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「クッ……もう無理だ!早く遺体を連れて行くぞ!!!」
相手の一人がそんな事を言いながら、自分達の仲間の遺体を担ぎ上げて僕達を突き飛ばして出ていった。
「あら!ちゃんと遺体を持って行くのね。そのまま放置じゃないんだ。」
言いながら彩希が、表情を暗くする……
「当然よ……戦闘とはいえ……人を殺してしまったのだから……」
いくみも曇った表情で僕を見た。
確かに戦闘とはいえ、例え相手が悪者であろうが良い気分にはならない……
「今、彼等は蘇生場所に連れて行ったのだ。運が良ければ生き返る。」
………ちょっと待ってよ?ミアータさん??
貴方、今………とんでもない事をサラッとおっしゃってませんか??
「何?その蘇生場所って!!初めて聞いたんだけど!!」
そうだよ!朱音の言う通り、何だよそれ!!?
「このジャスタウェイの街には、蘇生場所があるのだ。遺体さえ持って行けば……幾らかかるか分からないが、金さえあれば運が良ければ生き返る…知らなかったのか?」
ミアータがやはりとんでもない事を言っている。
「知るわけ無いじゃない!!何それ?ゲームとかにある、教会みたいなやつ??」
いくみの言う通り、僕もそんな事が過る。
「教会?それは分からないが、蘇生の協会があって、技術者が遺体を復活させる事が出来るのだ…失敗もあるみたいだが………」
ミアータにしてみれば常識なのかも知れないが、僕達にしてみれば初耳な訳で……
「……それで、生き返る可能性もあるって事で連れて行ったのね?……じゃあ……私は人殺しでは無い……」
先程迄、彩希の表情が相当青ざめていたのだが……
ミアータの話しを聞いて、ようやく明るさを取り戻した。
「凄く気になってたのよ……殺人を犯した私が、凄くショックで……これからどうしようかと考えていたわ……」
彩希が普段は全く見せない態度をとるから、逆に全員が慌てた……
「アタシもあんなに火だるまにしてしまったのを見て、どうすれば良いのか分からなかったけど、復活出来るのならちょっと安心です。」
小春も考えてしまったか……
本当にミアータが味方に居るからこんな話しも出来る訳で、一歩間違えていたら全員が意気消沈だったと思う。
「良かったわね、彩希!!!これからは殺し放題よ!」
すずかさん?
その物騒な言い回しは止めてもらいたいー!!
「あら?相手の仲間を死体運びで残してあげれば大丈夫でしょ?考える必要無いんじゃない??」
すずかの考えは戦闘に関しては合理的であるが、人としてあまり言いたくない言い回しだな…
「キラー、それはしょうがないじゃない。彩希が落ち込む事が、私達メンバーで避けたい事の一つなのだから……」
言いながら、すずかの視線の強さはある程度言われてしょうがない!って思いながら、覚悟やの言葉であったみたいだ。
さて……
新しい情報も、ミアータからもらえるとは思わなかったなぁ……