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扉を開ければ、この先がどうなっているのか?
「なんだろ…不安しか無いよね……」
ハカセ……
君は常に不安しかないんじゃないか??
「確かにこの先が分からないからな……覚悟は出来たか?」
ミアータが扉を触る…
木製の扉なのだが、通路との区切りにしっかりと封鎖されている為、扉の向こう側が分からない。
「一応構えておかないとね…なんか居たら嫌だし。」
彩希の言葉に全員が戦闘態勢に入る……
「これで普通に素っ裸の男女がしてたら……ビックリするだろうなぁ〜」
「キラーちゃん……あたしはその発想が一番ビックリしたわよ……」
いくみに言いきられた。
「必ず緊迫感の無い事言うよね…何なの??」
朱音にも詰められる……
多分なのだが、緊張するとね…トイレに行きたくなるのよ…だから空気を変えたいってのが……
「キラー君、うるさい!!」
彩希に一気にぶった斬られた……
「とりあえず今回は私が開けてみよう。」
ミアータが扉を………
蹴り飛ばした!!!
ドンッ!!!
「バーカ!!!」
いきなり扉の向こう側から剣を持った男達が攻撃してくる。
ゴンッ!!
運良くハカセの盾に剣が当たり、出だしは回避出来た。
まだ相手の人数も姿も把握出来ていないのだが、声は複数の男の声なのは認識出来た。
「ハカセ殿、良く受け止めてくれた!!」
ミアータが言いながら、一人の男を……
完全に真っ二つに斬り落とした……
「これはゾンビじゃ無さそうね…完全に…………私達の事を『バカ』と言った馬鹿ね。」
彩希が冷静に刀を構えるのだが、まだ斬り込む訳ではないみたいだ。
「ハカセさんが盾を構えてもらえるのなら!!」
小春が弓矢を射た!!
「ギャァァァ!!」
何処に命中したのかは確認出来ていないのだが、男の悲鳴が上がる。
「扉の先がどうなってるのよ?入り口が狭いから!!早くハカセ、前に行きなさいよ!!」
いくみが扉の前で、立ち塞がる様に居たハカセを前に進めた。
「相手は10人程居るみたいね………残念ながら、私の鉈では一人の頭を砕くのが精一杯みたい…」
すずかが物凄く物騒な事を言っているが………
「本当に鉈で叩いたの??」
朱音の問いに、
「……しょうがないじゃない、私の左手を見れば分かるでしょ?」
すずかが冷静な言葉で朱音に言っていたが、左手にナイフが突き刺さっているのだ……
「すずか!!大丈夫??ち、ちょっと!!ミアータ!!」
桃が慌ててはいるのだが、すかさずミアータを呼ぶ。
「すずか殿、ナイフを抜かなければ……それには痛みは伴うが……」
ミアータが言いながら、すずかの左手に刺さっていたナイフを引き抜く……
「これで大丈夫だ!よく、声もあげず耐えた!!」
ミアータの言う通り、すずかは痛さの声等一切出さなかった。
「……当然でしょ?ミアータが治すの分かっているんだから…余計な事は必要無いわ……」
すずかさん?
味方からしても、結構怖いぞ??
「キャアキャア言っても結果は一緒なら、相手が私達の動作に怯む事をした方が効果的だわ…」
すずかの冷静な対応に、相手は確かに驚いている……
まだ相手は居るのだ…
果たしてどうやって動かなければいけないのか??