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「ホラっ!もう少しで出口だってよ!生殖器もしっかり盾を構えてよ!!」
朱音さん?
ハカセの事を、生殖器って呼ぶなよ……
生々しい言い方じゃ無いから大丈夫!って気もしないぞ?
「ミアータが変な事を言ったから、僕の事を変な言われ方してるじゃんかっ!」
ハカセはどうやらミアータには強く出れるみたいだ……
「そうか、チン……」
「ミアータ!黙れ!!」
いくみが一言で止めた。
でも……
もしかして、僕と同じで下ネタ大好きなんじゃないのか??
「キラー君、空を見る事が出来なくなるわよ…外の空気も吸えない………」
彩希って怖いよね…
「本当は此方で私の認可を授からないと出れないのだが、私は君達の仲間なのでそのまま出る事になる。」
ミアータが言いながら、壁に手を触れた。
ゴゴ……ゴゴゴゴ、ゴゴ!!
左から右側に石の扉がスライドした。
「普通はさ、久しぶりの太陽を見て、眩しい!とか目が開かない!!とか言うのにね……」
朱音が言いたい事がご理解出来たかも知れないが、
「夜じゃん!!寧ろ洞窟より暗いし!!」
桃が言う通り、僕達は久しぶりの外に出たのだが……
しっかりと、夜であった……
「えーと……場所が良く理解出来ないの。一応念の為にミアータに聞くけど、ここは山の中腹付近よね…」
いくみの質問に、
「そうだ……山の中腹と云うよりもかなり麓付近だ。君達はめでたく山の中を通り抜ける事が出来たのだ!おめでとう!!!」
イヤイヤ、ミアータさん?
僕達はさ、別に山を通り抜ける事を目標になんかしてなかったのよ!
おめでとうって言われても、全然めでたくないし……
「本当に何なの?あの洞窟の意味すら分からないし!!」
朱音も苦労したから、何となく怒りたい気持ちも分かる。
「知らないで、洞窟を抜けるつもりだったのか?この山、頂上迄行かないと先の道に繋がらないぞ?」
って事はミアータ……山登りか、洞窟探検のどちらかだったのかしら?
「普通洞窟を抜ける筈だ。標高8500メートルの山をそんな装備で登って降りるつもりでいたのか?簡単に死ぬぞ!!」
ミアータが驚いた声を出したが、僕達はそれ以上に驚いた!!
「ち、ちょっと待って!!山を登って降りるって?横から抜ける道とかって無いの?」
いくみの質問に、
「ここは山しかないのだ。抜ける道は無い!!唯一洞窟を利用すれば通れるのだがな…後は完全な登山技術をもっていれば山を越える事も出来た筈だがね……」
ミアータの言う事が本当ならば、僕達は全く山登り等不可能な装いである。
「そうなのね、分かったわ。私達は知らない間に安全な道を選べたって事で間違い無いわね?」
彩希がミアータの顔を見ながらたずねると、
「そうだ!見事通過出来た!と、認められる!!先程も言ったが、おめでとう!!」
ミアータさん……
しょうがない、ここは平穏に、……
ありがとう!!
数名のメンバーと被ってしまった……