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「そうか、君達も出るのか。」
売店のオジサンは少し寂しそうな顔で僕達の事を見回した。
「他のグループは知らないけれど、いろいろ見てみたいし何より水泡蘭とブシャーの両方に利用されてどちらも此処に居ないとなると捜し出して決着をつけたいもの。」
彩希が少し物騒な話をした。
「今出た水泡蘭だが、王室の7名と一緒って事でこれは今の君達じゃ相当キツいぞ!下手をすれば瞬殺だ…」
オジサンが言っている途中でいくみが遮る。
「私達は負けそうとか考えながら闘わないの。あまり暗いお話はここまでにしてね。」
笑みを浮かべながらいくみがオジサンの事を見るが明らかに怒っている。
「ま、これから向かうのはこの城門から真っ直ぐ行けば着くみたいだからとりあえず準備をして行きましょうよ!」
朱音がオジサンと気まずくなる処を明るく振る舞いながら売店のオジサンに挨拶をした。
「ここはいつでもやっているから、また時間ができたら来ておくれ!」
オジサンが笑いながら僕達を見送ってくれた。
「結構みんな出ていってるわよ。だいたい他のグループに付いていけば危険はある程度回避できそうね。」
彩希が包丁を構えながら歩いている様は人食いババアみたいな怖さもあるので、他のグループも少し驚く。
「見た目とのギャップが彩希の包丁と私の鉈な訳で、他の男が誰も近寄って来なくて静かでいいわ。」
すずかの鉈も相変わらず周囲からの違和感があるよな……
「さっ!街から次に向かう場所迄どれくらいかしらね?この畦道みたいのしかないからこれで行けば着くのでしょうけれど。」
いくみの真っ直ぐ遥か先を見ながらナイフをキラキラさせている。そう、あの傷を負わなかった水泡蘭に傷を付けたあのナイフを。