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「それで、クリスタルの戦士って何よ?」
彩希が少し不機嫌そうな顔をしながら、ミアータにたずねる。
「あぁ…私も本来ならこの様な話しをしない事にしていたのだが、先程言われたのでね…」
ミアータは先程言われた、想定の話しをしない事にしていたのを、話すみたいである。
「クリスタルの戦士とは、あくまでも風の噂なので全てを信じないでもらいたいのだが、そのブシャーはクリスタルを探しながら生命を得るらしい……」
ミアータさん?
何なの?それ??
「えーと……普通は、クリスタルを集めて守護とかクリスタルがパワーアップの……みたいな話しをすると思っていたのに……生命を得る??」
いくみが言うのは尤もである。
全く漠然としている為、意味が分からない…
「だろうな……私も分からない。ただ、君達はブシャーと一緒に居て、クリスタルを掲げたのだろ?少しは分かっているのかと思っていたのだが……」
まぁ、ミアータが思っていたのは何となく分かるけれど、僕達はブシャーとは本当に一緒に居ただけだったので、彼の事は一切分かっていないのだった。
「結局クリスタルの戦士ってのは何なのかも分からないのか…強そうな名前と、ついでに『正義』みたいなネーミングなのがムカつくわ…」
朱音が残念そうな表情で全員を見る。
「確かさぁ……目に風をキラーが当てた後に、何かブシャーって分かったみたいな事言ってたよね?今更だけど気になる……」
いくみが言ったのはあの塔が沈んでいく時の事だが、確かにブシャーとは何なのかが分からない。
ラスボス感が凄いのですが、一体ブシャーとは何者なのか?
強さは、本気の強さは………全く分からない人物である。
「周りから見ればキラー君だって分からない人物よ?変な魔法使えるし、イヤらしいし……」
あの………彩希さん?
僕を引き合いに出されてもねぇ…
イヤらしいは要らなくないか??
「イヤ!!キラーはそれが無いとキラーじゃないからっ!!」
桃さん??
いつも怪訝そうな顔するクセに、こんな時に僕のイヤらしいのを残すのか??
「確かにキラー殿の噂は色々と聞いていた。あの魔法という誰も真似出来ない魔法の噂話をね……」
ミアータに言わせてみれば僕も結局謎の人物らしいけれど、何故かそんな話しが僕には聞こえてこないんどよね……
さて……
そろそろ夜が明けそうだ………