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スタシスの街へ戻り少し話を聞いてみた。
勿論あの美女、ルイアの事だ。
「結論から言えば仲間の強いのが他に数名いるみたいね。ほんて、嫌だわ。」
彩希がいつもの様にジョッキを片手に話している。
「そのルイアなんだけれど、どうやら悪魔の仲間らしい。強盗団は悪魔のグループなのか?って感じなのだけれど、悪魔と人間の違いは最近あまり見分けが付かないよねぇ…俗説では人を食べるみたいだけれど……」
いくみがまた物騒な話を入れてきましたわ。
シャザール城の街から城が崩壊して一番近い街、スタシスでは今はシャザールから来た冒険者達で賑わっている。
実際、シャザールの地下では完全に管理されているダンジョンであった訳であくまでも悪魔を倒すと言う目的の為に連れて来られた感じであった。
結果、悪魔のリーダーであるブシャーは仲間を率いて城にいた水泡蘭のクーデターに乗じてシャザールを引き払いシャザールの地下ダンジョンに他の冒険者達も探索する意図が解らなくなってしまっている状況下であり、冒険者達はブシャー、水泡蘭を捜しながらの旅に切り換えてきている訳である。
「そこでよっ!金脈情報なのだけれど、階層が幾つかに別れていて何処かにあるのでは無いか?って感じみたいなの!」
やけに朱音のテンションが上がっているけれど、やはりまだ漠然として見付かる気配が無いなぁ…
「適当に壁を掘ってみたら出てきたりしないかな?」
桃の意見ではあるが、僕もそんな気がしてしょうがない。あるのならそんな無理に深く迄ってねぇ…
「まぁ、洞窟を崩壊させない程度ならいいんじゃない?私も気になるわ。」
すずかも同じ意見であったらしい。
「ここでは一旦ブシャーとか水泡蘭の事を措いといて強盗団と金塊目当てに暫く入ってみよう!後は他のグループが敵に回らない事だね。」
ハカセの最後の言葉は現実に前回で遭遇した時の様に重く感じた。