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「ちょっと待って!ダーメイマー、今のは本当か?」
僕はおよそ相手が悪魔とは思えない返答をしている。
「あぁ、本当だ。水泡蘭が遂に新柿読からクリスタルを奪い火を放ったのだ。俺はブシャー様に言われて監視をしていたが、あっという間だったわ。ワハハッ!お前達との戦闘する前の様子が流れた直後だ、予定通りの動きをしたおかげで俺は水泡蘭に向き合えたのだが流石にアイツは強かった。……さてと、まだ闘いたいのだが俺もブシャー様達とここから出られるのでね消えるとするよ。」
ダーメイマーが説明してくれた。悪魔に説明させる奴等が僕達だ。更に、
「今ので水泡蘭先生が出たのはなんとなく解ったわ。ところで、クリスタルって何?なんか、良いことあるの?」
彩希が追い討ちで聞くって。
「クリスタルはこの世界に反応するのが4つある!全て揃ったら何かあるらしい。それだけだ!」
後ろからいきなり声をかけられた。
「やぁ、先程はなかなかの戦闘を楽しませてくれてありがとう!特にキラー殿、まさかフェニックスにあんな弱点を見出だすとはな!」
振り向くとブシャー達がいた。
「今度は『殿』になってる~」
桃が笑いながら話している。凡そ僕達は先程殺しあっていた相手には見えない。
「まぁなかなか呼び名は難しいよ。そろそろ我々もあの地下封印から放れたかったのでね、君達ならなかなか面白い相手になると思っていたが想像以上だったよ。またいつか逢おう、君達がこの世界の全てを廻れば何処かで殺し合えるだろう。」
ブシャー達は特に悪者って感じを出さずに僕達の前から街の外へ出ていった。
「やっぱりいきなり出てきたらアイツの前では動けないね。キラーちゃん、よくあんなのと戦おうとしてたよ。」
いくみが僕の顔を覗き込む様に見ながら話してきた。
「それよりも、水泡蘭先生がって事を言われたけれど纏まらないわ。」
すずかの意見と全員一致している。
「水泡蘭先生なのか、水泡蘭で呼べばいいのか?街の人達にも聞かないといけないね。」
ハカセも顔面蒼白ではなしをしてきた。
「クリスタルって何が急にそんな物が出てきたんだか?」
僕はいろいろと分からない事だらけで困惑している。