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「では、約束通り此処から出る事にしようか…」
ミアータが全員を見廻しながら話す。
「何よ?その勿体ぶった合間は?よくある振り向いちゃいけないとか言うのかしら?」
彩希が相手が悪魔でも容赦なく言いまくるな……
「いや…そんな決まり事は無い。ただ……」
随分と濁すな…
悪魔なんじゃないのか?
ズバッと言えばいいのに……
「出る場所は、君達が居た街の反対側だ。山を通過したと、思って頂ければ分かり易いか?」
ミアータさん?
僕が馬鹿なのか?分かり易く無いのですが……
「うん!キラーちゃんが馬鹿って事で!!」
いくみ!!!
ちょっと酷くないか??
「だって、キラーちゃんが自分で言ってたんだから便乗するでしょ?」
怪しい笑みを、いくみが魅せる…
ちょっと彩希と雰囲気が似る時があるのが、余計に怖さを増す。
「キラー君!馬鹿なんだから、ちゃんと話しを聞きなさい!!」
彩希も追い討ちしてくる…
「簡単に言えば、洞窟がトンネルみたいになってて……山の反対側に出るって事でしょ?」
いくみがミアータに気軽にたずねる…
考えてみれば凄い光景だな…
「その通り、いくみ殿の言われた通りだ。あと、外の世界では戦闘以外は君達に最初に会った姿で居る様にする。同行するので、ガーゴイルの姿ではなかなか珍しくなってしまうのでね…」
ミアータは言いながら、オッサンの格好になった。
何歳の設定なのだろうか?若干紳士風な風貌で落ち着いた大人って感じである。
「キラー君が、チャラチャラしてるからちょうど良いんじゃない?上司みたいで。」
彩希がミアータと僕を見比べて笑う。
……
「………苦しい………」
桃が意味無く笑いのツボに入ったらしく、うずくまる…
「だってさぁ、キラーと比べてさぁ……ミアータを見た後に、ハカセと羽角を見たらキラーよりも貧相な二人が、ボーっと立ってるんだよ!!」
桃のツボ分かんねー!!
「あ〜本当に貧相……」
朱音まで……
貧相コンビが可哀想だろ!!!
「………貧相コンビって!!キラーが一番悪い事言ってるじゃんかっ!!」
桃さん、何故か追い討ちツボってます。
って、いくみと彩希迄笑ってなるし……
「これはね、キラーとミアータを見てからの………」
すずかさん?
いきなりここで笑うの??
「……本当に二人が貧相なのよ……桃が言った言葉がズバリ過ぎて……」
駄目だ、すずかもか……
「これからは二人を見比べるの止めよう…危ないわ!!」
いくみが顔を真っ赤にしてまで笑っている…
あの二人は……
「羽角!!わざと桃の前に覗き込むな!!」
羽角が桃に怒られてるし…
って、羽角は笑わせにきてるわ……
さて…………
この洞窟から、出れるのかしら??