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「結局ミアータが今は一緒に居てくれるって事は、戦力アップになって良かったね!桃は傭兵の意味は良く分かんないけど、暫くは一緒に居るんでしょ?」
桃がミアータの事を褒めているが、僕も傭兵の意味が良く分かんないや…
「簡単に言えば雇われてるみたいなものだ。それでもずっと手を抜く事は無いので、気にしないでくれたまえ。」
ミアータの言葉に、
「雇われてるって事は、給料を払うの?無理よ、そんなの……ただでさえ毎回浪費で貧乏なんだから……」
彩希が鋭い視線でミアータを見る。
「給料は必要無い。食事を共に食べられて寝る場所が確保出来れば文句無い。私としては、目の位置と謎をみたいだけなのだ…勿論、武術の修行も兼ねてはいるのだが……」
ミアータは結局僕達の言う、通称新宿の目の謎がメインらしい。
確かに分からない事ばかりではあるが、必要なのかも未だ不明なのである。
「武術の修行?あれだけの技を持っているのに、武術の修行??」
いくみが言うのも無理もない。何しろすれ違うだけで首が落ちたのだから…
「あれは簡単だ。剣を2本持っていればすれ違う時に斬り落とすだけなので。」
ミアータさん?
それが凄いって話だろ?
なかなか意志疎通が難しい時があるなぁ…
まだ慣れてないって事と、僕達より遥かに強い鍛え方をしてきたのだろう。
「それでも、S君みたいのと一緒に居たのよね?不思議よね…」
彩希が言ったが、S君は…名前も知らないが、僕達より配属クラスが断然に上だった訳でそこまで弱く無かったのでは?
とも、考えてしまう。
「彼は目の秘密を探っているが、君達を見た時に敵扱いを露わにしたのでな……たまたま目の謎を話していたので信用したのだが……結果は私の思い違いだった訳だ。ちょうどその時に……」
ミアータは僕の事を急に見た。
何なんだ??
「あぁ…ちょうどあの、キラー殿の火の魔法を見たのだ。その時に噂に聞いていた君達が目の前に居る事を確信したのだ。」
ミアータの『キラー殿』って、ブシャーも言ってたよな……
「ブシャー?あのブシャーを知っているのか?」
ミアータが慌てた様子でブシャーの名前に反応した。
「知っているわよ…サングレアルで戦って、ソムニアのプリサイスタワーでは一緒にクリスタルを設置したのだもの。」
彩希の言葉にミアータが先程よりも、明らかに慌てている。
「そ、そうか……あのブシャーを知っているのか…」
ミアータは少し沈黙をしていたのだが、ようやく話しを続ける。
「この私は見た事は無いのだが、あくまでも知り合いの噂話にしかならないのだが、ブシャーと云う人物は………クリスタルの戦士らしい。」
ミアータさん?
なんか僕の知っているゲームのお話しとかしてないよね?
「あたしもすぐに思った!!」
いくみが言うと、
「私も!!」
彩希が続く。
「僕も!!しかも、クリスタルの戦士って事はさぁ………グッ………」
ハカセの話しが無駄に長そうなので、朱音がすぐさま薙刀の柄でハカセの腹を突いたのである。
「ミアータ、話しを続けて。」
朱音が切り替えてミアータに話しかけた。
なんか話しが色々と出て来るな……