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「その、耐火のマントキラー君のマントと色違いよね。これからもし使う事があるかも知れないから買っておくわ。」
彩希が僕の黒い防火だか耐火のマントの色違いの紅いマントを購入した。
「キラー君!これ、思ったよりも長いから普段着てると戦い辛いからエプロンみたいに前にかけていいよ。いざって時は返してね、」
なんか、珍しくハイトーンで話したと思ったら僕にマントを押し付けただけである。
「まぁ僕の場合防御力のあるもの着てないから前にかけるよ。てるてる坊主みたいだけど。」
僕はちょっとサウナスーツみたいで暑いけれど、前にかけた。横が開いているので手は普通に出せる
「キラー、そのてるてる坊主あまり可愛く無い。」
桃が笑いながら……そんなコメント求めてなかったのですが。
「よく寝たし、これからまた8階に行きましょう!」
いくみの掛け声でダンジョンに向かう。先日の様なギャラリーを引き連れて行く訳では無いので、随分と最初は気が楽である。
「さっ、電気も用意できたし、いよいよまた8階だね!」
朱音が薙刀を少し改良したらしいのだが、僕には長さとかあまり記憶に無くてよく判らなかったがその薙刀を構えながら階段を降りて行く。
「この前はさ、すぐに白いのが出てきたけれど本格的に歩くと何処に行けばいいのだか?」
ハカセが盾を構えながらオロオロ。
「私も暗闇じゃ映像撮れないから武器だけ構えているけれど、何気にこんな普通な格好って楽ね。」
すずかの鉈も前より刃渡りが広くなったらしい。
「キラーちゃんは結局彩希が買った彩希のマントしか目新しいの無いけど大丈夫なの?」
いくみが気にしてくれているのだが、いくみはナイフを大量購入しているみたいだ。
「僕は三角帽子とマントを持てば魔法使いっぽいからそれでいいよ。鉄パイプは魔法使いって気はしないけれど……」
本当に僕の装備は安上がりである。
「そう見えて桃は知ってるよ!マントが何気に高いの!」
桃の言葉に、
「高いの?こんなマントが?確かに防火だか耐火のマントみたいだけれど、まだ効き目があるの知らないし………」
僕が話している途中で彩希が
「じゃ、ガソリン撒いて火を点けたら果たしてキラー君は生き残れるか?をやってみる?」
やってみない!
そんな話をしている時に一人の女が壁に寄りかかりながら此方を見た。
「待っていたわ。そろそろ来るだろうとのブシャー様の話通りね。」
妖艶なヒツバーが居たのだ。
「何よヒツバー!遂に見つけたわ。寧ろ待たせたけど。」
桃が戦意を上げながら微妙な話をしている。
「大丈夫よ。今は暗闇だと戦い辛いでしょ?この階段を降りて行くのでご一緒にどうぞ。戦う時はライトアップしたいのよ、私は美しいから。」
ヒツバーが妖しい笑みを浮かべながら階段を降りて行く。
「しょうがない、ここはヒツバーの場所に向かわないといけないみたいね。」
彩希が包丁を構えながら階段に向かったので、僕達も慌てて装備を出して降りて行く。