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「あまり詳しく説明しても理解出来ないでしょうけれど、知ってる?」
彩希が相手を睨みつけながら話す。
「随分偉そうな女だな。そんなのを自由にするのも楽しみだ!」
あ〜自由にね…
彩希さんは大変だぞ?
「品が無いわね…強盗犯に対してなら、思いきって斬り落としても正当防衛って事よ!!」
彩希が言いながら、先程自由にしようとした男の首を…………
斬り落とした。
「こ、この…この女!ふざけるなっ!!」
相手は言いながらも、剣を構えているだけである…
一瞬で彩希が相手の首を斬り落としたのだから慌てるのも当然と言えば当然か……
「ふざけるな!って……アンタ達強盗でしょ?あたし達は全力で守るわよ!始めようとか言いながら始める訳も無いでしょ?」
いくみが言いながら、オークの一人に斬りかかっていた。
「ギャー!!」
オークは悲鳴をあげたのだが、剣を持っていた右腕が………地面に落ちている。
「いくみさん、オークは僕にとって一番辛い事を思い出させる相手です。しかも、強盗でまた居るって事は……」
羽角が右腕を落としたオークに対して、頭のテッペンから斧を振り落した。
………
今度は、悲鳴も無く、胸元付近迄羽角の斧で割いてしまったまま…
どうやら絶命したらしい……
「羽角もだけど、アタシも一緒!!!」
ヒュンッ!
と、小春が言い終わりながら、後方に居たオークの額に弓矢を刺した。
「お、お、お……お前達!!随分と戦い慣れしていやがる……」
既に人間の二人はビビリまくり……
オークのもう一名は……
僕達に背を向け逃走していた……
「おい!……クソ!!」
男二人も逃げようとしたのだが……
「後で仕返しとか嫌だから!!」
ハカセが男の一人の後頭部に、盾を殴りつける。
「そうだよね!仕返しは許せない!!」
言いながら桃が、もう一人の左脚の太腿部分に槍を刺した。
男は突然の事に、そのまま前のめりに倒れる……
「桃、随分と逃がさない巧い方法ね……」
すずかが鉈で倒れた男の右腕を斬り落とした。
「ずっと右腕だけで剣を持っていたから、危険防止の為よ……」
斬り落とした時も、今の表情もすずかは全く変わらないのだ…
味方なのに、すずかの怖さが如実に出た気がする。
「後頭部殴られた人……息してないわよ…」
朱音が若干遠くで薙刀を持ちながら見ている。
「ついでに、私の役割が無かったのよね…」
朱音が言いながら、全員を見る。
そうだ…朱音の順番は廻って来なかった。
「私も君達の本当の力を、今初めて見たが……流れる様に進められるのだな…先日の山の時とは全然威力が違うし、動きも抜群なのだな。相手は強盗をするつもりだったのだから情けをかける必要も無いしな……」
ミアータが言いながら、先程すずかに右腕を斬り落とされた男に向かって……
剣で首を斬り落とした。
「いつまでも痛がっているのなら、分からない様にしてやろうと云う事だ……」
ミアータは冷静に言ったのだが、
「痛みを分からない様にって……ミアータは治すのかと思っちゃったよ…」
彩希が言ったのだが、僕もまた治しちゃうのか?と、思ってしまっていた。
「強盗だ……この世に必要無いのなら消してしまえば、誰も嫌な思いはしないだろう。」
ミアータは見た目とは違い、結構『善悪』をハッキリさせている気がする………
「それで??キラー君は今回も役立たず??」
彩希に言われたが、首を斬り落とす程の実力者になっているのだ…
「……すいません、役立たずでした…」
素直に認めた。
と、いうよりも……僕の出番が全く廻って来なかったのだが……