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結局戻って来てしまったのだ……
「なんだ…もんじゃ屋さんとかお好み焼き屋さんは無いんだ…結構お店があるのに残念……」
桃が本気でもんじゃを食べたかったのかと、若干引き気味な雰囲気で僕は彼女の顔を見た……
相変わらず可愛いなぁ……
「キラー!!何なの??すぐにイヤらしい事しか考えないんだから!!」
イヤイヤ、桃さん!!
僕は、まだイヤらしい事迄考えて無いって!!
「……キラー君、普段のおこないね……」
彩希にも引き気味な態度を取られて、僕は哀しいよ……
「もんじゃも良いけど、売店でカエルの両足がなかなか良い値段で売れたから、お肉にしましょ!!」
いくみが上機嫌である。
「ほんと、すずかがすぐに捌いてくれたから。でもさぁ……あのカエル……一気に5人も丸呑みしてるんだよね…」
朱音が言う通り、すずかがすぐに捌いたのはその丸呑みされた人物を救けられるかも知れなかったのだが……残念ながらそこまでは上手くいかなかったのである…
「これからはあんな相手が出て来るって考えたら、ゾッとするわ……結局カエルだって一匹の訳ないでしょ?」
彩希が何気に現実的に考えているのだが、他のメンバーはどうしても食事の場所に目移りしているみたいである。
「あっ!僕、結構ホルモンも好きなんですよ!此方に来てからあまり食べた事無かったし。」
羽角君??
先程君は……カエルさんの内臓見ながら……リバースしてなかった??
「もう本当に自由なメンバーだな………その割にまとまる時は、しっかりと出来るのが不思議だよ。」
イヤイヤ、それを桃に言われたく無いって!!
桃が一番自由だろ??
「桃はね、食べる時以外は拘り無いからっ!!」
そんなに桃は食べる事に拘りがあるのか??
あるか……
「そうだよ!食べる時は味に集中したいから、みんな黙ってもらいたいもんね!」
こんな時はハカセも生き生きとしている…
どうやら今回は炭火焼きの焼き肉食べ放題のお店に決定したみたいだ……
実際、僕に権限は一つも無いのだ……
食べられるお店で食べれたら文句無いので、そこまでガチャガチャ言う事も無いのだが……
「今回は羽角の希望もあって、ホルモンも食べられるし!!」
桃が上機嫌である。
「このお店も安くて良かったわ!ってよりも、地下迷宮に近い通りは結構安いお店が多いわね。」
朱音が言っているが、地下迷宮の近くと最初に街の入り口付近ではこの街の雰囲気は随分と変わるのだ。
街の入り口付近だと、住民も居て高品質なお店が多かったのだが、地下迷宮付近では冒険者の為のお店みたいのが多い。
物価も随分と違うのは、結構驚かされる。
「街に住んでる人達って儲かる仕事なんだね…流石港町。」
華やかな場所が好きな彩希にしてみれば、入り口付近の場所に居たいのだろうが、僕達と共に行動してくれているのは有り難い。
「でも、ご飯終わったら女子チームは向こうに行ってショッピングだよ!キラーちゃん達はさっさと寝るだろうけど!」
いくみが勝手に行動の分担をしていたらしい……
「勝手にじゃないわよ!必然よ!!」
朱音に言い切られた……
既に決定事項みたいである。