35
「みんなが注目するからちょっと振ってみるよ。」
僕は鉄パイプを振り落とした。
スッ!って感じで水みたいのが真っ直ぐオークゾンビのお腹に当たった。
当たったと云うより、突き抜けた。
そのままオークゾンビ1体が倒れる。
「よく分からなかったけれど、ちゃんと出るのね。あと……ゾンビって意識とか無いかと思ったらそれは違うみたいなんだけれど………」
彩希が視線をオークゾンビに向けながら迫ってくるオークゾンビに前より更に長くなった包丁で斬りかかった。
なかなか皮膚が厚いらしくまだ決定的では無い。
「桃が一番槍!ってやりたかったー」
シャレなのか?ツッコミを入れる間髪もなくオークゾンビに刺しに行く。
やはり力が無いのが………
「桃、突くだけじゃ無理よ。叩き落とすの。」
すずかの鉈がオークゾンビの頭を割った。
「すずかの話で私もできる武器だった!」
朱音の薙刀も振り落とした。
僕は1回の戦いでまだ2回魔法を使っていなかったので、再び鉄パイプを振り落とす。
「しっかり使いこなせているのね。私の出番は無いや。」
いくみが後ろで見ている。
オークゾンビは残り1体。
「ゾンビって逃げるんだ。」
ハカセが盾で向かっていくと、オークゾンビは一目散に逃げていった。
「今回1回も相手から攻撃されないで勝ったのは大きいわね。私は見てただけだけど。」
いくみが今回のオークゾンビではナイフでは斬り込めないのを判断してサポートに回ってくれていた。
「凄い臭い。吐きそうだもん、早く行きましょう。」
彩希が言うまでも無く僕達は更に奥へ向かっていく。
「結局キラーの魔法は分からなかったね。名前付けないと!ノーネームウォーターにしましょ!」
勝手に桃が名付けたけれど長い名前だな。