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追いかける様に部屋を出たのだが、ヒツバーに付いて来ただけなので何気に手間取る。
「そういえばさ、いくみがスベったアイツ居なかったよね。」
朱音が言いながら、いくみに睨まれた。
「あっ!そうか、ダーメイマーが居なかったのか。」
僕も誰か他に居ないって印象よりもあの集まりで来られたのだ。よく今は生きているって実感しているが、果たして今は何が動いたのかが気になる。
「ところでさ、何処に向かってるの?」
桃の問いに足音が止まり、
「知らない。」
彩希~先頭切ってて…
「当然でしょ!私が一番出口に近かったんだもん!とりあえず走るよ!」
でも、彩希は闇雲に先頭で惰性で走っていた。
「しょうがないから街へ戻りましょう。」
すずかが言うのに誰も異論は無かった。
「なんか、守衛さんが誰も居ないんだけど…」
いくみが言いながら、守衛室を見る。7階の守衛の兵士が誰も居ない。ブシャー達に殺られた様な形跡も無いのだ。
一体何が動いたのかが余計に気になるがやはり深く迄来たので時間が手間取る。
「こんな戦いの後にまさか、移動するのが大変ってね。僕の盾2つ持ちはこんな時に辛い~」
ハカセの盾は重さしか感じられないので、大変そうである。
こんな時に僕の装備は身軽なのだが……
いきなり彩希が振り向き様僕に言った。
「そうそう、キラー君は持っていてもらったマントを私が1度も着ないで貴方、フェニックスくるんでブシャーに持っていかれちゃったじゃない!バカ!」
バカって…
「あの時は必死だったんだよ!」
僕が言うと、
「自分の使えばいいじゃんかっ!」
怒鳴られた。
前にマントなんかしてると邪魔じゃんかっ!って言いたいけれど、
「ごめんなさい。」
平和の為に謝る。
逆に怒鳴られていたが……
「ケンカしてないで早く行くよ!」
いくみちゃんありがとうございます!
兎に角今の状況がまるで解っていないまま戻る事にした。