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「あのさぁ……」
随分と神妙な面持ちでいくみが話しかける。
どうした?
何か違和感があったのか??
「違う……疲れた!!」
いくみが絶叫した……
「珍しいわね…いくみが最初に言い出すなんて……ついでに私も疲れたわ…」
彩希が淡々といくみの事を言っていたら……自分もかよ!!
「ごーはん!ごーはん!!」
桃さん?疲れた、関係無いんじゃない?
「今、考えたの!!ごはんコール!!!」
桃の言葉におもわず……
確かに言わないけれど、テンポは以前からある気がするのですが……
「あのね、桃が思うには……ごはんを食べたら疲れも緩和されると思うのよ!!」
桃の物凄いプッシュが……
「多分誰も反対は無いから戻るよ!ミアータも体力は余っているだろうけど、ウチの姫様が疲れたら諦めて!!」
朱音がそんな事をミアータに説明すると、
「私も一戦全力を出しているので疲れている。無理をして進む事は望まないので、気にしないで欲しい。私は君達の仲間として居るので安心してもらって大丈夫だ。」
ミアータは先程の朱音の言葉の裏に、ミアータとしてはもっと先に行きたかっただろうけど……
みたいなニュアンスを察したのだろう…
朱音もミアータも共に大人な対応である。
「……私としてはミアータが一緒に居てくれている事が有り難いわ…普通なら不満も出るのでしょうけれど…こんなワガママメンバーばかりで……」
そんなすずかが不満が出ているのでは?みたいな言い方ですが……
「…私は大丈夫よ…何しろキラーが居るのだから!」
なんだ???
すずか……
もしや、愛の告白か??
「……あっ!キラーの思い違いが私は嫌い!」
すずかさん?
そんな事はズバリと切り捨て無いでもらいたいわぁ……
「キラーちゃんには、しっかりと言わないと分からないからね!」
いくみが嬉しそうに、すずかの顔を見た。
「そうよね、彩希とかいくみがズバッと言うのが良くわかるわ…勘違いするのが瞬間的で驚くもの……」
きょうのすずかは毒が強いや……
そうか、彩希といくみに感化されたてるのか…
あの性格からだと、強いぞ……
「ホラっ!キラーがオドオドしちゃうから、虐めないの!!」
朱音さん?
僕は虐められてたのか?
「キラー君はね、鈍感なのよ…気にしないタイプって事よね。簡単に言えば……」
彩希が僕の事を分析してるし……
「大丈夫よ……複雑過ぎて、単純過ぎて全然解らないから……」
彩希……
なんか僕は微妙な奴だな……
「それは最初から知ってるわ……面倒な事が嫌いって事も……」
彩希が色々言ってくるが……
本当に面倒な事が嫌いだ。
「そうだよね!桃と似た所が、面倒な事が嫌いって事なのよ!その為に動いているキラーが居るって感じで、またそれが桃も同じ感じで動いている!みたいな感じ。」
あの……
桃さん………
何を言いたいのか、僕……わかんないや……
「あっ!あたしも!!今の桃の話しはわかんない!!」
いくみが一緒に分からなくて良かったわぁ…
その後、街に戻る迄……桃の説明は続いたのだが、それが本日一番面倒な事であった……