281
「じゃあ、此処で作戦を……先ず僕がT字路に一瞬出ますから、恐らくカエルの舌が飛んで来ると思います。僕が戻った時に小春が弓をカエルに撃ち込む……ここまでは大丈夫??」
羽角が一瞬T字路に出て、カエルの舌が戻るタイミングで小春が弓を……
僕の出番は?
「キラーさんの火の魔法は、再度僕が出ますので、小春と同じタイミングで火を付けてもらえば大丈夫かと……」
羽角が何故か自信無さそうに話す。
「羽角君、話しながら気が付いたんでしょ?小春の矢が何処に刺さったのかを確認出来ないって事を……」
彩希が言った通り、小春の弓矢で当てた場所が分からずに僕の魔法を放つ事になってしまっている。
「ついでにキラーちゃんの魔法を使う迄の無駄なアクションがある事もね…」
いくみさん?
あれは無駄じゃないのよ!!
よく分からないけど、あの動作が魔法を生み出すんだから!
「キラー殿、2回目の時に私がカエルの舌を押さえ込みます。それで魔法を使えるタイミングが出来る筈。」
ミアータ?
舌を押さえ込むの?
かなり難しいぞ?
何しろあの男達5人を丸ごと連れ去る舌だからねぇ…
「何となく分かったわ……私もミアータと一緒に押さえ込むから……」
すずか?
あれだけで分かったの?
僕が分からないだけか?
「……大丈夫、キラー君……私もあの二人が何を言ってるのか分からないから!」
彩希も分からないのなら、良かった……
イヤイヤ、そんなよくは無い!!
「大丈夫だよ!流れで判る筈だから!!自信無いけど。」
いくみさん?
最後の言葉が、僕には物凄く引っかかるわけでして……
「キラー!!細かく決めてもどうせ毎回上手くいかないんだから、ほら!!やるよ!!」
朱音が薙刀を構える……
まだ僕の頭の中がゴチャゴチャしてるんだけど!!
「………大丈夫よ…、見れば分かるから。」
すずかが僕の騒ぎとの真逆な静けさで鉈を持つ……
「では、僕が最初に出てからが状況判断してその後は皆さんお願いします。」
羽角が言いながらT字路の場所へ出る。
先程同様に長い舌が右側から襲いかかる…
転がりながら羽角が戻ると同時に、小春が弓矢で僕達には見えていないカエルに撃ち込んだ!!
「キラーさん、アタシはカエルのお腹部分に撃ち込んだと思います……当たったかどうかの確認が出来ないで急いで戻ってしまったので……」
小春、よく弓矢を放てるわ…
場所に出てすぐに撃ち込んだら、戻るって弓道ってよりも、流鏑馬みたいな感じだな……
僕達はまだこの続きの攻撃をしないといけないのである。
果たして予定通りに……
イヤイヤ、僕は…作戦をよく理解出来ていないのですが……




