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ミアータの返事がまた困る……
「私はあくまでもラオダワ殿の事で、この目を守っていたのだ…そうだな、ほんの数日だが……」
ミアータが守っていたのは、ほんの数日??
「何故?ずっと居たのではないの?こんなのずっとあれば他の冒険者達だって、何かアクションをするでしょ?」
彩希が言う事は当然な事で……
「いや、私が到着した時はまだ目は水色だったのだが、到着した数時間後に火の玉が来て赤くなったのだ。そして、到着した時は既に目があったのだが……話しに依ると私が到着する1時間前に地響きと共に出て来たらしい…」
ちょっと待って、ミアータの言っている事が本当だとしたら……
「そうだよね…あたし達がクリスタルを置いたら目が出て来た訳で……」
いくみの言う通り、クリスタルを置いたら…芽が生えた……
「キラー君、こんな大切な話しの時に迄よく言えるわね……」
彩希が僕の顔を見て、ウンザリ顔をした…
いつもなら一気に押し潰す言葉を投げかけるのが……
「今はそんな時じゃ無いでしょ?」
朱音にまで咎められる…。
「クリスタルを置いてから火の玉が此処に飛んできたって事?そうなるよね??」
いくみが言う通りかも知れない。
「恐らくそうなる事を、ラオダワ殿は予見したのであろうと思う。そして、指示通り君達の言うCブロックとBブロックに境界を作って無駄に調べに来る者を排除していたのだが……君達の強さを見てみたくて川の途切れる場所で再び会ってみたのだ。今回は指示では無くこの周辺に大勢居る、吸血コウモリが君達を倒したくてしょうがない為に同行していた。最初の時に戦闘にもならないで終わったのでね…」
ミアータの言う、戦闘にならなかったのは今は考えてみれば良かったのかも知れない。
「そして、味方ではあるが……私はあくまでも傭兵として扱って頂ければ幸いなので、兎に角君達を護衛する事を前提で帯同させてもらいたい。」
ミアータの言いたい事はだいたいだが、理解は僕の頭でも出来た。
悪魔を倒せと言われて、この世界に来ていた筈が依頼者は何処にいるのか?生きているのかも分からない。
そして、悪魔が仲間になるの?仲魔ってなると、有名ゲームが頭を過るがこれはあくまでも、『仲間』扱いだろう……
「言いたい事はだいたい分かったわ……ニアミスはあったけれど、戦ってはいないからね…お互い其処は敵対関係は無いと思っているわ…」
言いながら、彩希が僕を見る。
「問題はキラー君が衝撃を与えたらどうなるのか?って事よね…洞窟が沈んだら最悪な事しか浮かばないから……」
彩希が言う通りだが…本当にどうなるんだ?
この洞窟は川もあるんだよ?湖もか…地底湖だったっけ?
「そうだよね…沈んだら最悪だよね…」
いくみがガーゴイルのミアータをジッと見る。
結局僕の魔法の後にどうなるのかが、この先の課題なのかも知れない…………