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「ねぇ…食べ放題の金額がさぁ……」
朱音が物凄く神妙な顔をして、全員を見回す……
「えっ!相当高いの?桃はメニューの内容しか見なかったから……」
桃さん?
メニューの内容に金額は入ってませんか?
「メニューの中に金額とか出ていても、美味しそうか美味しそうじゃないかの何方かだから、気にしなかったよ…」
桃の言い方は分かり易いのだが、決定的なモノが抜けてるのが困る…
「それで、朱音……どうなのよ?」
彩希が朱音をジッと見る……
「なんかね、スッゴい安いの!ミアータも入ったから私達のメンバーが増えたでしょ?なのに………全員で洞窟の時の二人分程度なんだよ!凄くない?」
朱音のギリギリ迄我慢していたテンションが一挙に解放されたらしい。
「それじゃ、お寿司屋さんが空いちゃうわよね…いくら食べ放題同士でも金額が違い過ぎるもん!」
いくみが言いながら、肉を頬張る。
「なんだよ!朱音〜、桃が怒られるのかと思ったじゃんか!褒めろよ!!」
桃さん?
なかなか自分の事を、褒めろよ…とは、言わないと思いますが…
「何しろ偶然とは言え、桃がセレクションしたお店なんだからね!」
桃が言いながら、物凄く大きな肉を頬張る……
「その肉って、何の肉なのかしら?」
彩希が桃の食べている肉の正体を知りたがる……
「えーとね、………何これ?海蝸牛?何?」
桃がメニューを良く見ながら謎の言葉を……
「それは、『うみまいまい』って読むんだよ。有明海に確か居るけど…小さいタニシみたいのだと思ったんだけど……」
ハカセが釣りが好きみたいだから詳しいわ…
って、小さいの??
「えーとね……ここのは体長5メートル?えっ!5メートルもあるの?なんだこれ?」
いくみがタブレットで調べたら、なんか巨大なタニシみたいのが出て来た。
「全然大きさが違うよ…そりゃそうか…全然タニシの味もしないし…」
ハカセが驚いた顔をしながらも、食べている。
「だいたいこの世界に居るのは大きいけど、ちょっと大きくなりすぎじゃない?」
朱音も食べながら……
タニシの味じゃない…肉だよ!
と、騒ぐ。
「やっぱりねぇ…正体を知ったら怖いわね…お寿司屋さんのマグロだと思ったのも、魚に脚生えてたし…」
えっ!
彩希さん?
僕も結構食べたけど…
あのマグロ……
脚あったの?
「あら?知らなかった?脚あるのよ…」
いくみにも言われたが、マグロに脚あったんだ……
なんか微妙……
食べ物として考えると生きている時の事を頭に浮かべると、辛いわぁ…
有り難く食べさせて頂いたって事だけで……
そんな無駄話をしながら夕食迄………
確か、お昼ご飯から休み無く………
地下迷宮に行けたんじゃないのかしら??