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「それでキラー君、ちゃんとみんなに説明して!なんでこんななのかしら?」
彩希が僕を睨みながら腕を組んで立ちはだかった。
「えぇと、僕とハカセで外に居たでしょ?それをいくみがわざわざ出てきてくれて、一緒に居てくれたんだよ。外は結構寒くてね、いくみとハカセがお酒を呑みだして全部空けちゃった訳で………」
簡単に言えばハカセといくみで呑みまくり、現在明け方どころかお昼前になっても二人は酔い潰れていたって事で。
僕は呑めないので、二人が寝た後も馬鹿正直に見張りをしていたのだ。
そう、見張りをしていて何も落ち度が無い僕が怒られていたりする。理由は勿論、先に進めない為である。
「そうだ!いくみは軽いから僕がおんぶして、ハカセはみんなで紐で引っ張って………」
ドカッ!と頭に朱音の薙刀の柄で突かれた。
「もう、いい加減に起きて!こんな場所に2泊はしたくないわ。」
すずかがいくみを揺するとようやくいくみが目覚めた。
「あああ!ごめん!すっかり寝過ごした!頭痛い~キラーちゃん、おんぶ!」
いくみは聞いていたんじゃないか?って僕は思った。
「ハカセの方は桃の槍で突いてやろうか!」
桃が物騒な事を言いながらも、柄の部分で先程の朱音の様に突いた。
「頭痛い~ハカセがようやく座った。」
全然2人共役に立ちそうも無い。
「いくみは男子2人と何を話してたの?」
朱音が明るい声で、興味深く聞いてきた。
「なんか何も記憶が無いのよねぇ…あっ!ハカセがチェリーだって話を…………」
いくみが言っていると、
「わぁーーー!!」
ハカセが立ち上がり騒いだ。
「すずかさん、ハカセってチェリーですって!初めましてとか言われない様に気を付けましょ。」
桃が笑いながらハカセとの距離を離した。
「あー!いくみ~」
ハカセが真っ赤な顔をしながら訴えている。
「そうだ!ハカセの初めてはヒツバーでいいんじゃない?みたいな話で盛り上がってたんだ!」
いくみも一気に酔いが冷めたらしく立ち上がった。
「随分楽しそうなキャンプファイヤーだったのね。みんな起きたみたいだけれど、きょうもここでキャンプファイヤーをしながら話す?」
彩希が妖艶な笑みを魅せながら僕達を見回した。
もう野宿は嫌だよ。
僕達はようやく次の街迄向かう事になったのである。