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「さっ!無駄話はそろそろ止めた方が良いのかな?」
ずっと無駄話だらけだった朱音が薙刀を前方に構えた。
「これって!!!あ……川の終わりなの?」
いくみが言った、川の終わり……
「フッ!!久しぶりですね…前回はアッサリと私も負けましたが、今回は皆様の狙う時間はありません。」
暗闇から出て来たのは……
「あー!!!あの時の!!なんだっけ?排水口の番人!!」
いくみさん?
相手の気持ちを逆撫でするのは、御遠慮願いたいのですが…
「雨樋の番人と、毎回説明しても覚える気持ちが無いみたいですね…」
そう…雨樋の番人、ガーゴイルが目の前に立っているのである。
「あの………背が伸びたの?気のせいだった?」
桃がいきなり質問。
「私の本来の姿がこの身長です。前回お相手した時はあくまでも初期段階。今回は皆様と本当に戦える場所なので、愉しみたいと思って本来の姿にさせていただきました。」
よく分からないけど、前回は2メートル程の身長だったと思うが……今は………倍近くないか?
約4メートルはあるだろう……
そして、コウモリ男が3名一緒に並んでいるのだ…
「ちょっと質問してよろしい?後ろの茶色い羽根がある鳥も一緒に戦うのかしら?」
彩希がまた……
コウモリ男にケンカふっかけているような話し方をするんだよ…
「当たり前だろ!ガーゴイル様だけでも十分だろうが、手間を取らせない様に我々も共に居るのだから!」
コウモリ男が一人返答する。
「で、今回は時間無いって言っていたけれど、全員倒せば良いのかしら?」
また彩希が随分と強気に言うから……
「全員倒せば本当は良いのだろうが、ここは私が一つだけルールを出す。君達全員対私達4名の闘いである。その為……一人再起不能になった時点で終了だ。もし、君達が勝てば此方の通りには毎回スルーして宜しい……が、もし君達が敗れたら……また次回に来たまえ!親切であろう…徐々にメンバーが減る事になるがな……」
ガーゴイルが細かな説明をしたが、街の食事でこの話題が出なかったのは何故なんだろう……
「それは、自分達のメンバーが減ったのに他人に教えてやるのが憎いんだろ?自分達は対策が出来ず、後から来た奴等に教える気もおきないだろう……一度これから負けたら分かるさ!!」
随分とコウモリ男が爆弾発言をするなぁ……
しかし、これは本当にヤバいかも知れない……
何しろガーゴイルの強さって、何も知らないんだよね…