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グダグダお昼ご飯を食べてからの、午後の部……
「なかなかねぇ、昼休みがある冒険者って聞いた事がないよね。あたし達がこれからの常識を打ち破ってる!!」
いくみさん…
常識外れな気がするのは僕だけかしら?
「あら!!キラー君もなの?本当にウチのメンバーは世間的には気合いが足りないわよね…気合いが必要とも思わないけど……」
彩希が僕と同じ考え方で、機嫌が悪くなるかも知れないビクビク感からは回避出来たみたいだが…
「彩希が言う通りだよ!気合いが必要なのは昔の先輩が後輩に偉そうにする為の決めゼリフみたいなものよね!言ってる自分が気合いの意味を理解してるのかも怪しいから!」
朱音が凄い勢いで食いつく…
恐らく嫌いな奴が言ってたんだろうなぁ……
と、勝手に解釈。
「ホラっ!問題のT字路!!」
いくみが言うと、全員がピリッと静まる……
「じゃあ、またカエルが居るか見るよ…」
ハカセがオドオドしながら曲がり角を覗き込む。
その後に、偉そうに真ん中に立ってみた
「大丈夫だよ!何も居なかった!!」
こんな時しか役に立たないハカセって……
「次は、問題の扉だから!バカみたいに十字路の端っこに誰も座って無い事を願うわ!!」
朱音さん?
朱音さんの作戦だった記憶がありますが……
しかも午前中に……
「キラー殿、私が扉を開けるので何かあればフォローをお願いする。」
ミアータに僕の会話は完全スルーされてしまった。
まぁ…ミアータのフォローが今は大切。
ドンッ!
ミアータが扉を激しく開けたが、向こう側には誰も居なかった。
「十字路にも人影無しか…少しホッとしたけど、向かう場所にはまだ何も知識が無いのよね…」
彩希がウンザリする様な顔をして僕達がこれから向かう右側の通路をジッと見た。
「すぐにさぁ……扉があるのよね…直進も出来るけど、扉も気になるわよね…」
朱美が先頭なので、すぐに確認をするのだが、本当に左側に扉がここから見受けられる…
「開けるべきか、開けないべきか?桃は手前から行くのが良いかな?って気がする!!」
桃の意見に何となく全員が賛成してしまう。
そう……
近くから廻って行けば取りこぼす事も減ると思われる。
あくまでも、思われるだけで……
保証は無い。
「……じゃあ、桃の食事以外の意見も聞いてあげましょうか…」
すずかが笑みを魅せながら扉の近くへと向かう。
「……此処も当然ミアータが開けるでしょ?」
小春とハカセが上手く立ち回ってくれると思うわ……
と、すずかが二人を見ながら話す。
さぁ……
先程より一気に緊迫感が増してしまい、僕にしてみれば不利である……