくみの対応で、街でも声をかけられてるんだ!って知った。
「あー、なかなか冷たい対応だね。僕も初めて可愛いって言ったら『知ってる』って言われたよ。で、そこの僕より若干落ちた感じの人が彼氏かい?」
笑いながら話してくる。
「貴方より若干落ちた感じなんだ。じゃー普通の人ね、中の中って感じで。」
薄ら笑いを浮かべながら彩希が対応した。
「そっちの彼女も可愛いなぁ~。僕はキョウレートって言う、まぁ………」
「ここでは強盗団さっ!」
いきなり剣を抜いた!
「そこの男子二人はさ、要らないから死んでくれよ!女子は僕達が貰い請けるよ。」
いきなり斬りかかって来たが僕はなんとか鉄パイプで相手の剣を叩き返した。
「危ないなっ!今、強盗団って言ったよな!ルイアの仲間か?」
僕は戦闘中なのに、先ずそれが気になって聞いてみた。
相手が距離を一旦離して、
「ルイアを知っているのか?ハハ、あれは美人だけれど、なかなか激しい性格でね。誰もあの女を止められないよ!ちょっと君達の女の子を僕が引き受けたいって思っているんだ!ま、死にたくないなら早く逃げな…………」
言っている途中でキョウレートの帽子が飛んだ。
いや、ナイフが帽子に刺さったのだ。
「随分素早く逃げられるのね。」
いくみのナイフがキョウレートの顔を目掛けて投げたのを奴は避けたのであった。
さぁ…これから本当に戦わないといけない気配である。