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「一つ今のうちに言っておくわ……」
少し沈黙していた雰囲気からの、彩希がこの空気感からの言葉に僕は何を言い出すのかと緊張する……
「キラー君が衝撃を与えたら、全員をこの洞窟から出して下さらないかしら?この目がこの洞窟で私達が目標としているモノでしょ?だったら、早く外に出してもらいたいもの……」
彩希の願いは、僕も同感である。
やっぱり昼だか夜だかも分からないし、天気も分からないと云うのはストレスが溜まるのだと実感した。
「それは約束しよう。私としても帯同するとなれば、此処に居る必要も無くなる筈なのでね。」
ミアータは完全に帯同する態度は変わらないらしい…
「キラーちゃんが言うと、やっぱり面白いとは思わないわね…」
いくみさん?
『帯同』と『態度』のお話しでしょうか?
ダメ出しされると、恥ずかしくなるわ……
「そんな事ばっかりじゃん!そろそろキラー、風の魔法でもやってみてよ!!」
桃は出れるとなると、元気だな…
「桃だけじゃないよ!全員がさっさとこの洞窟から出られるのなら出たいんだから!!」
朱音もこの場所はやはり嫌なのだろう……
勿論、僕も嫌になる……
「しょうがない、何がおこるかも分からないのにこれが大事なんだよね…………」
僕は目の前に立ち、頭上で鉄パイプを一回転させて……
振り落とした。
ゴーー!
と、風が前と同じ様に吸い込まれた。
………
…………
……………
全員が何がおこるかを、沈黙して見る…………
「何も??」
彩希が重い空気からの、ようやく話したのがこの一言である。
「どうなの??」
いくみがガーゴイルに顔を向けてたずねる。
「………私も分からない………ただ、申し訳ないがもう少し待ってもらえないか……」
ガーゴイルのミアータが新宿の目の赤バージョンみたいのを凝視している………
「これで終わったんじゃないの??」
桃が言った瞬間である!!
「えー!!!」
全員が声を張り上げた。
勿論、変化したのだ……
「目が………黄色に??これだけ??」
全員が驚く中で言葉を出さなかった中で、ようやく彩希が言ったのだが……
目が黄色に変わったのだ。
「……やはり変化したのか……」
ミアータが言ったのを、
「何よ!知らないんじゃないの?知ってたんでしょ?」
いくみがミアータの顔を睨む。
悪魔に睨みつけるって、どんな奴だよ……
「いや、全く分かっていない。ただ、目の色は変化するのだろうと予測はしていたのだ。あくまでも個人的な予測なので、誰にも言える事では無いのでね…」
ミアータは自分の予測はしていたのか…
予測だから、伝えない…
確かに自信があっても難しい問題なのかも知れない。
「あとは何も無いのかしら?そろそろここから出ましょ。」
彩希がいかにも終了の態度でミアータの顔を見る。
「そうだな……これ以上は何とも言えないのでね…」
ミアータもこれで終了と見ているみたいである。
で、洞窟から出るんだよね??