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炎上していたシャザール城が音を立てて崩れた。
「危ない!」
僕達は瓦礫の下敷きに危うくなるところであったがなんとか全員無事に立っている。
「キラー君達、お別れの挨拶にここでなるかな?」
いきなり右側から8人の兵がいた。
いや、兵というのはもっと弱そうな人物を言うのではないか?そんなグループである。
そして、声をかけてきたのは………水泡蘭先生である。
「なかなかの急展開に驚いたでしょうが、今回のこの騒動は私、水泡蘭と7騎士に依るものであると断言しておこう。」
水泡蘭先生いや、水泡蘭がキッパリと言い放った。
「先生、何故こんな大変な事件を引き起こしたのですか?私達にいろいろと相談相手としてもお話しされていたのに……」
彩希が残念そうな顔をしながら、包丁を持つ手に力が入る。
「クリスタルの魅力と、無能な城主に我々が動いただけさ!ハハハ!ただ、この城下には住めないからね。但し一言、城主新柿読の遺体は発見出来なかった。では、記念に私一人で少し話題の君達を魅せてもらおうか!」
いきなり水泡蘭が剣を構えた。
「ダーメイマーが血塗れだったのよ、まさか水泡蘭先生と向き合うなんて………」
いくみがナイフを取り出す。
「ダーメイマーか!彼は大きいだけだったよ。まぁ、それでも君達にはまだ大変な相手なのかな?」
そう、水泡蘭は傷一つとしてないのである。
「自分の血を流さないで相手の血だけで、鎧を汚す水泡蘭って異名があるみたいだからね。じゃいこうか!」
朱音がいきなり水泡蘭へ向かって薙刀で水泡蘭胸付近を突こうとしたが軽く剣で避けられる。
「朱音の横からいける!」
桃が槍で突くも此方も失敗した。
ヒュン!そのタイミングでいくみのナイフが飛んだのと併せてすずかの鉈、彩希の包丁、ハカセの盾をぶつけに行く。
サッ!と交わされた。
そう、僕はこの避けたタイミングを待っていた。
避ける直前に放った僕の謎の魔法は水泡蘭の予想外の角度になったが、それを高い跳躍で回避した。
「あの鎧、重いわよね。」
彩希が呟いていたが、その時再び水泡蘭の笑い声が響いた。
「いやはや、君達は本当に凄いよ。この私にかすり傷とは言え血を出させるってね。」
見ると左手の手の甲に薄く1本の線が!
「傷を見た感じでいくみさんのかな?ナイフの角度に交わせる向きが無かったよ!」
水泡蘭は全ての攻撃を交わす事だったらしい。
「私はこれでも、キラーちゃんの魔法からの角度を併せて攻撃したのにね。残念だわ。」
いくみのナイフが本当に何本飛んでいるのだろうか?
「そろそろ我々も新しく城を造ってみようと思うよ。近所には造らないから次に逢うときは私達の城を発見してからって事で。」
水泡蘭が剣を鞘に戻しながら
「なかなか噂よりも楽しかった!ブシャー達が来て、気配を殺すのは大変だったね!もしかすると気付いていたのかも知れないぜ!」
水泡蘭が再び笑いながら仲間と共に瓦礫の山を背に街から外へ向かっていった。
「そうだ、シャザール城の火は新柿読個人で放ったのだよ。じゃ今後も頑張ってください!」
水泡蘭が本当に悪いのか?ハッキリと分からず水泡蘭達は僕達の行った事の無い城の外へ向かっていった。