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「ねぇ、いろいろ聞いてきたのだけれどやっぱりあの3人って凄いらしいのよ。」
彩希が相変わらずの情報収集力。みんなそれぞれ街の中で装備のメンテナンスや購入をしている中で、僕は彩希と桃の3人で食事をしている。
「桃も一緒に聞いていたけど、ヒツバーって今までに確認されている中でもトップクラスの強さみたいよっ!桃のあの槍を軽く避けるなんて、初めてだわ。」
桃ちゃん?、まだ槍を始めて僅な記憶しか僕には無いけれど…
続けて彩希が
「いくみが投げたナイフでニフエイが斧を落としたって話をしたら、みんなびっくりしてたわ。最近影の薄いヒロインって私に煩かったからようやく静かになると思ったら、ナイフの使い手みたいな事言って、余計に煩いけれど。」
「兎に角あの3人は強いんだ、ってのは分かったよ。今後が僕達も困ったね、人数集めて来られたら厳しいよ。」
ただ、今の話でヒツバー達が本当に強いのかはよく解っていない。
もうひとつ、これは僕だけかも知れない気になる事はまだ誰にも話さないでおこうと思う。
みんなそれぞれ街での購入等が終わり帰って来ると、それぞれがやはりヒツバー達の件を聞いてきたみたいだ。
「一瞬で1グループが全滅した話をいろいろな人から聞いたわ。少し彩希の真似をして聞いてきたのだけれどね。」
すずかが周囲からの情報収集してくるなんか初めてなのではないかと思っていたら、
「すずかは隣に居ただけで、僕に聞いてこいって……」
ハカセ~弱いなぁ~
「あっ!でも、すずかとなんか、デートみたいでたのし……」
「デートじゃないわ!」
すずかに一蹴された。
すずかがヒツバーなんじゃないか?って一瞬で全滅させる能力。
「私達も同じ事しか言われなかったねっ!」
いくみが朱音を見ながら同意を求める。
「いくみが、みんなにナイフの話をしまくって私はヒツバーが凄いのを、今はじめて知ったのよっ!」
朱音はいくみのナイフで3人が下がって行った話で終わっていたとの……
「だって、私は今迄役に立たない可愛いだけのいくみちゃんだったのよ!同類の桃が先に足軽~とか言っちゃってさっ!私も目立たないとって。」
可愛いだけのは措いといて確かにいくみが最近考えこんでいたと感じていた。
「ひとつだけ質問していい?」
彩希が真面目な顔で僕を見た。
「キラー君は何をしてたの?」
「すいません。僕はお昼寝してました。」
一斉に睨みを利かされた。目からレーザーが出るのならば、僕は一瞬で殺られていただろう。