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先程の戦闘で世間的に失ったモノとかあったのでは……
特に一気に首を斬り落とした彩希とか気分的に、どうなのだろうとか僕は考える……
「大丈夫よ!キラー君!!あれ…人間でも何でもないから……」
彩希が言うが、強盗犯を人間扱いしていないみたいな……
「キラーちゃん??あれ……ゾンビだよ!」
えっ!いくみから僕にとって衝撃的な言葉が発せられた気がする……
「息してないって言わなかったかしら?確かハカセが殴った相手にだけど……」
すずかも気が付いていたの?
殴ったから息してないんじゃなかったの??
「そもそも、足元にその遺体があるかしら?」
朱音が指差す先には、ドロドロになった泥の固まりみたいのが残っていた。
「キラー殿、あれはいくみ殿がおっしゃる通り、ゾンビである。元々死体だったのを誰かが復活させたのだろうな……」
ミアータも知ってたの??
ゾンビってさ、ボロボロの服着て、顔は青ざめてたりして、何となく手を前にしながら……ノソノソ歩くんじゃないの??
「キラーちゃんさぁ……実際、私がゾンビです!ってなってわざわざボロボロの服着たいと思う?良い服着たいでしょ?それよ!!」
いくみが妙に服に拘るって……
「先ず!!手を前にしながら歩くって考え方が間違いの要因じゃない?そもそも固定観念がそれしか無いのが困るわ……」
彩希に追い討ちで呆れられる。
「そうだよ!!イヤらしい魔法使いだって、今まで聞いた事無かったんだから!!全くキラーは鈍いなぁ…」
桃にまで言われたのだが……
「ち、ちょ、ちょっと待って!!イヤらしい魔法使いだって??」
「それは勿論……桃が上手いこと例えに出したなぁ〜って、感心してた所よ!」
朱音が僕の顔を見ながら、半笑いで話す……
「言えるのは、ミアータが言った通り、ゾンビを出せる力がある様なのが此処には存在するのね…」
彩希が言う通り、ゾンビを出せる力があるって想像つかないんだよね…
「問題は本人達がゾンビと認識しているのかは、分からなかったね……まぁ…対峙していても気が付いて無かったのも居るんだから、認識して無いのかも知れないけど……」
いくみは結構冷静な判断をするのだが……
結局僕の事をディスってないかしら??
「キラー君は被害者意識が高いなぁ…ディスってたけど……」
彩希さん?
そりゃ、被害者でしょ??
「全く騒々しいわね!一回叩き斬って、ミアータに治してもらう??」
いやいや、彩希さん!!
痛いじゃんか!!
止めてくれよ!!!
「因みに治す時も勿論痛みは伴う……」
ミアータ!!
今は僕は無事だから、本気で治そうとする準備は止めてくれ!!
相変わらず入り口近辺で全然進まないのであった………