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「ねぇねぇ!!もう夜って事はさぁ……」

どうした?桃……

いきなりそんな誰が見ても判る事を!!


「だーかーらー!!夜なんだよ!!お腹空いた〜」

あ、桃の言う通りだ…

僕もお腹空いた……


「ミアータ、此処から街迄どれくらいで着くの?お腹空いた姫様がうるさいんだけど……」

随分と朱音が親切ですな…


「当たり前じゃない!私も空いてるけど、お腹空いたら機嫌悪くなるのが居るんだから!!」

朱音は言いながら、桃を見る。


桃は無言である。


「ほら、機嫌悪い。」

いくみが楽しそうに笑っているが…

そうか、いくみには言わないのね。

我儘が言える相手と言えない相手がどうやらあるらしい……


「そうだな…食料を確保したいのなら……」

言いながらミアータが近くの石を退けた。


「これしか無いぞ!!」

ミアータが退けた石の下には………


「ギャー!!!要らない!!!石を戻せ!!!ミアータのバカ!!!!」

桃の山の頂上迄響き渡るのではないかと思われる悲鳴がこだました。


「姫様の悲鳴〜」

いくみさん?

こんな時に……


言いながらいくみも覗き込む………


「ミアータのバカ!!!こんなの食べられるかっ!!」

いくみの怒鳴り声も響き渡った。


さて……

僕も確認しようか…

あまり気が進まないけど…


と、覗き込むと…

僕は言葉が出なかった………


説明すると、ペットボトルの蓋みたいな大きさの………

ダンゴムシ大量である……


これが暗闇の月明かりとは言わないか…

星の光が地面を薄っすらと見せてくれているのだが、うじゃうじゃと動いているのである。

これだけ黒い丸い、脚が沢山あるのがうじゃうじゃ動いていればね……


食べたいと思わないぞ?

悪魔は知らないが……


「嫌、私は食べたく無いが……」

おーい!!

ミアータ……

君は今、とんでもない言葉を発したのよ?

食べたくないんでしょ?

桃に何故食べさせようとしてる??


「私は食べたく無いが、非常食としてこれは腹を空かせたら食べられる事をおしえてあげたのだ。悪意は無い。」

ミアータは本当に悪意は無いのだろうが……


「桃はね、いきなりこんな動いてるの見せられて、食べろって無理なの!!油で揚げてるんならまだしも、生きたままって!!!」

桃さん?

食べる気あるのか?

油で揚げてると、食べるんか??


「当たり前じゃない!食べられるんでしょ?」

桃が言い放つ。


僕はさぁ、そこそこ桃と一緒に居たから分かっていた筈なのに、まだまだ分かっていなかったなぁ…と実感した。


「それで、桃……どうするの?食べるの?油ならハカセが……」

彩希がハカセの顔を見ながら桃に言う……


「ハカセのは油じゃなくて、脂!!!ってよりも気持ち悪いから要らない!!街迄我慢するよ!!!」

桃が強烈な事を言いながら、怒る。


「ミアータ、それで街まではどれくらい時間がかかりそうなの?」

すずかが冷静にミアータにたずねると、


「そうだな……昼過ぎには着くのではないかな?」

ミアータが普通に受け答えしたが……

昼過ぎってさぁ……

朝ごはんと、お昼ごはんも騒がれるぞ??



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