296
「……キラーさん!起きて下さい!!」
羽角の声で、普通目覚めた。
「羽角、この時間なら文句も言われないし、良かったわぁ!!」
ハカセがノロノロとベッドから這い上がりながら羽角の顔を見る。
「きょうはミアータさんに起こしてもらったんです。ウッカリすればきょうも寝坊でした!」
羽角はどうやら自分では起きれなかったらしい…
「私は昨日寝た為、眠る必要が無かったので、時間に併せて羽角殿を起こしただけだ。」
ミアータは毎日寝ないのか?
初めて聞いたわ……
「勿論、毎日眠っても大丈夫なのだが……勿体無いからな!」
ミアータの何が勿体無いのかはよくわからないが、兎に角寝てなくても大丈夫なのは理解した。
「じゃあ、皆さん支度してロビーで待っていて下さい!僕はお越しに向かいます!!」
すっかり羽角が目覚まし係だな……
ホテルのロビーで待機していると、ゾロゾロと女性陣も集まった。
「きょうはバッチリだったね!」
桃が羽角にいきなりハイタッチしている。
「きょうは朝から入れるから、あのT字路を曲がらないで行くよ!」
いくみがサラッときょうの進む方向を示唆した。
「そうよね、まさかあんなに苦労したのに行き止まりだった場所へは向かいたく無いわね。」
彩希の言う通り、まさに苦労した場所だった……
カエルからの扉を開けたら強盗グループって、よくよく考えたら大変だった割に行き止まりだし、落ちていた相手の剣を売っただけ…
果たしてこれからこの地下迷宮って場所がどの様な場所なのかを知らないといけないのだが、既に不安しか浮かばない……
「昨日ちょっと調べたら、あんな場所でカエルが出て来たって珍しいみたいよ…もっと水がある場所に居るみたい……」
言いながら、いくみがミアータの顔を見た。
「そうだよね!私も水と言えばミアータだと思ったし!」
朱音が同じくミアータを見た。
「勿論私は雨樋の番人なので、水に関すれば同じではあるが流石に水の場所が何処にあるのかは分からない。」
ミアータは相変わらず雨樋の番人と言っているが、僕達と一緒に居る時点で雨樋の番人では無いのでは??
「まぁ…今は君達の番人みたいなものだ……」
あまり面白くも無いが、ミアータ流の笑い話らしい…
本人もスベっているのは自覚しているが……
スベる悪魔って、
聞いたこと無かったわ……
「じゃあ、きょうは本当にその先へ向かうからね!ある程度売れそうなのがあったら、貰って売却!!」
いくみさん?
僕達は転売するのがお仕事ですか??
「そんな訳じゃ無いわよ!敵を倒す事が仕事よ!」
彩希さん?
気のせいか?
物凄く怖い事言ってるけど……